<少額訴訟記12>裁判直前のラストスパート
参考になったネット資料
大家の答弁書が届いてからというもの、少額訴訟についての記事を改めて読み漁った。
そんな中でも、読み応えのあった記事をいくつか載せておこう。
・マイナビニュースの訴訟記事
元国税局職員の芸人による少額訴訟体験記(敷金返還請求)
ユーモアと文才を兼ね備えていて面白い。
・マネー現代の訴訟記事
放送作家による少額訴訟体験記(未払い報酬請求)
少額訴訟に同席する司法委員の役割が分かる。
・三井住友トラスト不動産の法律アドバイス
アパート経営者の顧問弁護士が少額訴訟について書いた記事
被告側の動きを知るための勉強になる。
・国土交通省の報告書
敷金返還請求22事例の少額訴訟調査資料
ちょっと古いしボリュームも多いが、敷金返還裁判についての詳細な情報が得られる。
いろいろ読んでいて分かったのは、ほとんどの少額訴訟が「和解」で終結するということだ。
裁判官は「判決」を出し渋り、積極的に「和解」を勧めてくるらしい。
理由は不明だが、和解に導きたくて仕方がないという印象だ。
私のこの時点での請求金額は、24,200円。
こんな少額のためにわざわざ訴訟を起こしたのに、和解させられるなんてありえないわ。
しかも和解だと、訴訟費用は各自の負担になってしまう。
全然いいことなし。
参考になった本
裁判の5日ほど前に、1冊だけ少額訴訟の本を読んだ。
「自分でできる少額訴訟ハンドブック―事例にみる実務と実践」日本加除出版
これがまぁ、めちゃくちゃ分かりやすかった。
物語風に話が進んでいくので、気付いたら読み終わっていた。
特に法廷での審理シーンが良かった。
裁判官はこうやって裁判を進行していくんだ、という感覚を掴める。
何で一番最初にこれを読まなかったんだろうと後悔した。
証拠書類についても分かりやすく書かれていた。
私は、写真や書面をコピーして、それをそのまま証拠として提出していた。
けれど、それらの情報を補完するために、「陳述書」や「証拠一覧表」を作成した方がスマートだったみたいだ。
少額訴訟は一発勝負。
だからこそ、裁判官にどこまで事情を理解してもらえるかが鍵となる。
伝え漏れは許されない。
今から「陳述書」や「証拠一覧表」を作成したとしても、裁判の日は目前まで迫っている。
裁判官に目を通してもらえる時間などない。
時間を巻き戻して、訴状を出す前に戻りたくなった。
気を取り直して
今できることを考えた。
まずは、ナショナル製のエアコン&照明器具についての情報補強。
どちらの製品も、品番は分かるが製造年の記載は見当たらない。
そして、それらの品番をネット検索してみても、製造年は特定できない。
そんな状況だったが、
Nationalのロゴが入った製品=古くてガタがきている
というのが世間の共通認識だろうと安心していた。
しかし、正確な製造時期を把握したうえで、裁判に望みたいと思い直した。
・製造から◯◯年も経っているのに、大家はエアコンや照明器具を交換していない
・◯◯年も使用し続けた設備の不具合を、大家は借主の責任にしようとしている
裁判官にこんなようなアピールをするために。
では、製造時期を突き止めるために何をやったか?
→ パナソニックのサポートセンターに、メールで問い合わせをした。
エアコンと照明器具でサポートの窓口は異なるが、どちらのサポートセンターからも翌営業日に返信をいただいた。
これで製造年が判明。
この回答メールを追加の証拠書類とし、裁判当日の開廷1時間半前に、簡易裁判所の事務所へ提出した。
パナソニック様、ありがとうございます。
法廷持ち込み用のメモ
「陳述書」や「証拠一覧表」を作る代わりに、自分用の備忘録を作った。
・これまでの流れを時系列に整理
・お互いが提出した証拠書類の整理
・修理費用に対する反論内容の整理
・大家への質問事項 などなど
裁判官から何か聞かれたときに即答できるように。
大家に何を言われても、すぐに抗弁できるように。
私の念を込めすぎたのか、備忘録はA4用紙4枚分になっていた。
これだけ対策したんだから大丈夫! という自信がつき、沈み気味だったメンタルが回復した。