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まつもと城下町湧水群めぐり (1/4)

 平成の名水百選であるまつもと城下町湧水群は、「群」というだけあって、市街地各所の湧水や井戸をまとめた呼び方です。
 松本城や、蔵の街並みのある中町といった観光スポット周辺にも点在するので、観光地を周りながら湧水も巡ってみよう、という「湧水めぐり」といった、2倍美味しい楽しみ方が出来ます。

 今回は2018年に改訂された「まつもと水巡り」というパンフレットの内容に沿って、湧水巡りにご案内します。その1回目です。

改訂前の「まつもと水巡りマップ」もイラストが素敵なんですが、入手が難しい状態なので、機会があれば改めて紹介します。


 「まつもと水巡り」パンフレットは、観光情報センター等で入手できます。裏面の地図も参考になりますので、松本市へお越しの際は、ぜひお持ちください。

~ お堀の水をたどる ~

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まつもと水巡りより。お堀の水をたどる

 出発点は、松本城の北東にある、北門大井戸です。

北門大井戸

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2018年2月撮影 中央の東屋に井戸が設置されている。

 松本城の北東に位置し、水堀と馬出しがあった場所です。明治天皇の巡幸にあわせて堀が埋められた後、井戸として整備されました。
 そのため、周りの道に対して一段低く、小さな公園として整備されています。

 写真奥の方(東側)には埋められなかった堀(総堀)が残っています。堀端まで行ってみると、立っている所と水面の高さにあまり差が無いことに気づきます。お城の堀を感じられる井戸になっています。

 ここで湧いた水は、総堀に流れ込んでいます。

※この記事の見出し画像が堀端から撮った写真です。

道端からも水が湧く

 続いて、総堀に沿って南下して、東門の井戸を目指します。東門へは、なだらかな下り坂になっています。
 深志橋を横切り、片端町(かたはまち)をどんどん歩いていくにつれて、総堀水面がだんだん近づいてきます。下り坂なのに水面の高さが変わらないので当たり前ですね。

 総堀が終わるあたりで、立っている場所と水面の高さがほぼ同じになります。

 そうして、北門大井戸から総堀に沿って下って行く道すがらにも、道端に湧水が見られます。道端にも注意して歩いてくださいね。

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2021年6月撮影 道端から湧き出る水

東門の井戸

 道はやがて上土町に入ります。上土の交差点に整備されているのが東門の井戸です。

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2021年6月撮影

 この井戸は比較的最近(平成19年)に整備された井戸です。
 その名の通り、松本城の東門と馬出しがあった場所で、東門は先程の北門よりも大きかったそうです。
 周囲は看板建築などが並び、レトロな雰囲気があります。

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2019年7月撮影 ちょうど井戸の清掃をされているところでした。実は(株)サクセンさんが各所の井戸を清掃されているらしいです。おいしい水をいただける影に、こういった方々の協力があります。頭が下がります。

外堀小路

 入口が少し分かりにくいですが、ホテル花月の駐車場に勇気を持って突入すると、下へ降りる階段があります。ここからが外堀小路です。

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2021年6月撮影 外堀小路の階段

 階段を降りてすぐに気づきますが、脇に小川が流れています。この小川は先程まで歩いてきた北門大井戸~総堀の水なのです。

 先程の北門大井戸で簡単に触れましたが、湧水が総堀に集まると、いつか堀から水が溢れてしまいます。その総堀の水が抜ける水路がこの小川なんです。

 言いかえると、この川は埋め立てられた総堀の名残りなんです。堀が埋め立てられた今も、こうして水が流れているんですね。

縄手横丁

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2021年6月撮影 縄手横丁。ご飯時は美味しそうな匂いに包まれる。

 外堀小路から一旦道を挟んで、さらに向こうに続くのが縄手横丁です。飲み屋さんが軒を連ねる、ちょっと昭和雰囲気の道です。

 外堀小路からの水が脇を流れていて、水はかなりきれいです(底がやや淀んでますが...)。

なわて若返りの水

 縄手横丁を出ると、縄手通り商店街です。ここを四柱神社の方へ歩くと、神社の前にあるのが、なわて若返りの水です。

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2019年7月撮影 四柱神社の鳥居前にある、ちょっとした憩いの場。この脇から女鳥羽川へ降りられる階段もある。

 縄手通りは女鳥羽川と松本城総堀に挟まれた縄のような所だったところから名前がついています。明治に総堀は埋め立てられ、今は商店が並んでいますが、たどってきたように今でも見えないところで水が流れています。

 なわて若返りの水の先で、北門大井戸~外堀小路~縄手横丁を流れてきた水が女鳥羽川に合流します。

まとめ

 まつもと城下町湧水群のうち、「お堀の水をたどる」でした。

 お城から出発して北門大井戸~総堀~女鳥羽川まで、以前の水堀(総堀)に沿って、湧水と川をたどって歩きました。テーマのとおり、"お掘りの水"をたどるルートでした。

 前にも書きましたが、水質検査表があれば飲用可なので、検査表のない湧水は飲まないほうがいいです。
 また、水質検査表があったとしても、生水なので、大量に飲まないほうがいいかと思います。

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