評議会メンバーの質問『パレットの上に出したカラーや筆がすぐ乾いてしまいます。何か良いコツありますか?』に答える
やあ!評議会メンバーのみんな、元気にしてるかい? 評議会メンバー専用ホットラインに寄せられる声には、すべて俺自身目を通しているけど、また一つ「これは早めにアクションで返そう。というか独立エントリーで答えよう」というのがあったので、時間も取れたしガッと書いてみたよ。
なるほど良くわかる。まず最初に言っておくと、君のペイント速度が、仮にシャアみたいに速くても、パレット上のカラーはどちらにしろ途中で乾いてしまうだろうし、筆も乾いてしまう。だが絶望しないでくれ。俺たちは、その乾燥をなるべく遅らせることができる。「カラーが乾いちゃう!」と急いでペイントしても、いい仕上がりにはならないもんね。だから、ペイントの速度をあげることではなく、乾燥自体を遅らせる手段が有効だ。
そんなわけで今日は、「ペイント中に筆先が乾いてしまう」への対処法と、「パレット上でカラーがすぐ乾いてしまう」への対処法を紹介しよう。
水溶性カラーと水の関係
まず、塗料の話をしよう。コートデアームズ、シタデルカラー、ファレホ、アーミーペインターなどなど、国内でも海外製の水溶性カラーの愛用者が増えている。水溶性カラーは、ブランドごとにそれぞれ良さがあるし、どれを使うかは君の好みによるね(俺がコートデアームズを激推しなのは知っての通り。いいものだから日本に持ってきたんだ)。水溶性カラーは、ブランドに関わらず同じ性質の画材・塗料だから、互いに組み合わせて使うこともできる。では、水溶性カラーの特色から、希釈・乾燥についての共通点を見てみよう。
これらはどれも、水溶性カラーの特色であり長所だ。シンナー不要だから換気要らずだし、いくら塗り重ねてもにじまないし、乾燥待ちの時間がほぼないから、製作が捗る。
だが、これらは短所でもある。つまり、一度乾くと落ちないから、エナメル系や油彩でできる溶剤による「拭き取り」や「ぼかし」技法が使えない。また、速乾性であるがゆえに、パレットに出したカラーが途中で乾いちゃったり、ペイントしている途中、筆が乾いちゃったりするんだ。
質問をくれた君と同じく、俺も紙パレットに水溶性カラーを出し、筆でペイントをしている。冷暖房の効いた室内だと、すぐにカラーが乾いちゃうよね。残念だけど、これを完全に止める方法はない(いつまでも乾かない方がむしろ問題)。だけど、早すぎる乾燥を遅らせることはできるよ。
筆の乾燥対策
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