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<少額訴訟記完結>1時間20分の敷金返還リーガルバトル

・2023年12月下旬
話の通じない大家とサヨナラするため、賃貸マンションを退去

・2024年3月初旬
敷金から控除される修理費用34,200円(後日減額され24,200円)に納得がいかず、少額訴訟へ踏み切る

・2024年4月下旬
裁判で勝訴的和解が成立し、敷金全額を取り返せることに

*記事には多少のフィクションを含みます

いざ出陣

簡易裁判所の待合室は狭い。
しかも、原告・被告兼用になっている。

大家と同じ場所で待機するのは嫌だったので、私が待合室に向かったのは開廷の10分前だ。

大家はすでに到着しており、その隣には、付き添いの若い従業員(大家の親族)の姿があった。

何度か顔を見かけたことはあるが、一度も話したことのない人だった。

一応、大家に「こんにちは〜」と挨拶をしてみたが、大人気なく無視された。

その昔、「おはようございます」と言ったにも関わらず、挨拶がなかったと大家に注意されたことを思い出す。

一体どの口が言っているのか。


時間になり、法廷へ案内された。

法廷という雰囲気がまるで感じられない簡素な空間。
さすが非都市部の簡易裁判所だ。

身分証を提示して席に着く。

大家は被告
大家に付いてきた従業員は被告代理人
(私は原告代理人、原告の夫は欠席)

という立場で出廷しているのにも関わらず、この従業員は、免許証も社員証も持ってきていないという…

え、手ぶらでくるとかある?
やる気ないなら来るなよ。

しかし、裁判官は「やれやれ、まあいいでしょう」的なノリで、この従業員の着席を許可した。

本人確認のテキトーさに呆れる。

簡易裁判所の法廷

裁判官と司法委員は推定60代の男性
裁判所書記官は推定20代後半の男性

なんの特別感もない円卓をみんなで囲む。
社内ミーティングかな。

少額訴訟の審理は、裁判官のリードで進行していく。

裁判官から質問される → 聞かれたこと(だけ)に答える
というスタイルだ。


私が大家のことを話すときは、大家の名前ではなく「被告」という呼称を使った。

普段の生活で「被告」という単語を発する機会は滅多にないので、ここぞとばかり口にした。

裁判中は、大家と従業員をガン見していたのだが、終始目は合わなかった。


少額訴訟についての説明

裁判官
「通常訴訟に移行することもできますが、少額訴訟のまま審理を進めてもいいでしょうか?」

従業員
「はい。通常の訴訟のままで大丈夫です」

裁判官
「?? えーっと、少額訴訟でいいということですかね?」

従業員
「……はい」

この従業員は、裁判官の質問を理解できているのだろうか?

明らかに頼りがいがなさそうなのに、なぜ大家に召喚されたのだろうか?


証拠調べ

裁判官
「被告。原告が提出した証拠書類の確認は大丈夫ですか?」

従業員
「はい、大丈夫です」

裁判官
「原告。被告の証拠書類の確認は大丈夫ですか?」


「いいえ、大丈夫ではありません。
被告の提出した請求書や領収書は、業者名などが隠されている状態です」

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