アーユルヴェーダ旅inスリランカを経て再認識した本当の豊かさ
10/12-20までスリランカで8泊9日のアーユルヴェーダ旅に出かけた。
なぜ今、なぜスリランカに行き、どう感じたのか綴っておこうと思う。
1. なぜ今、旅に行こうと思ったのか
大学時代はバックパッカーで20カ国ほど旅していた
幼少期は習い事が忙しく、中高になると部活と勉強が始まり、家族で旅行する機会は国内を年に1回ほどだった。
中学生の頃、たまたまどこかで見つけたホームステイ募集のチラシ。
よく覚えていないが、パッとみた瞬間、猛烈に行きたいと思い、父と母に懇願して1週間シアトルにホームステイにいった。
これが人生初の海外だった。
当時の記憶は「楽しい!!」しかなく、普段の生活と全く違う環境全てが新鮮だった。
(今思うと、人生初めての海外に一人で行くことに何の抵抗もなかった)
大学生になったら、バイトをして初めて自分で稼いだお金で一番やりたかったことは海外に行くことだった。
バイトを頑張って、夏と春の長期休暇が来れば、海外に行く。4年間で20カ国ほど回った。
社会人になってプライベートで行った海外は韓国1回のみ
ところが、社会人になって海外に行くことはピタッと無くなった。
社会人2年目になる春にコロナの流行が始まったことももちろんあるが、社会人生活5年半の中で、海外に行ったのは出張を除いて釜山1回のみだった。
不在の間、仕事ができない。何かトラブルがあった時にすぐに対応ができない。仕事はもちろん大切だが、自分の人生の中で「仕事」の優先順位があまりにも高くなっており、PCを使えない環境に行くことが億劫だった。
上司から言われた「自分の人生に責任をとっていないね」の一言
2024年1月に転職をし、現職に入社した。今の会社は旅をすることは人間成長において非常に大切だとみんなが理解していて、海外に一人旅に行くことを支援する制度もある。
実際に、いろいろなメンバーが頻繁に旅に出ている。
その姿を見ているうちに、「両立できないと思い込んでいたんだ…。」
「行けなかった」と思っていたが、「行かないことを選択していた」ということに最近気づいた。
帰国後、キラキラの笑顔で旅の話をしてくれるメンバーを見て、「私も行きたい…」と思うようになった。
ある日のチームリーダーとの1on1で80%をほど意思決定をした状態でスリランカに行きたいことと、これまでの社会人生活で旅に行かなかった理由について話した。
全力で背中を押してくれることは相談前からわかっていたが、予想外だった一言は、私のこれまでの生き方に対して「それは自分の人生に責任をとっていないね」という言葉だった。
最初は意味があまり理解できなかったが、自分なりの解釈としては「何かを言い訳にして、自分の理想を手放す生き方をすること」なのだと思う。
この言葉をもらって、行く覚悟が100%に固まり、その日中に航空券を予約した。
2. スリランカとアーユルヴェーダ
なぜ、スリランカへ
旅に行くことを決める前から目的地は決まっていた。
アーユルヴェーダの聖地スリランカ。
趣味が料理で、家の調味料は麹で作り、なるべく添加物を使わないように生活している。(外食は思いっきり楽しむ)
その延長で栄養学や薬膳のオンライン講座を受ける中で、アーユルヴェーダと出会った。
アーユルヴェーダとは、 Ayu(生命・生きる)+Veda(科学)と2つのサンスクリット語が合わさってできた言葉であり、=Ayurveda(生命の科学)という意味を持つ。
人間には、3つの生物学的機能(トリドーシャ)が存在し、人によって3つのドーシャバランスが異なる。
自分の優位なドーシャにあわせて、積極的にとった方が良い食べ物、控えた方が良いものなどがわかる。
本当の意味で豊かに生きること。ありがたいことに飽食の環境で、なんでも手に入るからこそ、ちゃんと体に巡り、イキイキするもので満たしたい。
自然と調和し、自然由来のもので生活をする経験をしてみたいと思い、スリランカでアーユルヴェーダ体験をすることに決めた。
3. 現地での生活
1日の流れ
観光はまた次回のお楽しみにして、アーユルヴェーダの施設に8泊した。
現地での生活は基本このリズムだった。
・5:30 起床
・6:00 ヨガ
・7:00 朝ごはん
・8:50 ドクターコンサルテーション
・9:00 午前のトリートメント
・12:00 お昼ごはん
・13:00 午後のトリートメント
・17:00 瞑想
・18:00 夜ご飯
・21:30 就寝
人生でここまで規則正しい生活を1週間続けたことはこれまでないと思う。
普段1日思いっきり働いていているので、エネルギーが有り余って、夜はなかなか寝られないことに苦しんだ。笑
毎朝、ドクターとの面会があり、今日の体調について報告、その症状に合わせて1日2回のトリートメントの内容に反映をしてくれたり、必要に応じて、薬を処方してくれる。
トリートメントは種類が複数あり、オイルマッサージ、シロダーラ、スチームバスなどなど、ドクターが毎朝体調に合わせて決めてくれた。
食事は3食アーユルヴェーダ食でスリランカのお野菜やスパイスを使ったお料理を出してくれる。
スリランカ料理が大好きなので、食で困ることは一切なかった。
パンチャカルマの経験
滞在6日目にパンチャカルマを体験した。
パンチャカルマとは、アーユルヴェーダの浄化療法でいわゆるデトックス。
嘔吐療法、浣腸療法など5つの療法があるのだが、私は下剤を飲んで、腸に溜まった毒素を出す療法で行った。
2日前からギーを毎朝飲み、当日を迎える。
朝6:00にドクターから渡された薬を飲む。
2時間後の8:00から腹痛が始まり、トイレから2時間出られなくなる。
10:00ごろドクターが様子を見にきてくれて、渡されたキングココナッツを飲むと、不思議なことに少しずつ回復。
12:00ごろにお粥を食べ、14:00ごろには完全回復という流れだった。
ちなみに、人によって薬を飲んだ後、嘔吐になる人もいて、これは個人の体質によるそう。
やってみての感想は、まず体がとてもスッキリした。
当たり前だけれど、体は取り入れたものでできているし、不摂生をしているとどんどん毒が溜まる。
今後の生活でも、体に入れるものはより気を配ろうと思った。
そして、1番の教訓は世の中に終わらないものはないということ。
自分でやることを選んでいるにも関わらず、トイレから出られない腹痛がいつ治るのか、異様に長く感じた。
辛いこと、悲しいことがあると早く終わらせたい。いつまで続くのかと不安になることがあるが、終わらないものはない。
だから、試練に対してもポジティブに、どうせ同じ経験をするんだったら、人生の糧になるように挑みたい。
また、辛いことだけではなくて、幸せな時間、命にももちろん限りがある。だからこそ、今を精一杯生きたい。
4. 8泊の滞在を経て感じたこと
人との出会いによって自分を知る
アーユルヴェーダに行って、「えっ、人との出会い⁉︎」となるし、私も「えっ」って感じだが、現地で出会った方々から学んだことがとても多い。
8日間の中で、色々な方とお会いする機会があったが、ここに来ないと出会えなかった方々とお会いすることができた。
一人一人のこれまで生きてきた人生、価値観。
また、海外に住んでいらっしゃる日本人の方とたくさんお会いする機会があり、ニュースだけではわからない世界の情勢やその国の生の情報。
たくさんのインプットがあった。
旅に出る楽しみの一つが現地での出会いだが、その度に自分の無知さを思い知る。
当たり前だが、世界は広いし、知らないことがありすぎる。
それを知る度に自分や日本を客観的に見ることができる。
社会人になってほとんどしていなかった英語や世界史の勉強も改めてやり直したい。
各国それぞれの違いが面白いと感じるのと同時に、目に見えない人工的に引かれた国境を境に人々が啀み合ったりしてしまうのはなぜだろう。
同じ空の下にいて、世界に一つしかない満月をスリランカから眺めながらふと思った。
笑顔で動じない生き方
スリランカの人々は目が合うといつも微笑んでくれて、手を合わせて挨拶をしてくれる。
何かに対してキリキリしたり、怒ったりすることはなく、いつも笑顔で余裕を感じる。
小さいことはあまり気にしない。といった印象を受けた。
私はそれに比べて、常に何かに追われて生きている感じがした。
心にゆとりを持って、周りの人に優しくできる。
私もスリランカの人のように生きたいんだったと改めて思い出した。
その生き方に近づくために、瞑想もストレッチも、運動もちゃんと継続しよう。
環境にも自分にも優しいもので心を満たす
なんでもクイックに手に入る飽食の時代で、何が本当にお腹と心を満たすのか麻痺してしまう。
ここ最近はPCやスマホを見ながら、次の予定に追われて急いで食べたり、時間がないから欠食したり、変な時間に食べたり、満足感のない食事をすることも多々あった。
スリランカでの生活は野菜、豆、果物、米中心の生活だったが、1日3食規則的にきちんと食べて満たされ、余計な間食もすることはなかった。
自然由来の消化の良い食べ物でお腹も心も満たす。
毎日は難しいかもしれないが、休日や時間が取れる時には意識して、ごきげんにいたい。
今回の旅を経て、太陽が昇り、沈む時間に合わせて活動したり、自然のエネルギー源で心や体を満たしたり、自然の摂理に沿って生活することで、いかに日々の生活が人工的で利便性が追求されているのかを感じた。
スリランカでの生活を日常に100%取り入れることは難しいが、自分なりにバランスを取って、必要なところを取り入れられると心地よいのだろうと思う。
食事・運動・瞑想・勉強。これまで行ってきたことも、新しく生活に取り入れたいことも、自分にとって心地良いバランスで調和をとっていきたい。
豊かに生きる本質を再認識した旅だった。