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【酒呑みエッセイ】出張後にサウナに飛び込んだ30代独身男性の末路
とある平日の15:00。
見知らぬ土地を走るバスの中、私は高揚感に包まれている。
今日は一人出張だった。
出張中の用事を済ませ、新幹線が走る駅へと戻る。
明日は休みだ。
会社の人は誰もいない。
気を使った食事会もない。
せっかくなら、この町を満喫してから帰るとしよう。
いや、出張が決まった時からそれを楽しみにしていた。
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バスを降り、朝来た駅前を見渡す。
決して大きな町ではないことがわかる。
しかし、立ち並ぶビジネスホテル、デパート、そして居酒屋。
町を満喫するには十分だ。
時間はまだ15:00過ぎ。
居酒屋が開くにはまだ早い。
しかし私は、朝、新幹線を降りた時に、とある看板を見つけていた。
サウナ
ビルのエレベーターを上がり、受付に向かう。
受付でマッサージもあることを知る。
しっかりと出張の疲れを癒すとしよう。
サウナフリータイム+マッサージ40分
値段は5000円程度だっただろうか。
ロッカーの鍵を受け取り、ロッカールームへ向かう。
マッサージ付きのお客さんは、少し良いロッカーになるのだ。
服を脱ぎ、ロッカーに入っていたサウナパンツを履く。
さっそく2階のサウナへと向かう。
目の前に広がる浴場を見渡す。
複数のジャグジーが付いたかなり大きめの浴槽が一つ
水風呂と思われる小さめの浴槽が一つ
壁際には十分な数のシャワー
そして、ドライサウナとミストサウナ。
サウナを出た窓の前には、整いイスが3つ
窓を開けて外気浴するスタイルだ。
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まずは、シャワーで身体を洗う。
シャンプーやボディソープ、髭剃りも付いている。
しっかりと身体拭いて、いざサウナ室へ。
サウナ室の前には、サウナパンツとタオルが置いてある。
このサウナはサウナパンツの着用が絶対のようだ。
何かと気になる人には嬉しい配慮だ。
サウナパンツを身にまとい、タオルを手に取り、サウナに入る。
サウナ室内は91℃と表示されている。
階段状になった席の角に、サウナストーンが置かれている。
時間帯によってはロウリュサービスがあるようだ。
そして、町を見渡せる窓がサウナ室内にあるのは魅力的だ。
窓から外を眺めながらいると、
気付くと大量の発汗とともに10分経っていた。
時間を忘れ、自分の世界に入り込めるサウナ
それが良いサウナであると私は思う。
だから、私は、サウナ室内にテレビは無い方が嬉しい。
地元のおじさん達がテレビを見ながら集う光景も嫌いではないが。
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火照った身体でサウナ室を飛び出し、水風呂へと向かう。
置いてある洗面器で水をすくい、頭から被る。
そして、水風呂へと飛び込む。
身体は少しビックリしているが、火照った身体が冷めていくのがわかる。
茹でられた後に氷水で締められる素麺になった気持ちだ。
しっかりと身体の水気を拭き取り、整いイスへと向かう。
窓を開け、外気を受けながら目を閉じる。
最高だ。
最高という言葉では片付けられないのだが、
最高という言葉以外出てこない。
これは、長州力も飛ぶぞ。
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ふと一枚の張り紙が目に入った。
屋上で外気浴ができるという。
ここはビルの5階。屋上で町を見渡しながらの外気浴。
それは、さぞかし気持ちいいだろう。
少し階段を上っていかないといけないようだ。
最後の外気浴で行くとしよう。
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そして、私は2セット目、3セット目も同様の流れでサウナを満喫した。
仕事終わりのサラリーマン、学校終わりの学生が増え、
サウナ室内も賑わってきた。
サウナ室内から見える外は、もうすっかり暗くなっていた。
このセットが終わったら、予約しているマッサージに行こう。
そして、ビールを飲んで帰ろう。
癒しの時間は、まだまだ続く。
その前に、屋上の外気浴で夜空を眺めながら整うとしよう。
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しっかり水風呂に浸かった私は、その足で屋上へと向かった。
本来、お客さんを入れるための屋上ではなかったのだろう。
張り紙に沿って、細い階段を上っていく。
そして、ようやく辿り着いた屋上。
浴場よりも良さそうな整いイスが複数設置してある。
最高の外気浴が待っている。
私は、整いイスをフラットにし、寝そべり、夜空を見上げる。
そして、私は感じるのだ。
小雨。