<少額訴訟記3>賃貸マンション退去の日
大家が立ち会いを拒否
2023年12月下旬
賃貸マンション退去
このマンションは大家の自己管理物件なので、管理会社は存在しない。
契約書の記載通り、仲介業者宛に解約通知書を送ったが、彼らはあくまで解約通知書を大家へ「仲介」するだけ。
退去の立ち会いには、大家本人が現れると聞いていた。
しかし、大家は立ち会い業務を仲介業者へ投げた。
退去当日、豪邸の庭でガーデニングに興じる大家の姿が見えた。
他の用事と重なって都合がつかない。
なんてことはなく、私達夫婦と顔を合わせたくなかっただけである。
仲介業者からすれば迷惑な話だろうが、こちらも大家と話したくないので助かった。
仲介業者の立ち会い
以下、仲介業者の担当者からの話。
──本来は大家さん自身に立ち会ってもらうんですけど、そちらの会社でやってくださいと言われてしまいまして。
──何か確認事項があるかもしれないので、直接お話しされた方がいいんじゃないんですか? って言ったんですけど、断固として、自分は行かないとおっしゃられたんです。
──だから代わりに私が来させてもらったんですけど、退去時のチェックリストとかがあるわけでもないので、鍵を返してもらうくらいしかやることがないんですよね。
部屋も綺麗にされてますし、特に問題もないと思いますよ。
退去の立ち会いはすぐに終わった。
担当者はその足で、真裏の大家宅へ向かって行った。
この仲介業者は、おそらく契約時の仲介手数料しかもらっていない。
無償労働、本当に気の毒だ。