火星へ行きたい
僕は友達の紹介をとても大切にする。友達の影響を自ら受ける。世界で100万部売れた本よりも、ビルゲイツが絶賛する本よりも、友達に勧められた1冊の本の方が僕にとって価値がある。
本に限ったことではない。昨日、留学生の友達で集まってヘルシンキを訪れたのだが、カフェでたむろして話しているとあるドイツ人の留学生が日記を見せてくれた。彼女はきっとかなりマメなのだろう、白紙のかっこいいノートにびっしりと文字が書かれていた。
「日記つけてるんだ〜。俺もつけよ〜。」のノリで、その後一緒に訪れたムーミンショップでノートを買った。
買ったはいいものの、日記が続かないことはわかっている。留学するに際し、当然日記をつけることも考えたが、自分はマメではないしこうしてブログやSNSで発信することに力を入れることにした。そこで、日記ではなく、小学生以来の「自由帳」にしようと思う。
最近、身の回りをとにかく情報化することに努めている。読書は電子書籍、学校のノートもすべてパソコン、フィンランド語の勉強もパソコンとスマホに収束させる。でも、だからこそ1冊紙のノートが必要なのかもしれない。こうしてnoteに今まで書いてきたようなことや、ふと真夜中に思いつくようなアイデアだったり、単にメモだったり、落書きだったりのための。
ところで、もう一つ友達に影響を受けたのがこの本だ。キム・スタンリーの『レッドマーズ』、人間が火星へ移住するというSF小説である。
とある学校の友人なのだが、いつもこの分厚い本をポケットに入れて持ち歩き、ときにその面白さを熱く語る。この厚さで3巻まであるシリーズなので自ら手を出すことはないだろう。それでも、当たり前のようにこれを英語で読むフィンランド人の彼女の熱意に感化され、読むことにした。
さっそく電子書籍で探したのだが、「kindleで買えば400円くらいだから安いね」と話をしたら「貸すよ」と。ここで人に頼りたくない僕の悪い癖が出てしまった。。。正直電子書籍で読みたかったが、これも運命だと思って紙で読むことにした。
2026年火星へ
南極で行われた試験をクリアした、世界から集まった優秀な技術者や科学者、医者など100人が、火星へむけての長旅中に宇宙船で人間ドラマを繰り広げ、人類で初めてその赤い惑星へと辿り着く。まだここまでしか読んでないが、火星へ行きたくなってしまった。
どうしたら火星へ行けるか。
地球がもはや増えすぎた人類を抱えきれなくなった時、火星へ移住するときがくるのだろうか。そのとき選ばれし100人に入るためには何が必要か。もはやお金はただの紙切れとなるだろう。高度に専門的なスキルだろうか。
どんなに優秀な精鋭専門家集団であっても人間であり、文化の違いを超えて、火星に移住し新たなコミュニティーを作ることの技術的な問題以前のことをこの本は教えてくれる。
なんだかこの留学の意義をも考えさせられるような本を読み始めた。
そして、人との出会いから生まれる本との出会い、つまり出会いがうむ出会いの大切さを噛み締めるのである。
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