見出し画像

【詩】森の喫茶店‐春‐

式の後は いつもの店で
たんぽぽ珈琲を飲みましょう
花から卒業して飛んでいく前に

思い出を保温するだけでは生きてはいけないと
分かっているから
今 この時を香る

唇に当たるカップの縁が名残惜しくて

今 その時が来たの
綿毛のコサージュを胸に
風に乗って旅立っていく
りすの店主さんが優しく送り出す


©2024 Fumio Murakami

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?