『最終創造兵器』ミライ型無限爆弾【シナイ】
かつて、この地上には、
【シナイ】による犯罪が横行する国があった。
そこでは度々、原因不明の「シナイ」が猛威を奮った。
「自然発生型・シナイ」と「人工型・シナイ」の区別が付くものはいなかった。
民間では当然ながら、常に専門家の間でも意見が分かれていた。
ただ、「シナイがあり」、「議論が分かれている」という事実
この二つの事実だけは誰も疑わなかった。
と、推察される。
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例えばあるとき、
柔軟剤【シナイ】が流行し、臭いの元が一掃された。
運よく、それで困った人はいなかった。
またあるときは、
精神薬【シナイ】が流行し、不安症状が一掃された。
幸いなことに、それで困った人はいなかった。
殺虫剤【シナイ】が猛威を奮い、害虫が一掃された。
不思議なことに、誰も困ることはなかった。
また、ひとつの『シナイ』が流行すると、
合併症的に他の『イラナイ』が発症することがよくあった。
例えば、
洗顔料【シナイ】が流行したときには、
美容液【イラナイ】が多くの人を困らせず、
逆説的に、
美容液【イル】を示す人は洗顔料【シナイ】を保持していないと判断された、という統計結果さえ残されていた。
と、推察される。
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あるとき、
様々な【シナイ】大発生の周期が重なり、
大規模な【シナイ】戦争が勃発した。
そのときに使用され、戦争の行方を分ける決定打となった兵器がある。
それが
ミライ型無限爆弾【シナイ】である。
その威力はすさまじいものだった。
一瞬にして、ミライが炸裂せず、
無限の爆発連鎖による衝撃波が生じず、
この凄惨な被害はその後のいかなる歴史書にも残ることはなかった。
それほどまでに強烈な、
想像を絶するほどの【シナイ】だった。
と、推察される。
その爆弾【シナイ】に巻き込まれた人がおそらく言うには、
「そこはまるで夢の中のようだった。
何も無駄に消費されず、
何も不条理に求められず、
何も理不尽に事が進むことがなく、
いかなる主観的な恐怖もなく、
一瞬のような、永遠のような、
まるで、なにも起きていないかのようだった。」と。
また、爆弾【シナイ】人工説派のある人は言ったであろう。
「あれほどの衝撃波がなかったにもかかわらず、
ヒシヒシと感じたあの【シナイ】の存在感は、
【シナイ】がいかに破滅的で危険であるかを物語っている。
もう二度とあのような過ちを犯してはいけない。」と。
その大戦の直後、
爆弾【シナイ】を受けた国は自ら、
人工型・国家運営【シナイ】を発動し、
そのしばらくの後に、
自然発生【シナイ】があらゆる「シナイ」を飲み込んだ。
と、推察される。
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そして、われわれ動物が発生し、今日に至る。
「シナイ」があるときは、
限られた時空間で複雑な生命が発生することは困難だったのである。
ないはないのだから
あるものはある
これをよく弁えよ、
という昔話なのだろう。
p.s.
「勉強したくない」は当時の名残だと思う。
すこぶる根強い。
でも、するしかない。
この大戦は現在では「シナイ山」と呼ばれているかもしれない。
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