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【体の中の海】体の中の水分は海水そのもの。私たちは海からやってきた。

 成人の体重の60%は水分である。子どもだと80%にもなる。そしてその成分は海水にそっくり。人間は体の中に海を持っているということだ。妊娠中のお母さんの羊水も海そのものである。子宮の中でたった1個の卵細胞が分裂を繰り返し、羊水に浮かんで、魚のような形から徐々に人間の姿へと変わっていく。それはまるで海の中で生命が生まれ、進化していく様を早送りで見ているかのようである。

 人間は海に浸かっていると不思議と体調が良くなる。それは本来、人間がいるべき場所が海だからなのかもしれない。でも人間は陸に上がる道を選んだ。体の中に海を持ったまま陸に上がったのだ。だから体内をできるだけ海と同じような状態に保っておかなければ健康を維持していけない。体の声に耳を傾け、逆らわずに生きていれば自然とそれはできるはずなのだ。しかし体を錯覚させるニセモノがこの世には溢れかえっていて、必要な成分が摂れなくても体は納得してしまう。

 その最たるものが塩である。人工的に作られた精製塩は成分のほとんどが塩化ナトリウム。海の塩に含まれているマグネシウム、カリウム、カルシウムなどのミネラルがまったく含まれていない。それでも人間の体はそれを塩だと思い込み、納得してしまう。

 塩の摂りすぎは体に悪いと言われ始めて久しいが、悪いのはニセモノの塩だ。人間の体は実は「ホンモノの塩」を欲しているのである。塩が不足すれば健康を損なう。本来日本人は味噌、醤油、ぬか漬け、干物、梅干しなど、現代の感覚からすれば過剰とも思えるほど塩を摂取していた。それでも外国人が目を丸くするほど日本人は強靭な筋力と持久力を持った健康そのものの人たちだったのである。

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