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no.5 "マーライオンと富士山"

観光地の雑なお土産


社長からシンガポール土産を頂きました。
マーライオンがでっっっかくエンボス加工されたカンカンのやつ。

中身はマンゴー味のクッキー。

コレほんとーーーーに死ぬほど置いてあるんですよね
100万個ありますマジで
南国っぽい色みのカンカン、現地の観光スポットでウンザリするほど目に入る。


これ、観光客が
『シンガポールっぽいのってこれよな』
って言って無限に買っていくので無限に売れる。

改善の必要もない、となれば
あと70年は同じデザインでいくんでしょう。


シンガポールのガッカリする観光地ランキング上位のマーライオン。
でもあいつはまだマシですよ、、、、雑にカンカンに印刷されるくらいで。。。


やりすぎ。流石にね



日本といえば、で
何回擦んねんと言いたくなる富士山。

『パシフィックリム』は皆様ご存じでしょうか。
続編の”アップライジング”の舞台はTOKYO。

”富士山を目指して暴れながら進撃するカイジュウをロボットでボコボコにする”
映画なんですが


富士山近すぎやろ

もう日本じゃないよこの距離感。
初めて見た時めちゃ笑いました
『近っ。』


やはり観光地としての風格の差なのでしょう。
これだけ雑に入れても、勝手に噴火させようとしても
誰も何も言わないのです。
ただ映画が駄作だと言われるのです。

流石にやりすぎたねコレ。



ちなみに私が好きな文学作品に
太宰治の『富嶽百景』があります。

悲観的なイメージがある人にこそ読んでほしい。
彼を好きになります。


富士山の麓が舞台。
太宰本人のお見合いやら文豪との出会いやら仕事やら
エッセイ的な内容で非常に読みやすいです。

太宰の心情とマッチした富士山の表現がウマいですね。



作中にこんなシーンがありました。
バスに乗って観光客と富士山そのものにウンザリしている時、
ふとしたきっかけで外を見ると。

 三七七八米の富士の山と、立派に相対峙あひたいぢし、みぢんもゆるがず、
なんと言ふのか、金剛力草とでも言ひたいくらゐ、けなげにすつくと立つてゐた
あの月見草は、よかつた。富士には、月見草がよく似合ふ。


やはり富士には月見草が似合う。

俗な観光名所と化した富士山。

そこに辟易していた太宰は
ポツンと道端に咲く、小さな花に思いを馳せていた。。。

ツキミソウ


俗なものとそうでないもののコントラストを
『似合う』と言えちまうのがね、、、さすが文豪。

なんとも風流なこのシーンは作中でも印象的でした。



いやーーーいつかこのセリフを実体験したいですね。

富士山っていいな




それにしてもマーライオンには何が似合うんだろうね。
ロボット?

end.





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