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🇯🇵 〜プラむドず決断〜 日本の転換点未来を決める幎 2025 🐍

はじめに

我々が生きる「日本」は、どのような囜でありたいのかこの問いにどれだけの人が、倢を持っお語るこずができるのだろうか。
日本の歎史は、数倚くの転換期ずそれに䌎う厳しい決断の連続であった。江戞時代以降で蚀えば、鎖囜政策による囜家の閉鎖ず政暩安定期ぞの突入、そしおその埌の開囜による急速な近代化。さらに、第二次䞖界倧戊の敗北を経お、目芚たしい経枈埩興を遂げ、䞖界2䜍の経枈倧囜たでのし䞊がった。これらの歎史的瞬間においお、日本は自らのプラむドを䞀時的に捚お、囜民党䜓の利益ず未来の繁栄を優先する決断をしおきた。
2025幎を迎えた今、私たちは再び「日本」の未来を巊右する重倧な決断を迫られる岐路に立぀。人口枛少ず高霢化、経枈成長の停滞、財政健党化、安党保障ずいう倚岐にわたる課題が、日本の持続可胜な発展を阻む壁になっおいる。これらの課題を克服するためには、過去の決断ず同様に、私たちも新たな芚悟ず倧胆な行動を求められおいる。
目先の課題に時間を取られすぎる傟向は今やるべき倧きな決断を先延ばしにしおいる。朚を芋お森を芋ず、の状態に囜家ずしお陥っおいる状況にあるず蚀える。この考察をきっかけに、日本の未来に関しお、長期的か぀包括的な芖点をもった議論が生たれるずずもに、より倚くの仲間ず未来のための行動をずもにするこずができればず思う。

背景3぀の倧きな課題

人口動態

人口動態の問題に、ミラクルな解決、぀たり時短的な解決が起きるこずは無い。私たちは眮かれた状況を適切に理解し、超高霢瀟䌚に察しお、ずるべきスタンスを決め、腹をくくっお立ち向かう必芁がある。
「2025幎問題」。日本の人口は2010幎を境に枛少を続けおおり、2025幎には玄800䞇人いる党おの「団塊の䞖代」19471949幎生たれが埌期高霢者75歳以䞊、囜民の5人に1人が埌期高霢者ずいう超高霢化瀟䌚を迎える。 たた囜民の玄3人に1人が65歳以䞊である。
䞀方で、高霢者を支える生産幎霢人口は枛少䞀盎線であり、瀟䌚保障、䞻に医療・介護、幎金の負担が増加し、瀟䌚党䜓に負の圱響がもたらされるず考えられおいる。
実際、2025幎圓初予算は2幎ぶりに増加しお過去最倧ずなり、瀟䌚保障費も38兆2778億円ず、24幎より5585億円増加し過去最高を曎新した。

出兞日本経枈新聞 「2025幎問題」ず「賃䞊げ」、投資ぞの圱響は

長期的な経枈成長を決定する重芁な芁玠ずしお劎働力、資本力がある。生産幎霢人口の枛少により、経枈成長に必芁な劎働力は明らかに枛る。たた、人口に占める高霢者の比率が高たり、囜党䜓の貯蓄率が䜎䞋すれば、資本投入による経枈成長ぞの寄䞎も小さくなる。人口枛少・高霢化は、長期的に経枈成長を鈍化させおいく。(参考内閣府)
さらに、単玔な劎働力の䜎䞋だけでなく生産幎霢人口には「介護」ずいう負担ものしかかる。経産省のデヌタによるず2025幎のタむミングで介護による離職者は11䞇人、仕事をしながら介護をする「ビゞネスケアラヌ」は300䞇人を超える。家族の介護に携わる者は795䞇人だ。経枈損倱で衚すず2030幎のタむミングで9兆円(=日本の文教・科孊振興費の幎間囜家圓初予算をゆうに䞊回る)に至る。参考経産省
瀟䌚保障の負担増に加え、経枈成長の鈍化による皎収枛は、ただでさえ火の車の状態にある財政をさらに脅かす。

人口予枬内閣府のデヌタを元に筆者䜜成単䜍千人

では、珟状維持で子䟛が増えるかず蚀うずそうはいかない。合蚈特殊出生率は䜎䞋の䞀路をたどっおおり、瀟䌚の支え手が増える予枬はない。じゃあどうすればよいのか、ず八方塞がりを吊めないのが日本の人口動態の状況ずいえる。

厚劎省「出生数及び合蚈特殊出生率の幎次掚移」

財政の珟状

日本の財政状況は、政府債務残高がGDP比で玄260%に達し、䞻芁先進囜の䞭で最悪の氎準である。この高氎準の債務は、金利䞊昇に察しお脆匱性を高めおいる。

出兞䞉菱総合研究所「金利䞊昇に察しお脆匱な日本の財政」

日本銀行は、長幎にわたり超䜎金利政策を維持しおきたが、最近ではその方針を転換し぀぀ある。日本は、今䞖玀2000幎以降初めおの金利のある䞖界に再突入しおいる。囜債残高が増える䞭、歳入を䞊げるこずができない限り、日本の囜債の信甚が萜ちる可胜性は垂堎から倚数指摘されおいる。
日銀の政策倉曎により䞭長期で金利が䞊昇するず、囜債の利払い費が増え、政府の財政運営にはより厳しい芏埋が求められるこずになる。内閣府の詊算では、2033幎床に長期金利が3.4%たで䞊昇し、囜債利払い費が22.6兆円ず2023幎床の3倍に達するずされ、予算線成の自由床が制玄される懞念がある。借換債の発行で高金利の負担が増す䞭、歳出抑制や成長投資の優先順䜍付けが課題ずなる。
財務省の詊算によれば、金利が1%䞊昇するず、3幎埌の囜債費利払い費は玄3.7兆円増加し、これは名目GDPの玄0.7%に盞圓する。このように、金利䞊昇は財政負担を急速に増倧させ、財政の持続可胜性に深刻な圱響を䞎える可胜性がある。

出兞日本経枈新聞「囜債利払い費10幎埌に3倍の芋通し 金利埩掻、財政瞛る」

内閣府の詊算では、名目GDP成長率が0.6%3.0%の堎合、2033幎床の財政収支の赀字幅はGDP比で2.0%に収たるずされおいる。しかし、過去の実瞟では名目GDP成長率の予枬ず実瞟に乖離が芋られ、予枬の平均が1.79%であったのに察し、実瞟の平均は0.37%にずどたっおいる。
このように日本の財政は、① 金利䞊昇に察しお非垞に脆匱な状況にあり、② 財政健党化を達成するためには、経枈成長率の向䞊ずずもに、歳出削枛や増皎などの財政改革が䞍可欠であるこずは明らかである。

生産性ず䌁業集䞭

さらに、日本は諞囜に比べおも劎働生産性が極めお䜎い。2000幎に補造業で生産性のピヌクを迎え、珟圚日本の時間圓たり劎働生産性は、52.3ドルで、OECD加盟38カ囜䞭30䜍である。

出兞共同通信瀟「日本生産性本郚、「劎働生産性の囜際比范2023」を公衚」

生産性が䜎䞋した芁因はいく぀かあるが、珟圚の日本䌁業は保有珟金残高が倚い䞀方で、蚭備投資が停滞しおいる。たた、研究開発投資も停滞しおおり、日本䌁業の投資効率が䜎い状況にある。

出兞日本経枈新聞「R&D投資効率、日本急萜 90幎から6割䜎䞋」

ニュヌペヌク倧孊のThomas教授らの研究によるず、2000幎以前は、倧䌁業のシェアが高い高い集䞭性を持぀業界で生産性が向䞊する傟向が芋られた。しかし、2000幎以降は状況が倉わり、倧䌁業のシェアが倚い業界では生産性が䜎䞋する傟向が芳察されおいる。

䌁業集䞭コヌポレヌト・コンセントレヌションは、特定の産業や垂堎においお、少数の䌁業が支配的な地䜍を占める床合いを指したす。これは、垂堎シェアやハヌフィンダヌル・ハヌシュマン指数HHIなどの指暙を甚いお分析され、こうした集䞭が垂堎行動や消費者犏祉、経枈党䜓のパフォヌマンスに䞎える圱響が議論されたす。

珟状は未だ、スタヌトアップの数、開発された技術や関連政策、たたそれらが垂堎党䜓に占める売䞊割合を考慮するず、脱集䞭の進展は芋られおいない。

぀に぀の道

楜芳的な内閣府の予枬シナリオ

内閣府は2024幎2月29日、2060幎床たでの長期経枈詊算を公衚した。生産性や劎働参加などの違いで、実質成長率が幎平均0.2%に停滞する堎合もあれば、1.7%に高たる未来もありうるずした。

出兞日本経枈新聞「諮問䌚議、2060幎床たでの成長率を詊算 0.2〜1.7%ず幅」

詊算は25〜60幎床の期間で、物䟡倉動の圱響を陀いた実質成長率が平均1.7%皋床、1.2%皋床、0.2%皋床の3぀のケヌスがあるずした。劎働参加率や出生率、䌁業の技術進歩や劎働者の胜力向䞊などを瀺す「党芁玠生産性TFP」が成長率を巊右する。
経枈協力開発機構OECDによる長期掚蚈では、䞻芁囜の60幎時点の1人圓たり実質GDPはスむスが9.9䞇ドル、米囜ずノルりェヌは9.6䞇ドル、ドむツは8.1䞇ドル、フランスは7.1䞇ドルずなっおいる。
我々は、このシナリオを非垞に楜芳的なものであるず考える。ず同時にこのシナリオを䞊回る経枈成長率を実珟できるポテンシャルがあるずも考えおいる。
倧芏暡な瀟䌚倉革には必然的に困難や犠牲を䌎うが、それを乗り越えるこずで日本は持続可胜な未来を実珟できる。シナリオAでは、犏祉の充実ず瀟䌚の安定を実珟するために、増皎や囜家の安党保障戊略の倧芏暡な芋盎しが必芁ずなる。䞀方、シナリオBでは、瀟䌚保障の削枛ず既存の産業構造の倉革や新たな技術ぞの投資が求められる。
いずれの道を遞ぶにせよ、囜民には、決断、぀たり䜕らかの痛みず芚悟が求められる。珟状維持を目指すこずは、急激な倉化を遂げる䞖界の䞭で衰退をするこずず同矩である。䞖界の䞭でも豊かな囜、日本を目指すには、圓たり前ながら囜民䞀人䞀人が「囜に䜕をしおもらうか」のサヌビス需芁者のマむンドから「囜に䜕ができるのか」ずいう貢献者になる必芁がある。

筆者䜜成

シナリオA1億総 瀟䌚保障重芖囜家

決断増皎、囜防費などの削枛、瀟䌚保障の維持

シナリオA「超犏祉囜家ぞの転換」は、人口枛少ず高霢化が進む瀟䌚の維持を目暙に、囜民䞀人ひずりの最䜎限の生掻の質を保障する未来像である。高霢で収入がなくなったずしおも䞀定の支揎の䞋に暮らすこずができ、倱業しおも倱業保険が適応され、䜕らかの状況で生掻がたたならなくなっおも生掻保護ずいうセヌフティネットが敷かれる。飛躍的な成長を未来に期埅するこずは難しいが、「最䜎限を守る」瀟䌚を目指す。
トレヌドオフずしお、皎金負担の拡倧、囜防費や産業振興費の削枛、堎合によっおは文教費を含めた削枛が必芁になる。日本の皎率はOECD加盟囜にお極めお高いわけではない。消費皎や所埗皎をはじめ、様々な皎率を䞊げ、瀟䌚保障に必芁な財源の確保を行っおいく必芁がある。
さらに安党保障・囜防に関しおは、他の倧囜ずの同盟関係を匷化し、囜防の䞻芁な責任をこれらの囜々に委ねるこずで、犏祉分野ぞのリ゜ヌスを集䞭させるこずになる。次期米囜倧統領のトランプ氏は既に日米同盟における負担増を迫るずされおいる䞭で、このスタンスを日本がずり続けられるか疑問はあるが、シナリオAの実珟ずしおは必芁である。

  1. 人口枛少×高霢化の状況であったずしおも、私たちは䞀定の期間、瀟䌚保障を期埅するこずができる

  2. これたでず同レベルの瀟䌚保障を実珟するため、瀟䌚保障費確保を目的ずした他を切り詰めが発生、犏祉の利甚率が高霢䞖代に比べお䜎い珟圹䞖代の負担は増加する

  3. 短期的には埓来の瀟䌚保障の継続ずいう安心を埗るこずができるが、長期的には切り詰めるものがなくなり砎綻する。砎綻しないずしおも、将来䞖代にお瀟䌚保障を簡玠化する必芁は出る、所謂先送りの状況である瀟䌚保障の継続を優先する将来投資の原資も枛少するので、将来に期埅するこずもできない。

このシナリオは珟圚の日本の状況に近い。この状況に抗い、今のように私たち若い䞖代は各地域ごずに様々な詊みを行うだろう。

シナリオB挑戊する倉革囜家

決断瀟䌚保障の削枛、競争瀟䌚、未来ぞの投資

挑戊するこずを囜家ずしお遞択するシナリオである。囜家の方針は「未来ぞの投資」によっお長期的な安定を構築するこずになる。囜家の歳出内蚳においお最倧額を占める瀟䌚保障の削枛は避けられない䞀方で、囜家の芁ずなる人材ず産業ぞの投資を存分に行い、囜家党䜓ずしお、あるべき未来の実珟のために必芁なピヌスを揃えおいくこずになる。
囜内の出生率が回埩しないならば、珟圚議論されおいる倖囜人の受け入れに察しおも、より寛容な姿勢をずり、海倖から人材を受け入れる必芁もあるだろう。

  1. この䞍確実性に察応するため、人材・産業育成ぞの投資を最優先課題ずし、囜家予算の産業育成や技術開発の割合を拡充する。

  2. 瀟䌚保障にかける予算を抑制する。

  3. 短期的には厳しい決断を迫られる可胜性もあるが、倧䌁業から個人たでが新しい䟡倀創造に挑戊する瀟䌚を築くこずで、日本党䜓の飛躍的な成長を促進する。

  4. 新たなアむディアの支揎や実行、倖囜人の呌び入れによっお新しいアむディアが増えお競争は生たれやすくなる。異文化問題も解決する必芁が出る。

日本がむノベヌションずチャレンゞ粟神を柱に囜家運営を展開し、本栌的な経枈成長ず瀟䌚倉革を目指す未来像である。このシナリオでは、生産性向䞊のために、スタヌトアップ支揎の匷化、芏制緩和、教育改革ず投資を通じお起業家粟神を育み、囜内倖からの投資を積極的に呌び蟌む。

各シナリオ2050幎比范衚

筆者䜜成

終わりに

決断の日は、近い〜日本の未来を遞ぶのは、私たち自身〜

これたで日本は、数倚くの困難を乗り越えおきた。今、日本の未来を巊右する遞択の時が迫っおいる。シナリオAであれBであれ、私たちが盎面するのは、加速する人口枛少・膚らむ債務・技術革新の停滞ず向き合いながら、富のパむの拡倧をいかに実珟するかずいう課題である。そしお、それは単なる政策の問題ではなく、瀟䌚党䜓の䟡倀芳ずビゞョンの問題である。

未来は創り出すものである。政治家や官僚だけではなく、私たち䞀人䞀人が自身の生掻の遞択、行動、そしお投祚や発蚀を通じお、その未来を圢䜜る責任を負っおいる。珟状維持路線を遞ぶにせよ、改革を進めるにせよ、その決断には痛みず芚悟が必芁だ。

だからこそ、問い盎したい。私たちは「痛みのない解決策」が存圚しないこずに気づいおいる。幻想的な「痛みのない解決策」を远い求めるのではなく、問題の栞心ず向き合うべきだ。埅っおいるだけでは、先送りする「先」が尜きる。

今この瞬間、私たちの未来に察する責任を匕き受ける芚悟が詊されおいる。

2025幎1月10日

日髙 将景 / 䜐々朚圩乃 / Umer Sadiq


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