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寂しさと隣り合わせの四半世紀~あとがき~

ふつうの家族ってなんだろう。
人生の節々で、そんなことを考えていた。

社会人になって一年、ほんの僅かな休職期間中の暇つぶしにと思って始めたこの企画、予想以上に色んなことを思い出す時間となった。

正直、保育園や小学生の頃のことなんて曖昧な記憶だし、大学生の時に家出していたこともつい最近まで忘れていた。そういう性格なのだ、昔から。嫌なこと苦しいことはすぐに忘れてしまう。

それでも正体不明の寂しさにつきまとわれて、訳も分からず泣いてしまう夜があって、人の言葉が尖っていることに敏感で、そんな自分がどこからくるのか知りたかった。なぜ自分は自分なのか知りたかった。

この企画を進めている間に両親の離婚が決まり、それぞれ親の介護も兼ねて実家に戻るという。遂に私にとって実家と呼べるものはなくなり、地方出身の両親とは会う頻度も少なくなりそうだ。

父にも母にも謝られたけど、謝ってほしいなんて思ったことはない。むしろ、私が家族をバラバラにしたところもあるだろうし、むしろこっちがごめん、と思う。けれど、みんな幸せになればいいと思う。居心地の悪いものは振り払って、背負わなきゃいけないものを背負って、自分で選んだ荷物を持って、それで幸せになればいい。
(なんだかこの前本屋大賞をとった凪良ゆうさんの『汝、星のごとく』にも同じようなことが書いてあった気がする)

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
小娘の戯言でした。

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