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【好き曲】amazarashi『カシオピア係留所』【チ。】

いよいよ今夜、『チ。』のアニメが始まる。

視聴後の余韻を抱いたまま空を見上げ、そこに満天の星があれば最高だろうと思ったけど、あいにく今夜は雨模様だし、東京はいつも空が明るい。
最終回に合わせて星のきれいな場所に泊まるのもアリかもしれないな。

――と、すでに最終回をどう観るかまで考えてしまうぐらい期待が大きい。それ程はやる気持ちに寄り添うなら、この曲を聞いて過ごすしかない。

原作読破した人なら涙なしでは見られない、登場人物たちの生き様の重みと言葉の堆積。その歴史に寄り添う秋田ひろむさんの声と歌詞がエモい。とてもエモい。エモい以外の言葉が見つからない。

『チ。』とリンクする言葉が出てくるたびに喉の奥から記憶と感動がせり上がって鼻がツーンとしてしまう。そうやって熱くなった目頭にサビの「どうせ灰になるなら」という歌詞やメロディラインがクリーンヒットして涙をぼろぼろこぼすことになる。エモい。

amazarashiは純粋で真っ直ぐで、ひたすらに考えて泥臭く足掻くかっこよさを持っていて、そういう世界観が『チ。』にとてもマッチしていると思う。個人的な好みとしても、誰もいない屋外で一人ぼそぼそと口ずさめる歌が好きなので、そういう意味でも気に入ってる。

タイトルも、カシオ"ピア"という言葉にはユートピア(どこにもない理想郷)の響きがあって好きだな。カシオペヤ座は錨星という和名もあるし、見つけやすく北極星を探す指標にもなる。登場人物もみんなカシオペヤ座から世界が始まったのかもしれないし、錨に船が流されないよう係留する役目があるように、理想を胸に見上げた空に浮かぶあの星座には、意思を繋ぎ止める役割があるのだろうなと、そんなことも感じる。ああエモい。

歌詞に「共通言語」というプロジェクト名が盛り込まれているのもエモければ、それが「痛み」だというのもエモい。確かに、どんなものにでも成長の痛みはあるのだろうなあ。

さらにこの曲をエモく感じる理由が、私にはもうひとつあって。

このMVが撮影された板橋区教育科学館は、私が子供の頃の遊び場だった。
よく自転車を漕いできては真っすぐ歩けない部屋とかジャイロ装置とか、そんなんでしょっちゅう遊んでいたのをおぼろげに覚えているし、プラネタリウムだって見ていた。

初めてMVを見たときは感動の追い打ちにやられて、また泣いた。
「うわっ、教育科学館だ!懐かしい!まだあるのか!現役なのか!」という驚きと共に、自分のルーツとの再会、かつて自分が見上げたあの天井に映されている映像。言ってしまえば自分も『チ。』の延長線に立っている実感。それらがビリビリした感覚を伴って一気に全身を駆け抜けた。

本当に有り難い体験をしたなと思うし、教育科学館と再会させてくれた『チ。』にもamazarashiにも思い入れが強くなってしまった。

てなわけで教育科学館。入館無料だし、プラネタリウムも大人350円と激安なのでぜひ足を伸ばして欲しいな。私も行ってみたいと思う。

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