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司法書士の業務範囲と弁護士法の関係について(民事月報9巻3号、昭和28年10月26日付日弁連総第173号日本弁護士連合会長照会、昭和29年1月13日付民事甲第2553号法務事務次官回答)

(司法書士)
(1)司法書士の業務範囲と弁護士法の関係について
(昭和28年10月26日付日弁連総第173号日本弁護士連合会長照会、昭和29年1月13日付民事甲第2553号法務事務次官回答)

拝啓 弁護士法第3条の職務権限と司法書士法第1条の職務権限との間に紛淆を来たし一般国民の健全な法律生活、法秩序確立の上から甚しき弊害が憂慮せられますので、左記事項についての貴庁の御見解を伺いたく御照会致します。

1、訴状、答弁書、準備書面、証拠保全申請、仮差押仮処分申請、検査役選任申請、非訟事件、執行事件、督促事件、若い事件、各種調停事件、告訴事件にして法律的判断を必要とする書類の起案作成及び之等の代理行為は司法書士法第1条の業務範囲に属するや否や。
2、特に会社定款の起案作成其の他会社設立に必要な書類を作成することは同条に違反しないか。

回 答

客年10月26日付日弁連総第173号をもつて法務大臣あてに照会された標記の件につきましては、次のように考えます。

1、他人から嘱託された趣旨内容の書類を作成する場合であれば、その作成及び提出は、司法書士の業務範囲に含まれるが、しからざる場合には、含まれない。又、代理行為については、書類の提出に関するものの外は、すべて含まれないものと解する。
2、会社設立に必要な書類のうち、登記所に提出するためのもの(例えば、会社設立登記申請書、登記申請委任状)の作成は、司法書士の業務範囲に含まれるが、しからざるもの(例えば、定款、株式申込証)の作成は、含まれない。
 なお、後者の場合において、書類の作成で法律的判断を必要としないものについては、弁護士法第72条の違反の問題を生じないが、しからざるものについては、その問題を生じる。


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