自主制作本『傷みの記憶』の制作が佳境に入った。
目下作業中だった自主制作本『傷みの記憶』の制作も目途がついてきました。
はじめて使ったInDesignの作業で、慣れないから最初やる気が起きなかったけど、Adobeのサイトで使い方とかを見て、なんとなく理解したようなしてないような、で作業をしています。
こちらはセブンのネットプリントで印刷。
今セブンのマルチコピー機って製本印刷してくれるんですね。
すげーや。
実際の紙に出力して見ると、間違えとか、修正箇所に気付けていいですね。
サイズは最初A4で作っていたんですが、A4はデカくて。
B5にしたら、しっくりきたかなと。
写真と詩を組み合わせた所謂ZINEなんですが、写真と詩の内容が連動する感じで、フォントサイズとか、レイアウトも内容に合わせて組んでます。
でも、それは全部自分の感覚的なもので、最初編集まで自分でやるの大変だなぁ…って思ったんですが、それなら自分しか出来ないことをやろうと思って、そんな感じのものになりました。
実は参考にしている本があります。
京都書院のArtRANDOMシリーズのRobert Longo。
これ、知っている人は知っていると思いますが、岡崎京子の『リバース・エッジ』の中に出てくるWilliam Gibsonの詩が出てきます。
この本は想い出の本で、昔の恋人と別れたあとに、彼の誕生日プレゼントとして贈ったのです。
彼は岡崎京子が好きで、「誕生日に何が欲しい?」と聞いたら、この本が欲しいと言いました。
彼の誕生日の次の日に、私達は別れてしまったんですが、彼から借りたものを返却したときに、一緒にこの本を贈りました。
このとき既に京都書院は倒産していて、この本は京都書院のサイトで取り寄せました。
彼にもう会うことはないので、本を読めないのが癪だな、と思って、自分用にも購入しました。
今となっては「買っておいて良かった」と思いました。
何故なら倍の値段がついてるからです(笑)。
それは冗談として、この本のRobert Longo写真とWilliam Gibsonの詩のページがやっぱりすごく良くて、ズンと来るんですよね。
こういうズンと来るのを作りたいなと。
今って、耳障りがいいとか、逆にすごいノイジーなものばっかりで、静かにズンと来るものってあんまりない気がして。
というか、そういう静かにズンと来るものって広がらないんだと思うんです。
多分広めたくないから。
私の作るものって、あんまり広まらないんですよ(笑)。
先日コンサルおじさんと飲んでたときに「レタルってお客様があんまりネットに上げてくれない」ということを言ったら、「それは上げたくないんだろう。いいことだよ。」と言われました。
自分としては広まってくれ!と思う気持ちもありますが、その広めたくない気持ちもわかるなと。
それを言われてから、逆にそれでもいいかなと。
昨日、康さんという年上の友人と飲みました。
康さんにずっとカメラを貸していたのですが「最近ヒグチさん、写真撮ってるからカメラ返しますよ」って言われて、なんとレンズと白黒フィルムを一本ずつ付けてくれて、ストラップまでいいものに替えてくれて(笑)。
写真や文章の話をしていたときに、『昔の恋人を探す旅』の話になったのですが、「あれは読んだけど、いいねをしていいのかわからなかった(笑)」と言われました(笑)。
あぁ、なるほどな、と(笑)。
簡単にいいね、と言えないものや、広まって欲しくないもの。
自分はそういうものを作っていこうかな、と思いました。
それがこの先、少し必要になる気がして。
今、本の値段を悩んでいますが、20ページから24ページくらいになるので、¥2000くらいを考えています。
初回は100部印刷しようかなと思っているんですが、どうせ一般の流通に乗せないで自費で出版するんだから、増刷するたびに¥200ずつ値段を上げていこうかなと今考えています。
値段を見れば、何回刷ったかわかるという。
早く買えば買う程安くなるみたいな仕組みでやってみたら面白いかなと。
カルト的な仕組みの方が面白いじゃないですか?
今自分としてはそういうカルト的なものを作りたいんですよね。
どうせ内容だってダークというか、毒っぽくて、広く受けるようなものじゃないんだし、だったらそういう方がいいかな?と。
年内には発売出来るよう頑張ります。
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