ゴッホのような道。
今日の日記を書くのは勇気がいる。
現時点の自分の状況と、今後のこと。
朝から勇気のいる話し合いを主人とした。
2月にいわれた、主人からの最後通告から5ヶ月が過ぎた。
会社を辞めるにあたって、家に2年間ほど収入がなくなるので、
マンガをただの趣味として描いてゆくか、それとも仕事にしてゆくのか、
という中間の心境を話した。
。。。。あくまで現時点ということで。。。
主人が2月に指し示した道は、
☆今年中に仕事になる結果が出なければ、やめて専業主婦になる。
☆または違う職種で働く
☆もしそれでもなおやりたいようなら、家を出て別居という形で自活してほしい
というものだった。
それから5ヶ月、たゆらい、悩み、現時点で仕事になれるような結果はない。
まだ持ち込み前なんだけど、
四十路の、売れない漫画家の再就職活動はものすごく大変そう。。。
正直なところは、ここで終わるのはちょっと。。。
という気持ち。
結婚後、給与が上がり続け、
年収一千万をゆうに超える優秀な夫。
結婚以来、いただく生活費が月に10〜16万という慎ましさを続け
質素に暮らしたおかげか、年の割にはまあまあの貯蓄もある。
わたしが働かなくても生きれた。
そんな安心な生活の基盤の中で、守られた安堵感。
可愛らしい子供。
申し分のないあたたかい、優しい家族。
。。。。しかし。。。
しかし。。。。。。
専業主婦は。。。。ちょっと。。。
かと言って違う職種ってつけるの。。。❓
職を選ばなければいいのか。。。
でも、44で、まだ燻っている気持ちのままマンガをやめて社会人と主婦。。。
なれそうにないし、正直に言って自分の生き方ではない。
趣味でマンガを描けるとは思うけれど、
それって、社会人がnoteをしている時間と同じではないだろうか。
どっぷりと疲れを引きずって、頑張っても平日に1時間ぐらいがやっと、
やらなくてもいいものなのではないか。
わたしの漫画って、、、趣味だけなのか。。。❓
4月ごろ、ちょうど体調を崩していたときから心の奥で感じていたことは、
別居、というケースを視野に入れ始めていたことだ。。。
これには背徳感が付き纏う。
特に普段の子供の面倒をみれなくなる、という苦しさがある。
主婦をやってきたからこそ、2年間子供の成長と見守りを
離れるのは、気持ちが苦しい。
また、わたしは3歳から2年間両親と離れて暮らしていたことがあり、
愛情問題でトラウマレベルの淋しい想いをしたので、
多少子供が大きくなっているとはいえ、
自分が同じことをやるのかと思うと。。。ため息が出る。
主人は自分がみるよ、といとも簡単に言っているが、
わたしが離れた時、なかなか大変な資格試験勉強(受かるの必須)と家事育児で
まどうとは思う。
わたしが今感じているような苛立ちと全然勉強できんやん感を味わうだろう。
(正直、随分呑気だな、本当に受かるのか、受かっても職は難しいんでないの、
とは口に出しては言わないが感じてはいる)
。。。。なので、あくまで現時点の心境という感じだけど、
別居も視野にいれている、ということを伝えた。
「わかった。
でも、生活費は渡さないよ。響喜さんから預かった原稿料は渡すけど。」
「いらないよ。原稿料はいただくけどね。
44なら、マンガで食べてゆけない場合、バイトはいくらでもあるでしょう。」
そうだ。
わたしが本当に欲しいのは描く自由だ。。。。
自分の未來を霊視したとき、
専業主婦、または社会人として家族と共に生きてゆく未來をみたとき、
穏やかであたたかい陽が差し込んでいるが、わたしの顔はどこか暗く、目が真っ黒で哀しそうだ。
ほんのり灰色の影が差している。
一方、ド貧の中でも働きながらマンガを描いている自分。
またはマンガでギリギリやっている自分。
怒ってるのか集中しているのかはわからんけれど、真面目になっていると
思えば、ニヤニヤしていたり、結果に一喜一憂している。
目に力がみなぎっている。生きている。
夏の青空の中を走っているイメージだ。
。。。。2年間不義理をするかもしれない。
誰にも求められない絵を描き続けた、孤独なゴッホをおもった。
趣味だけでマンガを描くのはまだ違う気がする。
正直に言えば、2年後の46でもまだ燻っているだろう。
。。。。うまく言えないが、マンガは趣味だけではない。
あくまで現時点だけれど、家族の関係が変わってゆく可能性がある、
ということだけ中間報告で記述した。
限りある命。
残酷な自分が嫌だが。。。創作で生きていきたい。
貧乏はそりゃ苦しいけれど、お金があっても物語がつくれないと
死んだも同然。
「拾ってあげますよ」
27才だったか、コミティアで思うように漫画が売れなかったわたしに、
主人は励ますように言った。
「ここはもう卒業でもいいじゃないですか。
別の場所がありますよ。」
別の場所。。。。。
主人のことはとても信頼していたし、事実自分が感じていた通りの
優しい家庭人となったが、
「うん。。。。そうだね。。。。。」
彼の誘いに応じた、まだ20代であったわたしのあの時の決断は。。。
「生きる」「ライフラインを持つ」という点ではものすごく正しかった。
けれど一方で、「主婦という安堵を選び、挑戦を辞める」という意味をも孕んでいた。
主婦になることで、生活という心配がなくなることで
マンガから徐々に離脱してゆく人はとてもたくさんいる。
生活や将来への安心の方が、ずっとずっと苦しみながらマンガを描くより
本人の生きる癒しになるから。
仕事だけでマンガを描くのは、あんなに厳しい競争は苦しすぎる。。。
長くはやりたくはない。
かといって趣味だけに留まるものでもないという想いは強い。。。。
「うん。。。そうだね。。。。」
もう引き返せないYESをいった。
その時のわたしの決断を、心の奥底でひどく後悔したことをずっと尾に引き、
今を生きている。。。。