他人が幸せそうにしている瞬間を見る時

人生で見る風景の中で、「見れてラッキーだなぁ」と思うものがいくつかあります。その中の1つが、風を感じながらドライブするワンちゃんです。

見ようと思って見られるものではないし、犬種も限られたものになるので、見られること自体が珍しいと思います。いい天気でなければダメだし、大型犬でなければ窓の外に顔を出すことはできません。

でも、運よくそんなワンちゃんを見かけると、彼らの顔は決まって嬉しそうです。舌を出して、笑ったように見える顔はハッピーフェイスそのもの。見ていて幸せな気持ちにならないわけがありません。

だから、飼い主さんを押しつぶすように助手席に座り身を乗り出すワンちゃんや、危なくないのか、後部座席の窓から顔を出して風を感じているワンちゃんを見ると、私もどうにも嬉しくなってしまうのです。

こういう「他人が幸せそうにしている瞬間」は案外、自分も笑顔にしてくれることが多い気がします。SNSの普及によって、SNS上に載る他人のキラキラした日常を見るのは疲れたという人もいるかもしれません。でも、実際に他人が幸せそうにしている姿を見るのは、案外自分をも幸せにしてくれると私は思うのです。

小さい子がねだってバルーンを買ってもらう時、
数十年ぶりに木馬に乗ったと老夫婦が話す時、
飼い主とワンちゃんが競い合って走っている時、

幼い兄弟がアイスクリームを分け合っている時、
安心しきったワンコが膝の上で眠っている時、
はしゃぐ友人たちが嬉しそうに写真を撮る時……。

これらは私が実際に幸せを感じた瞬間ですが、こういった瞬間に居合わせた時、同じように幸せな気持ちになるという人は多いのではないでしょうか。「他人の幸せな瞬間を見ると焦る」というのも、私たちの心の自然な反応かもしれません。でも、私たちには他人の幸せを自分の幸せのように感じる心もあるのです。

そのことを思い出させてくれるから、「他人が幸せそうにしている瞬間」を見るとより、幸せを感じられる気がします。

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この作品は、アドベントエッセイです。クリスマスまでの24日間をワクワク過ごしてほしい、という思いから、「24年の人生で見つけた、24の幸せ」をテーマに毎日1本ずつエッセイを書いています。

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