想像していなかった未来

今、中国人の部下と普通に中国語で会話している。
聞こえてくる中国語は、日本語への脳内翻訳無しで、直接理解出来る。
感覚としては、地方の方言として、脳が言語処理している感じだ。

確かに大学では、第二外国語として中国語を選び、単位を取った。
しかし、成績は『可』で、中国語を選んだ理由も不純だ。『試験は持ち込み可で、出れば必ず単位が貰える。』と先輩から聞いたからだ。

出席すら取らない講師だったので、気が向いたら出る程度の講義だった。
本当に覚えられたのは、「你好!」と「我爱你!」ぐらいだ。

そんな私がメーカーに就職し、いつの間にか、中国現地法人で働くようになった。そこから紆余曲折あって、延べ20年以上、現在も中国で働いている。
こんな未来、大学時代には、想像もしていなかった。

SARSにコロナ、夏冬の北京オリンピック観戦と、本が書けそうなレベルの量を中国で実体験した。もう、お腹一杯で、日本に一分一秒でも早く帰りたいのが本音だ。

ところが、転職活動しても、採用まで辿り着くのは、中国駐在職が圧倒的に多い。待遇だけで考えると、自分のスペックで最も稼げるのが中国駐在職だ。

更に日本は労働人口不足で、私が60歳になる頃には、定年退職の年齢が完全に65歳になると思われる。そう考えると、この先も65歳まで中国から離れる事は出来ないだろう。

一体どこで間違ったのか?
ふと、そう思う事がたまにある。

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