【Myノマド#3 @ニューカレドニア】なんで欧米系の人って、ビーチで読書をするのだろう?
ニューカレドニアの代名詞といえば、「天国に1番近い」と言われるほど美しい海。もちろんヌメアには「シトロンビーチ」「アンスバタビーチ」と呼ばれるきれいな海はあるのだが、せっかくならより透明度が高い(と思われる)離島に行きたくなった。
大本命は「イルデパン島」なのだが、現地の観光案内所で聞くと飛行機はすでに予約がいっぱい。現地で1泊するしか行く方法はなかったため、仕方なく諦めることにした。
さて、「イルデパン島」に行けないとなると、どうするか。地図を見ていると、ニューカレドニア本島の近くにある小さな島が目に入った。「カナール島」という離島で、どうやら本島からタクシーボートですぐとのこと。これなら日帰りにぴったりだと思い、ここへ行くことにした。
ニューカレドニア到着時の「SIMカード事件」があったため、ネットの情報は鵜呑みにせず、念のため本当に事前予約なしで「カナール島」に行けるかどうかを観光案内所で確認。「タクシーボートは頻繁に出ているので、予約なしで行けます」と返信があったため、安心した。
いざ船乗り場へ行ってみると、ビーチ沿いに受付が。その場でチケットを買い、帰りの希望時間を伝えてからボートに乗り込んだ。
おそらく離島にあるレストランで使うのであろう大量のバゲットとともに、タクシーボートは出発する。フランスパンの香ばしい匂いに船のガス臭が混じり、なんとも言えない香りを放ちながら海上を走った。
「カナール島」は船乗り場から目視できるほどの距離なので、ものの5分ほどで到着。観光客の数はまばらで、波音がよく聞こえた。
「カナール島」に着いたのは、午前11時頃。帰りの船の時間を14時に指定したため、1周徒歩10分ほどの小さなこの島に3時間も滞在することになった。
「滞在時間が長すぎて暇そう」と思われるかもしれないが、時間に余裕を持たせたのにはある理由が。じつは、欧米人がよくやっている「ビーチで読書」をやりたかったのだ。
改めて考えると謎なのだが、なぜ欧米系の人たち(もちろん全員がそうではないが)はみんなビーチで本を読むのだろう。YouTubeでもVODでもゲームでもなく、読書。デジタルデトックス的な面もあるのだろうか。
そんな疑問はとりあえず置いておき、ビーチパラソルとチェアをレンタルする。ついに、念願のビーチ読書の準備が整った。この日のために選んだ本は、カズオ・イシグロの『日の名残り』。本当は紙の本にしたかったが、ノマドという生活スタイルのため「Kindle」で妥協した。
10分、20分、30分……と本を読んでいると、普段の読書とは違ったリラックス感が得られた。波音と鳥の鳴き声の生演奏をBGMに読書をすると、とても心地がよい。これが答えではないかもしれないが、欧米系の人がビーチで読書をする理由が、少し分かった気がした。
本に集中して徐々に波音が意識から遠ざかっていくなか、突如人の声がして現実に戻る。どうやら、隣のベンチに来た人に話しかけられたらしい。話し相手ができるのはうれしいので、ここで本を閉じることにした。
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