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ビジネス本を真に受けていたら時間がなくなった話

成功したい。成功したい。成功したい。

日の当たらない人生を歩んできた私は、アラフォーにしてスポットライトを求め始めた。
四十にして惑わず。私に迷いはなく、もはや浅薄な成功以外はアウトオブ眼中。目標に向けて一直線!である。

成功者のサラダボウル

手始めに最短ルートでの目標到達へ向け、成功者のやり方を書物から学ぶことにした。ググったら、あるわあるわ、数え切れないくらいの「成功本」がヒットした。私でも名前を知ってるような著者から、全く聞いたことがないが成功しているらしい人たちまで、成功者のサラダボウルである。

とりあえず片っ端からKindle購入。速読(読書速度ハカルくんで、総合ランキング66924位/186679人中)でひたすら読む。賢い私は読むだけで、満足せずに、行動に落とし込む。


私の読書速度はラジコンカー級

成功する暇もない

「おかしい。何かが違う」
成功本に書いてあることを実践し始めてすぐに違和感を覚えた。時間がなくなったのだ。各々の成功本にはそれぞれ異なる「実践パート」がある。例えば、朝にしなければいけないことだけでも「起きてすぐA4ノートに3ページびっしりと頭に思い浮かんだことをそのまま書いていく」、「その日にやることを全て書き出し、それをスケジュールに落とし込む」、「紙に仕事の課題を書き、それについて思いつくことを5つ、1分以内に書く。それを10枚分やる」、「30分瞑想する」、「60分散歩をして日の光を浴びる」、「ヨーグルトを食べる」、「スムージーと飲む」、「鏡の前で自分は成功すると100回唱える」等々、それぞれの本の「ちょっとしたアクションプラン」を実行するだけで軽く数時間は掛かる、これが朝だけでなく、昼、夜も続くのだ。成功する暇もないほど忙しい。

やればやるほど成功から遠ざかっていく、賢い私は、自分が誤った道に進んでいることに気づくのに時間は掛からなかった。

信じる者は救われる?

過ぎたるは及ばざるが及ばざるが如し、とはよく言ったものだ。間違いなく成功本の実践にも当てはまる。成功本は数を絞って、無理なく実践するべきなのだろう。
しかし、それぞれに書いてあることの違う成功本のどれを信じて、付いていけばいいのだろう。



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