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【W.D.H】 トミー・ナマケンボとSuno AIの話

「ものぐさトミー」という大好きな絵本があるのですけれども。
主人公はトミー・ナマケンボ。電気仕掛けの家に住んでおり、身の回りのことは全て機械によって自動化されています。
ところがある日、嵐で停電しまい、トミーの全自動ハウスは機能停止。
しかしトミーは慌てません。
なんてったってナマケンボだから。
復旧するまで7日7晩眠り続けるのです。
「自分でする」なんていう発想はありません。
さすがトミー。そこにしびれる、あこがれるゥ!

さて、7日後にようやく電気が復旧します。
止まっていた7日分を取り戻すべくめちゃくちゃに動き出す全自動ハウス。
トミーの運命やいかに!?というお話です。
低学年に読み聞かせをすると大喜びしてくれます。

このお話ほどではないですが、今は面倒なことは大抵機械がやってくれます。
生成AIの発展も目覚ましく、クリエイティブなこともAIが担ってくれる時代になりました。
文章を、イラスト、動画。どれもAIで作れます。

ところで最近YouTubeさんが「こういうの好きなんだろ?」と、おすすめしてくれた音楽があるんですけれども。
結論から言うと、AIが作った曲だったんですね。
「めぐる」という曲です。

これの1曲目。

めっちゃ80年代シティポップ。
AメロからBメロへの展開の仕方とか、王道的なサビの盛り上がりとか、間奏のサックスソロとか「これこれ!」というところをドンピシャで突いてきます。AIのくせに。
あと、これ親の車の中でカセットテープだかラジオだかで流れてたよな、と錯覚してしまうような謎の懐かしさを感じさせてきます。AIのくせに!
AIにAIが作った曲をおすすめされて、まんまと「好き…(//∀//)」となってしまった上に記憶まで改竄されてしまった、AIに踊らされている愚かな人間がここにいます。

この「めぐる」はSuno AIというAI作曲ツールを使って生成されたものです。
使い方はとても簡単で、作りたい楽曲のイメージを、具体的な言葉で入力するだけです。
イラストや画像がこの要領で生成されるのはまだわかるのですが、音楽までできてしまうなんて…。
挙句に歌入れまでしてくれるなんて…。

キーボード弾いてギター弾いてドラム打ち込んでピッチ修正しながら上手くもない歌を録音して、せっせと自宅録音していたのが馬鹿馬鹿しくなります。
何より、AIによりこのクオリティのものが量産される時代になってしまったことに、軽い恐怖を覚えます。
AIこわい。

「ものぐさトミー」のトミー・ナマケンボは、全てを機械に頼る生活をしていたばっかりに停電復旧後大変なことになるのですが、それはあくまでも寓話的なものです。
ナマケンボではない賢いクリエイターなら、AIが生成した音楽を下敷きに新たな楽曲を生み出すなど、今後AIを新しい楽器として使いこなしていくでしょう。

大事なのは「AIをどう使いこなすか」です。

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