見出し画像

おとなになるっていうことは

note初投稿に、中川ひろたかさんの絵本タイトルを一部拝借しました(「おおきくなるっていうことは」童心社/村上康成さん絵)。

人それぞれ、おとなになったなぁ、大きくなったんだなぁ感じるとコトをお持ちかと思います。

わたしの場合、ギンナンについて、それを思います。

数日前、日本公益財団法人日本中毒情報センターさんやYahooニュースのweb記事で、ギンナンの食べ過ぎに注意という記事を目にしました。記事によれば、嘔吐やけいれんなどの中毒症状が出ることがあるので、食べ過ぎは良くないということです。本当の理由はソレだったのか!と半世紀を生きて、初めて知りました。

我が家では、中学生くらいまでギンナンは2つまでしか食べさせてもらえませんでした。「はなじが出るから」というのがその理由でした。

わたしは、小さい頃よく「はなじ」を出していました。小学一年の頃、母がお隣の方と飲んでいたアイスコーヒーをほんの少し味見したことがあったのですが、朝起きると「はなじ」が出ていて、それが数日続いたことから病院に行ったところ、コーヒーの味見禁止令が出ました。

母が作る茶碗蒸しは秋になるとギンナンが入っていて、初めて食べた時からギンナンが大好きになりました。しかし、1つの茶碗蒸しにはギンナンは1粒しか入っておらず、私があまりに残念がるので、大抵、父が自分のギンナンを分けてくれました。すると好き嫌いの激しい弟が、私にギンナンを取ってほしいと言うのですが、「2個まで」という母の厳命により、父が弟のギンナンを食べていました。

平和で懐かしい思い出です。

「はなじ」は出したくなかったので、“コーヒーは飲まない、ギンナンは2個まで”は自分に身についたルールでしたが、高校生になって祖母からもう一つギンナンをもらえるようになったとき、また「はなじ」が出るのではないかというドキドキがありましたが、その頃はもう問題ありませんでした。

それが、社会人になって、ギンナンの串焼きというメニューを見た時、1本に幾つ刺してあるのか、テーブルに運ばれてくるまでとても気になりました。最初に頼んだお店ではひと串に3個だったので、これは安全ラインと安心して食しました。しかし、5個刺してあるお店では、コワゴワ食べたことを覚えています。

そしてある日、職場で殻付きのギンナンを20個ほど分けてもらいました。封筒に入れて軽く口を絞り、電子レンジに30秒ずつくらいかけると殻が弾けると聞いて、ギンナンの新たな楽しみ方を知りました。

7、8個のギンナンをレンジにかけて、パンパンッと音がすると殻が弾けており、熱々のギンナンが食べられます。時には、かけすぎて実が粉々になってしまうこともありますが、小さくなった粒も食します。誰にはばかることなく、ついに8個ものギンナンを食べられるようになり、嬉しさと同時におとなになったなぁとつくづく思いました。

今回、このギンナン中毒のニュースを読んで、再びギンナンを食べる時の緊張が走りそうです。そしてこれまで中毒にならなかったことにホッとしました。そしてこれからは、1度に食すのは5個くらいにしたいと思います。

これから、わたしの“おとなになる”っていうことは、ギンナンをたくさん食べられるけど、我慢も出来ること、になりそうです。










この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?