見出し画像

谷川俊太郎氏を悼んで

今朝、起きた自分に飛び込んで来た、谷川俊太郎さんの訃報。

今とても忙しい(※実は1年で最繁忙期)自分が、このニュースを改めて考えられたのが漸くこの時間になってからとなりました。

学生時代、現国教科書で出会った「空の青さを見つめていると」は、思春期の自分に直球で刺さりました。
実際に載っていたのは別の詩で、「空の〜」はその他の氏の作品として、欄外に紹介されていたんです。
でも私は、柱に書かれていたフレーズの美しさに撃ち抜かれました。

図書館でそのフレーズから始まる詩を探して読みました。

空の青さを見つめていると
私に帰るところがあるような気がする
だが雲を通ってきた明るさは
もはや空へは帰ってゆかない

「空の青さを見つめていると」谷川俊太郎詩集Ⅰ

続く言葉は単に美しいだけではない、世界と自分、空間の広がりと人間の体を実感させる、不思議な韻律に満ちていました。

谷川さんとの出会いは多分小学校のマザーグース訳。
オリジナルの詩ならきっと「朝のリレー」。

でも私に「詩」という芸術のような文学に気づかせてくれた「空の青さを見つめていると」は、歳を重ねた今もいつも新鮮に、新たに風を送ってくれる輝きのようなフレーズ。
それはこれからもきっと何一つ変わらない。

たくさんの言葉の花をこの世界に置いていってくださった谷川さん、ありがとうございました。
谷川さんの言葉は、詩は、世界に溶け合って、いつまでも永遠となるのでしょう。

心から御冥福をお祈りいたします。

出勤途中に見上げた「空の青さ」

いいなと思ったら応援しよう!