『僕になった私』
友達と少女漫画の読書感想文書いて遊んでます。その2!
拝読したもの!
友達の記事
あらすじ
主人公の桃子が、高校入学直前に失踪してしまった双子の兄が見つかるまで、兄の替わりに男装して全寮制の男子校で生活するお話。
女子だとバレそうになったり、元彼と会ったり、様々な出来事を通じてルームメイトの伊藤くんと親密になっていく。
雑誌ごとの毛色の違い
前回読んだ『天使なんかじゃない』は、りぼんに掲載されていたので、お付き合いに至るまで、そしてその後の日常を丁寧に描いている印象だったけど。
今回読んだ『僕になった私』は、Cheese!という18〜25歳くらいが対象らしい雑誌に掲載されたものなので、恋愛の描写がかなりテンポ良く進んでいく印象だった。
恋愛のゴールも、前者は「関係の安定」、後者は「肉体的につながる」ってところなのかな?という印象でした。
しっかり精神的なところも表現されてる
作風としてはギャグ色強めだし、物語の構成もさまざまな試練?を乗り越えるたびに二人の仲が深まっていくという、文字にするとなんてことない感じになってしまうんだけど…
個人的に最後の落とし所が、『僕になった私』の物語としてすごく綺麗だなと感じた。
共通の秘密を抱えるルームメイトというめちゃくちゃ近い関係性で物語が進んでいくんだけど、いつまでも隠し通せるわけではなくて、最終的にはお兄ちゃんとの入れ替わりを解消しなくてはいけない。
つまり、どんどん好き合っていくのに最終的には離れないといけないっていうのが決まってるわけで…桃子ももっと伊藤と一緒にいたいから入れ替わりを続けようとゴネたりもする。
なにより、全員が正しいポジションに戻ったところで、また別の苦労は続くっていう、さらっと描かれてるけど結構えぐい物語だったりする。
(そもそも、入れ替わりのきっかけも毒親的なアレだったりするし…)
でも、だからといって「それでもうちらは好き合い続けるのでした!」みたいなカジュアルな感じではなく、離れることで見えてくることをきちんと表現して希望のあるエンドにしてある。
全話通してギャグ調だけど、このセリフは恋愛というテーマを通してしっかり本質的なものに触れてるなって。なんの本質かはちょっとわかんないんだけど…深いところにある何かに触れてるよね、っていう!伝われ!!
単行本としての構成の気持ちよさ
これは、内容とはちょっと違うんだけど、読み手としてすごくいいなと思ったので!触れます!
全5巻で、1巻に1波乱が綺麗におさめられている構成になっていて、ストレスなく楽しく物語を読み進められた!
しかも、区切りを調整するために作者さんが書いた別の短編話が差し込まれてたりしてまして。一旦、短編は読み飛ばして本編だけ読んだら、本当に脳に負荷がかかってなくて。全力で娯楽を楽しんだ〜って感じだった。最高。
あと、絵が上手で安定してるってのもあったかも。
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