連載「ユニオンリスク」Vol.4 セクハラの濡れ衣で再就職困難に
プレカリアートユニオン元交渉員で、判例タイムスに掲載されたプレカリアートユニオン事件原告団長の私・宮城史門が、「ブラックユニオンに入ると、ここがマズい!」という問題点を発信していく本連載。
第4弾となる本稿では、あろうことか某ユニオンで、私が「セクハラ」の冤罪を着せられた経緯を話したい。
執行委員長に私が「セクハラ」?
ユニオンとの裁判が始まった後、とある奇怪な記事がユニオンのブログに踊った。
曰わく、私が執行委員長の女性に「セクハラ」をしているという。
例の如く悪文で読みにくいが、要するに、
私あるいは(旧)DMUが、
委員長と書記次長が不倫をしていると決めつけ、
「挙式はいつになるんですか?」というメールを送ったので、
宮城はセクシュアルハラスメントをしている
しかも、その目的は宮城がプレカリに要求を飲ませることである
よって、不当だ!
というのである。
▼ユニオンの執行委員長
しかしながら、これも実はマッチポンプで、ペアルック疑惑も不倫騒動も、元はといえば、そもそも私と全く関係の無いユニオン側の女性組合員が言い出した話なのだ。
ちなみに、「ペアルック」とされる写真を撮影したのも私ではない。
その女性組合員が、N氏と私をメールで同報にして、不倫だ、不倫だ、と騒ぐので、私は、「ハイハイ、そうですか」という気持ちで、冗談で「挙式はいつになるんですか?」と適当なメールを返信しただけである。
すると、なぜか、私がユニオン側に「要求を飲ませる手段」として、「セクシュアルハラスメント」をしたことにされてしまったのだ。
しかも、そうした一方的なストーリーを、私だけの実名を挙げてインターネット上で垂れ流している。転職活動で差し支えになることはいうまでもない。
発端は自分たちの組合員なのに……
しかし、そもそも、ペアルックであると指摘し、不倫の疑いがあるということを大勢にメールで発信したのは、私と一面識もないユニオンの女性組合員で、私は適当に相槌を打っただけである。
それなのに、「ペアルック」であるという指摘から「不倫疑惑」の勃発に至るまで、すべて私がやったこととされ、そうした一方的な主張を、私だけが本名で名指しにされインターネット上に配信されてしまっている(委員長の「○○直子」氏は、本名ではない。)。
だが、本来は、ユニオン側の人物が、「ペアルック」「不倫」を最初に言い出したという重要な事実を隠し、相槌を打っただけの私を「セクシュアルハラスメント」の主体であるかのように語るのは卑怯だ。
そして、私を名指しでセクシュアルハラスメントの加害者呼ばわりしておきながら、執行委員長や女性組合員など、ユニオン側の人物の実名だけは伏せるのも卑怯である。
そもそも、男女雇用機会均等法によれば、セクシュアルハラスメントの定義は次の通りなので、職場における言動ではない以上、「セクシュアルハラスメント」ではないと思われるのだが……。
ユニオンというものは、取れる揚げ足であればとにかく何でも取って、自分たちの名前や都合の悪い事実だけは殊更に秘匿したまま、敵対する相手のことは名指しで、しかも事実を歪曲したり切り取ったりして、執拗に攻撃してくるのである。
これは、ユニオンによる会社への嫌がらせにも同じことが言えるのではないか。
そして、本件から読み取っていただきたいのは、ユニオンに加入後、ユニオンともめると、個人の立場でも、会社と同様の嫌がらせに遭わされるということである。
沖縄の言葉で、「ヤーナライ、フカナライ」という言葉がある。家での習い(習慣)は、他(世間)での習慣でもある、ということだ。
会社に対して、街宣活動などの嫌がらせによって要求を実現することを業とするユニオンは、たとえ元々は仲間であったはずの組合員個人が相手でも、いざもめ事になると、最終的には、会社に対するのと同じ手口を使ってくるのだ。
会社に対する「習い」は、組合員に対する「習い」でもあるということである。
危険極まる。「こんな人たち」と関わってはいけない。
労働問題は、信頼の置ける町弁の先生へ。
弁護士は、訴訟をはじめとする一般の法律事務を広く取り扱うことができるとされており、労働問題の解決にあたって、ブラックユニオンのように嫌がらせめいた活動をする必要がそもそもない。
となれば、後で嫌がらせのターゲットが自分に移ってくることもないし、無用な恨みを買うこともないのだ。
狭い日本、とくに同じ業界であれば、以前の職場の関係者と別の機会に出会うこともあるだろう。こうしたとき、互いにイヤな思いをすることがないよう、労働問題は正当な手続に則って解決しよう。