まつもと城下町湧水群めぐり (4/4)
まつもと城下町湧水群をご紹介する記事の4回目です。
今回は、前回まででご紹介しきれなかった、あるいは地図には載ってるんだけどルートから外れてしまった、そんな湧水スポットをご案内しようと思います。
松本神社前井戸
松本城北側にある、松本神社の一角に湧く水です。
2019年7月撮影 つるべ井戸デザイン
松本神社は城主ゆかりの神社で、井戸のすぐ隣には、松本神社の元々の起りとなった、暘谷社(ようこくしゃ)があります。
北馬場柳の井戸
井戸は道より1段下がったところにあります。北門大井戸と同じく、総堀を埋め立てた後に自噴していた湧水を整備した井戸です。
2021年6月撮影 タチアオイとツツジが美しく咲いていた
井戸が面する道は、江戸時代には馬を走らせる馬場になっていて、今でも東西方向の直線道路になっています。
井戸の脇に大きな柳の木があり、この立地と木が井戸の名前になっています。
市役所前庭
市役所の松本城太鼓門側の前庭に整備された井戸です。ぱっと見は水の流れる小庭なんで、湧水だと言われないと気づかないかもしれません。
2019年7月撮影 平成21年(2009)に整備された
大名小路井戸
松本城正面、大名町と呼ばれる当時のメインストリートにあります。
2021年6月撮影
両脇にベンチが配された、モダンデザインな湧き水です。歴代の松本城主の家紋と案内もあります。
お城の見える小路の井戸
読売新聞松本支局ビルの一角にあり、少し分かりにくいかもしれません。
2019年7月撮影 小路から松本城天守閣が見える
手押しポンプ形式です。
まず呼び水をして、左脇えぐり込むようにして、押すべし、押すべしっ!
使用後は、次の方が汲めるように、呼び水用のジョウロに水を補充しておいてくださいね。
西堀公園井戸
江戸時代に総堀のあった場所に湧いています。
平成20年(2008)に公園として整備されました。夏場など暑い時期は、涼をとれる場として重宝されます。
2019年7月撮影
近くには、西総堀土塁公園もあり、総堀を作った際に盛られた土塁が残っています。
亀の泉
中町から少し入ったところ、藤森病院の敷地に整備された湧水です。
2019年7月撮影
病院だけあって、水質検査も万全です。安心して飲んでください(笑)。でも生水なので、飲み過ぎには注意。
辰巳の庭
ここは松本城から巽(辰巳 たつみ、南東)の方向にあたり、松本城主だった、戸田光則(みつひさ)の父、光庸(みつつね)が隠居した際の住居として造られた辰巳御殿に因んでいます。
2021年6月撮影
賑やかな縄手通り商店街から入ったところにあり、落ち着いた雰囲気で一息つくことができます。
深志の湧水
松本駅お城口広場に平成24年(2012)に整備された湧水です。
2019年7月撮影
枡形の御影石が組合されたモダンなデザインになっています。ベンチもあるので、水音を聞きながら涼をとることができます。
タクシー乗り場とは反対方向にあるので、知らないと気づかないかも(笑)
番外編
令和5年(2023)まで休館中の松本市立博物館(本館)内には、ててまがりの井戸が残されていました。
2019年7月撮影 「ててまがり」とはカタツムリのこと
松本市立博物館本館があるところは、古山地御殿(こさんじごてん)という建物があった場所で、城主がくつろぐための離れ的な使われ方がされたようです。
その御殿にあった井戸が残されたものでした。
まとめ
駆け足でしたが、いかがでしたか。
なにせ、湧水群として登録されたものだけで20ヶ所以上あって、上記以外にも風情のある湧水がまだまだたくさんありますので、道端や店先など、観光や散歩がてらキョロキョロ探してみてください。