短歌研究詠草2022年採用歌 1 ひびのはなばな(ひびの祈り) 2023年7月3日 22:42 短歌研究2022.01短歌研究詠草高野公彦選佳作一首掲載後頭に迫り来る熱ふりむけばマスクの人の瞳孔の密/ひびの祈り短歌研究2022.02短歌研究詠草高野公彦選佳作一首掲載CDを包むフィルムはキャラメルのようにひらけず深爪悔やむ/ひびの祈り短歌研究2022.03短歌研究詠草小池光選佳作一首掲載喜びの濃度薄まる手に入れた感触のなき電子チケット/ひびの祈り短歌研究2022.04短歌研究詠草小池光選佳作一首掲載母が子に雪合戦しようという雪に隠れた山茶花の赤/ひびの祈り短歌研究2022.05短歌研究詠草米川千嘉子選佳作二首掲載/ひびの祈り予約した幸運巻きの幸運が崩れぬようにゆっくり歩む豆買えば鬼のお面の若き父海馬の底で朧気に立つ短歌研究2022.06短歌研究詠草米川千嘉子選佳作一首掲載愛のない国繰り返す過ちを許せずにみるだけの無力さ/ひびの祈り短歌研究2022.07短歌研究詠永田和宏選佳作一首掲載やえざくらつつじこでまりふじぼたん極楽めいた此岸を歩く/ひびの祈り短歌研究2022.08短歌研究詠永田和宏選佳作一首掲載幸福度調査で測る幸せを測らずわたしらしく幸せ/ひびの祈り短歌研究2022.09短歌研究詠水原紫苑選佳作二首掲載/ひびの祈り米寿なる現役画家の描いた絵にかこまれ我は年輪のなかまだ描くとまだ描くという画家の背に天突き抜ける神木の気が短歌研究2022.09短歌研究詠島田修三選佳作二首掲載/ひびの祈り早々と梅雨が明ければ蝉鳴かず無音の夏に不穏な日本雨音に重なりながら蝉のこえ群青色の夕暮れに降る短歌研究2022.09短歌研究詠島田修三選佳作三首掲載/ひびの祈り廃盤のジャズの音色に金婚の夫婦が瞼そろえて閉じるレコードの針飛ぶ音に時をかけ老紳士らが話す青春銀色のトーンアームはぬばたまの宇宙を走る列車のごとく短歌研究年鑑2022自選五首掲載/ひびの祈りくちびるに咲かせた薔薇は誰も見ずマスクの裏でうっすらと散る(角川歌壇)幸福度調査で測る幸せを測らずわたしらしく幸せ(短歌研究詠草)親指に強い風吹く間隔の等圧線を持って生まれた(短歌研究新人賞)水みくじ引いたみたいにペンギンの泳ぐ背中に「幸」みえる夏(NHK短歌#短歌写真部)てんてんと頬に増えゆく斑点の名のない星座愛せますよう(角川歌壇)第六五回短歌研究新人賞予選通過二首掲載/ひびの祈り親指に強い風吹く間隔の等圧線を持って生まれた緊張を吐き出す息が不織布に跳ね返されて緊張を吸う ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! サポートしていただけたら大変嬉しいです。活動費として大切に使わせていただきます。どうぞ宜しくお願いいたします。 チップで応援する #短歌 #tanka #短歌研究詠草 #短歌研究2022 1