ブラックなベンチャー企業での実体験を告白【転職を考えている方必見】
どうも。ユウです。
今回の記事ではメンタルやマインドの文脈ではなく、私が経験した苛烈なベンチャー企業の実態についてお伝えしていきたいと思います。
個人的な経験に基づくものではありますが、ベンチャー複数社での勤務経験がある上司や同僚も、同じような印象を持っているためそこまでバイアスはかかっていないはずです。
ここまで苛烈な環境はなかなかないかもしれませんが、エンタメ&転職の検討としてご覧いただけると幸いでございます。
初めに、結論から申し上げると、
覚悟を持たずしてベンチャー企業には転職すべきではない
となります。
1.ブラック具合を示すエピソードをご紹介
退職代行の利用が流行り1ヵ月で3人が利用し部署が崩壊
年収が1千万円超の部長クラスが2週間で飛ぶ(退職連絡はメール)
管理監督者の残業時間は100時間越えがデフォルト
経営会議は代表による恫喝の場所。「数字いかなかったら窓から飛び降りろよ」という令和とは思えぬ状況
親族の葬式に参加していた社員が深夜に呼び出され激詰めされる(当然ながら事前に連絡をして不在時の引継ぎも対応済み)
飲み会ではセクハラ発言が当たり前に繰り広げられる
職場の床で寝たことを嬉々として語る人がチラホラ現れる
週刊○○に掲載される
社員数は100人以上、売上高は数十億円でもこんな感じでした
「マジかよ」って感じです。
もっともっと事例はあるし、より生々しい話も語りたいのですがこの辺にしておきます。お会いした際にいつでも直接お伝えいたします 苦笑
2.なぜこうもブラックな会社に入社することになったのか?
こんな恐ろしい会社ですから、転職エージェントからは警戒されています。
「あの会社はやばい」ということが常識になっています。
自分一人ではとても恐ろしくてこのような会社にに勤めようとは思いませんでしたが、知人によるリファラルで入社しました。
彼が役員をやっておりすでに半年ほど働いていたので「まぁ大丈夫だろう」という軽い気持ちでした。
「ストックオプションを出すよ」という口約束もきっかけになりました。
2年間死ぬほど働けば数千万円のキャッシュが手に入るという事実は非常に魅力的でした。
まぁ、実際に働いてみたらブラック労働だし、ストックオプションは発行すらされずに幻となって終わりましたが 笑
2.サバイブするために必要なマインドセット
死ぬほど脳筋の体育会系の内容になります。自己嫌悪になりますが、これくらいでなければ務まりません 泣
(1)深夜残業や徹夜を覚悟する
総じてハードワークです。
理不尽な指示がいつどこから飛んでくるかわかりませんし、常に見切り発車なので仕事は炎上しっぱなしです。数字が足りてなければ説明資料を作成することになります。
経営会議の前日は24時前に帰れた試しがありません。
酷いときは急遽取締役会の開催が決まり、そこに合わせて無理くり中期計画を作るために徹夜したこともりあります。
「まぁ死ぬほど忙しいけど2-3年ならいけるでしょ」
「まだ30代だし家庭もないから働くなら今でしょ」
「年収換算したら余裕で数千万円になるから耐えれるでしょ!」
くらいのストロングマインドでした 笑
(2)過去の仕事のやり方を全て捨てる
今までに学んできた、実践してきた仕事のやり方が残念ながら全く通用しませんでした。
論点を整理して、仮説を立てて検証して、タスクに分解して、関係者が集まって議論して、などという一般的なプロセスが通じません。
大企業とは仕事の進め方が全く異なります。
経営層は自ら起業した人やベンチャー経験しかない人達なので「一般的な常識」が正直言って通用しません。
それに、経営層は抜群に頭が切れて事業のセンスがあるので、すでに答えを持っていることが多かったです。ただ、それを丁寧に人に説明して、期待しているアウトプットを用意させるのは決して得意な方たちではありませんでした。
そのため、「この人は一体全体なにを考えているんだ?何を求めているんだ?」と常に考えながら仕事をすることになります。
深夜まで飲みに行ったり、朝まで麻雀をしたりと、彼らの思考や性格を理解しようと心がけはしましたが、ハッキり言って私にはムリでした 泣
とはいえ、「しゃーねー。やったるか」の精神でなんとかこなしていました。お作法通りに作ったら「全く意味のない」アウトプットになってしまったことは何遍もあります。
腹は立ちましたが、良くも悪くも諦めていたので何とか続けることは出来ました。
(3)詰められても一ミリも凹まない
詰められるのが好きな人はいません。誰でも評価されたいし、認められたいし、感謝されたいはずです。(ドMのマシーンみたいな社員の人もいましたが)
ただ、厳しい環境下では基本的に詰められます。
数字が達成していたらOK、未達ならNG
仕事が計画通りならOK、仕事に遅延があればNG
簡単なルールです。数字が人格である営業会社みたいなものです。
「お前はコミュ障だな。なんでこんなことも出来ないんだ。お前に任せた俺が悪かったよ」と教科書のようなパワハラを受けたことは数えきれません 笑
その場では神妙な面持ちで凹んで素振りは見せていましたが、心の中では「知らねーよ」と笑っていました。
ムリなもんはムリなんです。昨年対比で200%成長するような事業計画になっていたり、人も時間もない中で仕事を振られたり、というのが日常茶飯事でした。
事前にすり合わせをして、人もお金も時間も品質も合意した上で、出来なければそれは詰められてしかるべきです。反省して改善することはマストです。
ただ、そんな正論は一ミリも通じません。「オレの決めた通りにやれ。以上」の世界です。まるでジャイアンです 笑
詰められたらそりゃしんどいですが、ある意味割り切っていたので潰れずには済みました。
(4)与えられた仕事はとりあえず受ける
どんな仕事が振ってくるのかはっきりいって予想がつきません。
気づいたら異動になって畑違いの仕事をさせられている「被害者」を何人も見てきました。
営業なのに人事、人事なのに生産、マーケティングなのに物流、もうなんでもアリです。
私はいわゆる管理部に所属していたのですが、それでも結構いろんなことをやりました。
・マーケティングのKPI設計
・欠員が出た際の現場応援
・派遣社員の手配
・現場社員の出勤状況確認
・設備投資の稟議作成
・人事システムの要件定義
・受発注システムのエラー解消
もうね。めちゃくちゃです。振ってくる玉を捌く必要がありますし、地面にむき出しになった地雷も処理しなくてはいけません。
当初は面食らいました。「これはオレの仕事じゃーねだろ」と思ったこともあります。でも、やらないことには前に進まんのです。
気合いさえ入れたら、一般常識で意外とどんな仕事でもこなせます。
3.サバイブしたことで得られた貴重な経験
改めて振り返ると、本当にきつかったです。
体力も精神も削られました。ストックオプションは夢で終わりました。
絵にかいた餅、馬の前にぶら下げられた人参でした。
発行すらされなかったので紙切れにすらなりませんでした。
もう一生あの働き方はしたくないですし、多分しないでしょう。
とはいえ、経験したからこそ得られたものは大きかったです。1年半という短い期間ではありましたが、倍の3年以上の体感でした。
(1)ハードワーク耐性と自分の体力の限界
ここまで働いたことはなかったので、自分がどの程度の激務なら耐えられるかわかっていませんでしたが、意外といけることがわかりました。
最悪徹夜、5時間睡眠で5日間、とかであれば耐えきれます。
通勤が片道15分くらいだったのでサバイブ出来たと言えます。片道1時間でこのハードワークなら間違いなく即死です。
短期的な体力の限界、長期的な体力の限界がわかったのは本当に良かったです。今後、激務がデフォルトの仕事は出来ないと自信を持って言えます。
以前の私は「なぜ自分はロングスリーパーなんだ。高収入の人はもれなく忙しく働いてる。自分もなんとかしてそうはなれないだろうか」
なんて叶わぬ夢を描いてましたが、もうキレイさっぱり諦めました。
いや、出来ません。半年1年なら身体は持ちますが、数年は絶対に無理です。精神か身体のどちらかを壊します。
(2)メンタルコントロールの技術
理不尽に詰められるし、どうにもならない仕事は振ってくるし、初めての仕事もやらされるし、で散々な経験をしました。
いちいちストレスを感じていたら身が持ちませんので、「まぁなんとかなるでしょ」、「仮にダメでも詰められるだけじゃん」と割り切ることがかなり出来るようになりました。
もちろん、悔しいし、腹は立つし、自分が無能に思える場面もありますが、そんなことをイチイチ気にしていたらメンタルが崩壊してしまいます 笑
(3)ステークホルダー間の調整力の限界
これは経験して得られたというより、体力の限界と同じように諦めがついた形です。
「関係者の期待を想像し、会話して探り、調整し、上手い形で落としどころを見つける、仕事を円滑に進める」
こんな能力は仕事ではマストです。
ただ、私も常に心がけて取り組んではいたものの、圧倒的なコミュ力を持つ人と比べると「オレはここで頑張らなくていいな。伸びしろないな」と気づくことが出来ました。
才能がないジャンルを伸ばそうと思うとエライしんどいです。努力のわりに報われません。自己嫌悪ばかりしてしまうことになります。
私はこの分野はキレイさっぱり諦めました。得意な人に動いてもらうようにします。
4.転職を考えている人に向けたメッセージ。「基本は行くな」笑
今更、改めてお伝えする必要はありませんが、ベンチャーはオススメいたしません 笑
仕組みが整ってない、大企業の働き方が一ミリも通用しない、経営陣にはクセがある、数字のプレッシャーが強い、ストックオプションは紙切れか絵に描いた餅になる確率が高すぎる(生株とて。。。)
という感じでございます。
日々ピンチの中、必死になってもがき苦しみ「生きている」という感覚は得られます。
あえてベンチャーをオススメするとしたら、以下のような人・条件になるかと思います。
・役員待遇でストックオプションが得られる、かつ上場の確度が高い
・役員とすでに関係性があるリファラル採用
・経営陣と共通のバックグラウンドを持っておりカルチャーに違和感なく溶け込める(金融、コンサル、エンジニア。なんでも)
・同業他社での経験が間違いなく活用できる人
・経営者に心酔して馬車馬となって24時間365日働ける人
逆に圧倒的にオススメ出来ないのは、以下のような方々となります。
・新卒、第二新卒
・「急成長」、「裁量が大きい」、「幅広い業務」、「マネージャー候補」のようなフレーズに魅力を覚えてしまう20代後半から30代前半の人
・「体力がない人」、「家庭がある人」、「仕事のやり方が固まっている人」、「メンタルが弱い人」、「仕事を選びたい人」
5.とはいえ、ベンチャーは楽しいしいい会社もある!(はず)
ネガティブで現実的なことばかり語ってきました。夢がないですね 苦笑
まぁ、あくまでN1の個人的な経験なのでお許しくださいませ。
とはいえ、ベンチャー自体は良い物だし必死になって働くことは楽しいですよ。
大企業がまだ手掛けていないような新しい事業に取り組んでいる、社会が抱えている課題を解決することでお金をいただいている
そう考えると最高ですよね。
今の世の中では、誰もやっていないけれど、困っている人がいて、その役に立つために事業をしているなんて最高じゃないですか(キレイごととしては)
また、働き方としても面白いです。仕組みを整えて、より大きな目標に向かってチーム一丸となって取り組んでいくのは最高に刺激的です。
夜中まで働いても、週末に出社しても、メンバーに恵まれていさえすれば、充実感は得られます。ワクワクしながら働くことが出来ます。
「大人の青春」みたいなものです。
あの刺激はベンチャーでしか味わうことが出来ないはず。必死になって朝まで仕事をするのは楽しかったです。体力はしんどいし、プレッシャーしかないのに、なぜか幸せなんですよ。フルコミットすることによる楽しさは間違いなくあります。
ブラックだし、ハードワークだし、給料安いし、寿命削ってるから、アホの極みです。でも、それを楽しめてしまった自分は、アタマ悪いなって素直に思います 笑
6.公式LINEのご案内
ここまで読んでくださりありがとうございました。
ベンチャーへの転職を考えている方にとっては「なるほど」、働いてる人にとっては「やっぱそーだよねwww」と思っていただけたら幸いでございます。
もし、「私が勤めていたベンチャー企業の実態について知りたい」、「転職を考えているけど相談したい」というご要望がございましたらLINEからお気軽にご連絡くださいませ。
毎月、人数を限定せざるを得ませんが、60分から90分でzoomにてお話させていただければと思います。
最後になりますが、安易な気持ちでは転職しないでください。覚悟と気合を持って転職してください。そうすれば、例えいくらブラックであったとしても、それがあなたの血肉となります。かけがえのない財産になります。
では、今回の記事はこの辺で失礼させていただきます!