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初めてガザ停戦スタンディングに立った

「一緒に立っていいですか」
初めてスタンディングデモに参加した。

阪急梅田からJR大阪駅に渡る横断歩道の近く。JR大阪駅側の道の端に並んでいる。パレスチナの旗をゆっくりと振るひと。「STOP GENOCIDE GAZA」「即時停戦を」カードを掲げるひと。
今日は5人ほど立っていた。

「あの、カードとか持ってないんですけど、、、」
というと、
「メッセージを主張する用のではないけど、ガザの状況を知ってもらうために作ったカードだけど、よかったら」
といいながらバッグからプラボードにコピー用紙を貼り付けたカードを貸してくださった。紙にはガザの市民、ジャーナリスト、建物など様々な殺害・破壊された数がずらりと並んでいた。

カードを掲げて一緒に並ぶ。

「初めて?」
「はい、初めてで」
言葉に、つまる。
「あの、来たいと思っていて、ずっと。」
「なんか、自分の中でちいさく不買運動とかはしてたんですけど、なかなかデモは来れてなくって、ざわざわしてて」
「不買運動もだいじだよ」
「また、きてね」

それから1時間とすこし立っていた。

みなさんと。

連帯を感じる

カードを掲げながら、人の往来を眺める。ほとんどはこちらを向かない。
ちらり、と見るひと。
すこしじーっと見るひと。
でも大抵スタスタと歩いていく。

リアクションをくれるひともぽつぽつといる。リアクションが貰えると嬉しい。

例えば、こんな反応に嬉しくなった。こちらを見てうんうんと頷いたり、がんばれ!っとちいさくガッツポーズを見せたり、良いね!ってサムズアップしたり、写真を撮ったり。
写真をとってくれた女性たちが"Thank you!"と言って、両手でちいさなハートを作ってくれたのにはほっこりした。

いちばん明るくなったのは、女性が"Thank you!!"といって拍手をしながら私たちの前を歩いていった時だ。

でも大半のひとは通り過ぎていく。いくらかの人々はちらりと見はする。デモをしているのを見てどう反応していいか分からないことが多いのだろう。よく分かる。きっと私もちらりと見て気になりながらも、スタスタ歩いて行ってしまうだろうと思うから。

でも、立ってみて感じたのは小さなリアクションでもなにか反応があると嬉しいってこと。そして、そうして連帯を感じられることがデモのひとつの意味でもあると思う。

とはいえ、どんな反応をしたらいいか分からないよね。
オススメは写真を撮ること。写真を撮ってくれると、こちらに関心を持ってるんだなって伝わる。お互いの間に話しかける前のワンクッションができる。
では、何を話したらいい?「ありがとうございます」って言うだけでいい。なんなら、例に上げたようにいいねってサムズアップするだけでいい。何でも良い。あなたの話したいことを伝えたいことを伝えたらいい。

分けて頂いたチラシ

表明する

隣で立っていた方が
「何から情報得てますか?」
と尋ねてくださった。

私は、instagramやX(Twitter)で情報を得ることが多い。関連の投稿やアカウントをフォローしていて、毎日のタイムラインに流れてくるし、デモや不買運動の活動は検索もする。そう話すと、

「そうですよね。テレビでも新聞でもあんまり報道されてないですよね。自分で取りに行かないと。」
「だから、きっと結構みんな知らないんだと思います」

はっとした。私は毎日ガザの情報に触れていた。たとえ少ない情報でも。でも、それは特殊なことなのかもしれなかった。

眼の前を通り過ぎていく人々の中に、「ラファ」と聞いてピンとくる人が何人いるだろうか。

デモをすることは表明になる。当たり前だけど、腑に落ちたのだ。ここに問題が存在しているという表明。変えたいと願う人たちがいるという表明。今までもこれからも(これからが短いことを祈る)表明するひとたちに感謝をしたい。



ただ立っていることのもたらす安心

1時間とすこし立っている間いろんなことを感じ、考えた。最初は胸がつかえて泣きそうだった。立ってみて見えてきたことを受け取りながら、自分が色んな理由をつけてここに立ってこなかったことが悲しくなった。

"FreePalesine!"

隣に立っている方は、近くに人が通ったり、こちらを注視している人が居るとよく通る声を発していた。わたしも言いたいと思いながら、もごもごとしてなかなか言えなかった。

"FreePalesine!"
お隣の人が声を発する。
なんどももごもごするうちに、後に続くようにしてちいさな"FreePalesine"を言えるようになっていった。

立ってみると自分の戸惑いやままならなさがよく見えた。でも同時に、ただ立っていることは私を癒やし勇気づけてくれた。

立っている間、想いを馳せられることの安心。
考える余白をもてることの安心。
連帯する人々がいることの安心。
そういう安心の中に、ちいさな声でも"FreePalesine!"って言ってみる勇気が生まれてくるように思えた。


分からなくても参加する

21時ごろ、そろそろ帰りましょうとなった。カードをお返しする。

「ぜひまた、都合が合えば来てください」
「来ます!」
と力強く言っていた。

私はガザのことをよく知らない。イスラエルもパレスチナも、理解できていないと思う。人に説明できない。SNSで見える現地の動画は痛くて見れず、すぐにスクロールしてしまう。でも、岡真理さんの講義をYouTubeで聴いたり、特集の報道をみたりして分かるのは、今起きているのが虐殺だってことと虐殺は終わるべきだってこと。

いのちが奪われていくことの痛みと土地や文化や生活を虐げられ、奪われることの痛みをもうどれだけ続けてきたのか。

そして、私たちはずっと加担してきているのだ。今、その痛みと自分たちの加担が見えているのに見えないふりをしたくない。

私は何も分かってない。でも、虐殺は止めたい。スタンディングは、分からないままでも立てる。立っていることが連帯となり、表明となる。次のアクションに繋がることがある。

わたしは今日、他の参加者の方からUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)への資金拠出停止の撤回を求めるはがきをもらった。まずはこれを送ろうと思う。そして、イスラエル・パレスチナをまとめたチラシももらった。身近な場所で配ったり置いたりしようと思う。次のアクション。

もし、ガザのことが気にかかりながらも、何も分かっていないからと躊躇する人がいたら、ぜひすこしでも参加してみてほしい。自分自身のためにも。

UNRWAへの資金拠出停止の撤回を求めるアクションたち


できること・情報

私がやってみたことやもらった情報をまとめてみます。

でもその前に大切だと思っていること。自分の生活も大切にすること
わたしは自分の体調やこころが優れなくて情報を見れないときもあるし、スタンディングも今までいけなかった。それに罪悪感や無力感を感じたりもするけれど、無理をしすぎないことは大切だと思っています。自分の生活も大切にしながら関わっていくスタンスです。

・スタンディング@大阪駅
毎日19:00~21:00くらいにスタンディングをされているそうです。
いつ来ていつ帰ってもだいじょうぶ。
場所は、阪急梅田とJR大阪駅の横断歩道の大阪駅側、セブンイレブンの向いです。

・パレスチナを知るキーワード
制作者さんのnote
https://note.com/palestine_key
(毎週日曜日に神戸でスタンディングをされているそうです。)

・UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)への資金拠出停止へのアクション

頂いたチラシ

👇にまとめてみました
署名
外務省官邸へ意見を送る
ワンクリック募金
UNRWAへの直接寄付
⑤まわりのひとたちと話す


つぎへの気づき|歌や詩があったら

私たちの立っているお隣で歌を歌っている人がいた。いわゆる路上ライブ的なもの。その人の歌はあまり上手とは言えない独特の発声とリズムだったけれど、横断歩道を渡る通行人たちは、なんだなんだ?と目を向けていた。そのまま、私たちのカードにも目を向けてくれる人が多かった。
スタンディングデモにも音楽があったら、惹きつけられるんじゃないかと思った。

それから、言葉も。
アートとして見たくなる、読みたくなるようなものを。詩の言葉はいのちを想うことに紐づきやすい気がしている。次は自分でカードを描いていこう。



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