「私の作品紹介」~あとがきのような~
長い年数書き綴ってきた「きみがくれた」という作品について書こうと思います。
この作品をお読みいただいた皆様、ありがとうございました。
この作品は私にとってとても思い入れの深い作品です。
物語が生まれるきっかけは、私の好きなアーティストでした。
彼らの友情に憧れて、男の子の友達っていいな、というところからこの物語が生まれました。
それとは別に、大切な人を失ったとき、人はどうなってしまうのだろうという不安を想像したこともまた、この物語が生まれるきっかけのひとつでした。
この物語には、私がこれまで好きになったことや経験したこと、あるいはそれらがオマージュのように巡っています。(分かる方には分かるものもあるかと思います)
構成も一工夫しました。最初とは少し違った同じことが繰り返される音楽の楽譜のような作りをしているところがあります。
物語の中で、音楽のこと、食べ物のこと、香りのこと、空や花の色、気温や気候などを、詳しく表現しています。読者の皆様が五感で想像を巡らせながら楽しんでいただけたらうれしく思います。そして「深森」に行った気持ちになってそこに住んでいる仲間たちの傍らで彼らの日常を眺めているような感覚になっていただけたら幸いです。
この作品は登場人物一人一人が主人公です。
読者の皆様が時にその内の誰かに寄り添い、時に誰かに癒やされ、ご自身の心と会話をするきっかけになれたら、この物語を生んだ私にとってこれほどうれしいことはありません。
この作品を執筆しながら、私は様々な気持ちを経験し、その間現実においてもたくさんの思い出深い出来事がありました。書き終えて改めて私ひとりでは感じ得なかった感情をくれた人たちに感謝します。
そしてこれからこの作品を読んでいただく方お一人、お一人に感謝の気持ちを送ります。