本当の豊かさ
「実家の玄関は日中少し空いていた」
私の実家は
春から夏にかけて
毎年ツバメが訪れて
巣を作るような
古い日本家屋でした。
母屋は昔ながらの
土間があり
その天井にツバメが巣を作っていました。
ツバメが巣を作ると
その家は繁栄するという
昔ながらの言い伝えがあり
祖父母が
それをとても大切にしていました。
ツバメが出入り出来るよう
玄関のドア(左右の引き戸)は
いつも10センチくらい空いていて
そこを何回も出入りして
巣作りをしたり
ヒナが生まれると
親がエサを与えに帰ってきました。
たまにお客様が間違って
ドアを閉めてしまうと
ツバメは家に入れないので
電線に止まって
玄関のドアが開くのをずっと待っています。
こういうとき
私は急いでドアを開け
ツバメを中へ入れてあげました。
卵を産むと
それをヘビが狙って食べてしまったり
弱い体のヒナは
わざと巣から落とされてしまったり
そういう自然の厳しさを
わたしはツバメから教わりました。
夜になると
ずっと巣の中にいるので
私はツバメに話しかけたりしていました。
自然の中で
私が私に帰れるというのは
幼少期にこういう体験を
させてもらったからです。
こういうことが本当の豊かさだと
私は思っています。
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