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<少額訴訟記9>今さら届いた大家からの回答書

・2023年12月下旬
話の通じない大家とサヨナラするため、賃貸マンションを退去

・2024年3月初旬
敷金から控除される修理費用34,200円(後日減額され24,200円)に納得がいかず、少額訴訟へ踏み切る

・2024年4月下旬
裁判で勝訴的和解が成立し、敷金全額を取り返せることに

*記事には多少のフィクションを含みます


タイミングの悪いお手紙

無事に訴状を出せたぜ!
達成感を味わいながら帰ると、自宅に特定記録郵便が届いていた。

この見覚えのある汚い字は……大家だ。

どうやら、私の送った内容証明に対する回答書を用意したらしい。

「2024年2月末日までに」と書いたのに、3月に入ってから到達するのはなぜなのか。

大家の行動がいちいち遅くてモヤモヤする。


敷金から差し引く修理費用について

回答書には、こちらへ請求していた修理費用の一部を除外するとあった。

当初35,200円としていた修理費用を、 24,200円 まで譲歩したみたいだ。

修理費用

ダイニング
モニター面クロス 張替(3分の1負担):6,600円
・エアコンフラップ 取替工事費(3分の1負担):13,200円
窓ガラス シール剥がし:2,200円

洗面所
・クロス破れ 張替(3分の1負担):3,300円

風呂
・照明灯外れ 取付工事:7,700円

リビング
窓ガラス シール剥がし:2,200円

合計:35,200円 24,200円

モニター面のクロスと、窓ガラスのシール×2 の請求をやめたのは、入居前の状態を証明できないからとのこと。

修理費用が軽減されても、素直に喜ぶことはできなかった。

やっぱり大家は、テキトーな思い付きでふっかけているだけだったんだ、と腹が立った。

残りの項目も、妥当性のない請求ばかりである。


エアコンフラップ(風向板)故障
エアコンがナショナル製で超古い。
寿命だろ。

しかも、前々から大家に不具合を相談していた件だったので、なぜ私に請求しようと思えるのか本当に意味不明。

浴室の照明灯外れ
こちらもナショナル製。
寿命だろ。

退去直前にほこり取りですーっとなぞっただけで、根本からガコッと取れた。

修復を重ねた形跡があるので、もう限界だったのだろう。

ていうかさ。
ナショナルブランドがパナソニックに統合されたのは2008年なんだけど。

瀕死のナショナル製品が壊れたのを、私達夫婦のせいにされても困るよ。

洗面所のクロス破れ
これに関しては、知らないうちにそうなっていたんでしょう、という感じ。

それを通常損耗と呼ぶのでは?


敷金の返還時期について

回答書には、敷金の返還時期についての反論もあった。

借主は、2024年2月末日までに敷金の返還をしない場合は少額訴訟を起こすと主張されていますが、賃貸借契約書に「敷金の返還時期は賃貸契約終了後の完全に原状回復した翌月末日」と明記しております。
原状回復工事は2月◯◯日に完了したため、弊社は2月中に敷金を返還する義務はございません。

え、何言ってんの?
どう解釈したらそうなるんですか?

賃貸借契約書の条文
敷金返還時期は、本契約が終了し、借主が本物件を原状に復した上、貸主に完全に明け渡した日の翌月末日とする。

大家はこの条文を勝手に読み替え、2月に原状回復工事が完了したから、その翌月末(3月末)に敷金を返還するね、とのたまっている。

自己解釈で勝手に押し通そうとするんじゃねぇ。

じゃあ、工事の手配が1年後になったら、敷金返還もそれ以降になるってことですか?

大家が廃業して工事の発注をしなかったら、敷金は一生返ってこないってことですか?

んなこと許されるはずないだろ。
あー、イライラする。


そもそも、私が賃貸マンションを完全に明け渡したのは2023年12月なので、敷金の返還期限は2024年の1月末なんだけど。

のろのろ送付してきた敷金精算書の日付が1月31日な時点で、もう間に合ってないっての。


よく見たら、大家からの回答書で引用された条文では、「完全に」の位置が変わってるし。

賃貸契約書:
貸主に完全に明け渡した日の翌月末日

大家の回答書:
賃貸契約終了後の完全に原状回復した翌月末日

引用になってないよ。はぁ。


だいたい、借主の原状回復義務 = 部屋を借りた当時の状態に戻すこと、ではない。

普通に住んでいても発生してしまう汚れや損傷について、借主が責任を負う義務はないのだ。

改正民法や国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」で、そう定義されている。


少額訴訟を続行

回答書の最後には、「本回答をもって、弊社からの最終回答とさせていただきます」と記載されていた。

大家的には、最初に提示した修理費用からちょこっと減額してやるから、それでお互い手を打とうぜ。はい終わり、もういいだろ?
という感じか。

いや、もう訴状を出したあとだからさ。
印紙も切手も納付済だからさ。

あなたね、一足遅いのよ。
(大家はよく「あなたね〜」と言ってくる)


訴えを取り下げることだってできるのだろうけど、その方法を調べる気にはならない。

一度オンにしたスイッチは簡単に切り替えられない。


もしもこの回答書が一週間前に届いていれば、私はどのような対応をしただろう。

35,200円が24,200円に減額されたのだから、納得はしていないけど、もうこの辺で引いておこう。
と収束に向かったのだろうか。

それとも、たった35,200円のために提訴する人間は、それが24,200円になったとて、やっぱり戦おうとするのだろうか。

ん〜。どっちもありえる。

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