ペイント大全ショウケース:ブラックゴブリンの大族長パート8(ベースデコレートとトップコート)
よくぞ来た。7回に渡って続いてきた「ブラックゴブリンの大族長」ショウケースも、いよいよ今回で大団円を迎える。ミニチュア本体のペイントが終わると気が抜けてしまうかもしれないが、ここからのステージをしっかりとこなすことで、ミニチュアの完成度がアップするだけでなく、作品に物語が加わるぜ。
今回はかなりボリュームのあるエントリーだけど、途中で切ると流れが悪くなったので、一気に完成まで行こうぜ。
それじゃあ、いってみようか!
「ベーシスト列伝:コルクシート→斜面奏法」で語ったように、俺は様々な思いから彼を32ミリベースに載せ替え、コルクシートで斜面のある地形を表現した。ついに今こそベースを仕上げ、彼に物語を託す時が来たのだ。
地面の色を考える
ミニチュア、ことファンタジーミニチュアのペイントでは、ベースデコレートにおいて地面をペイントすることはかなり多いね。土を表現する「記号的な色」と言えば茶色だけど、君も知っての通り、土の色というのは、実に多彩だ。赤い土、黒い土、あるいは黄色い土や灰色の粘土質のものまである。だから、君のイメージする土の色がどんなものかは、君の住んでいる場所の土壌、あるいは、君にとって縁深い場所の土壌の種類によって、かなり大きな違いがあるはずだ(実際我が国の国土を覆う土の種類は無数にあり、地域ごとに面白くなるレベルで違う)。あるいは、コンクリートジャングルで長年暮らしていたりすると、土という存在自体、何気に縁遠いものかもしれない。
そんなわけで、たしかに現実の土は単なる茶色ではない。けれど、茶色の濃淡で表現された地面は、実際とても見栄えがいいし、黄色系や灰色系で塗るよりも、よっぽど土らしく見える。むしろ大切なのは、「ミニチュアの足元にある土がどのくらい水を含んでいるか」だ。乾いているほど、その土本来の色が出る。だけど、水を含むことでより暗く変色するのさ。だから、地面の色を考える時は、土壌の違いよりも、むしろ湿気の度合いを想像するといい。「湿気が多いほど、土の色は暗くなる」。これを覚えておいてくれ。
洞窟内、森、山中、あるいは草原…ミニチュアがどこにいるのであれ、そこにどのくらいの湿気があるかは、気候はもちろん、そこの天候や季節、あるいは屋内か屋外かも関係してくるだろう。ミニチュアの立っている場所が乾燥しているか、あるいは湿っているのか。湿度は、地面の色を変えることでカンタンに表現できるし、それをちょっと考えるだけで、表現に幅が加わるものだ。
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