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《現代病》新型栄養失調とは?
新型栄養失調とは、カロリーは十分に摂取している一方で、ビタミンやミネラルなどの微量栄養素が不足している状態を指します。
この状態は現代の食生活において特に問題視されており、日本を含む先進国で増加傾向にあります。
新型栄養失調の背景
加工食品の増加
現代の食生活では、加工食品やファストフードが多く摂取されています。これらの食品はエネルギー密度が高い一方で、ビタミンやミネラル、食物繊維が不足しがちです。偏った食生活
主に炭水化物や脂質に偏った食事が、新型栄養失調を引き起こします。特に単純炭水化物(白米、パン、菓子類)の過剰摂取が問題とされています。高齢化社会
高齢者では、食事量の減少や咀嚼力の低下により、栄養素の摂取不足が起こりやすくなります。
新型栄養失調による影響
免疫力の低下
ビタミンCや亜鉛などの不足により、風邪や感染症にかかりやすくなります。骨や筋肉の健康への影響
カルシウムやビタミンDの不足が骨粗しょう症を引き起こすリスクを高めます。また、タンパク質不足が筋肉量の減少(サルコペニア)に繋がります。疲労感や集中力低下
鉄やマグネシウム不足が貧血や慢性的な疲労、集中力の欠如を引き起こします。生活習慣病リスクの増加
メタボリックシンドロームや糖尿病、高血圧などが進行する可能性があります。
具体例:不足しやすい栄養素
鉄:貧血や疲労感の原因。特に女性に不足しやすい。
ビタミンD:骨の健康や免疫力に関与。日本人は特に不足傾向。
ビタミンB群:エネルギー代謝や神経機能を支える。
亜鉛:免疫力や味覚の維持に必要。
オメガ3脂肪酸:脳機能や炎症抑制に役立つ。
新型栄養失調の改善策
バランスの取れた食事
主食、主菜、副菜を揃えた和食スタイルが理想。
野菜、果物、海藻、魚、大豆製品を積極的に摂取。
食品選びの工夫
未精製の穀物(玄米や全粒粉)を選ぶ。
加工食品や糖分の多い飲料の摂取を控える。
サプリメントの活用
必要に応じて、医師や栄養士に相談しながら補助食品を利用。
日光浴
ビタミンD合成のために、適度な日光浴を行う。
参考文献
厚生労働省「日本人の食事摂取基準」
日本人の栄養素不足に関する基準と推奨摂取量を示しています。
厚生労働省 食事摂取基準佐々木敏『栄養学の基本がわかる図解事典』日本文芸社
栄養学の基礎から現代の栄養問題まで、ビジュアルでわかりやすく解説。世界保健機関 (WHO) レポート
Micronutrient Deficiencies: Addressing Their Impact on Global Health.
WHO Nutrition斎藤孝子『現代の栄養失調を考える』中央公論社
現代の食生活の問題点と栄養不足に関する解説書。
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