住みにくいと感じる人も住みやすい世の中になるかも?:「インクルーシブネス」という考え方
今日仕事場でインクルーシブネスの話になりました。
私自身、そして私の勤めるクリニックでもとても大切にしている考え方です。
「インクルーシブ(ネス)」って聞いたことがありますか?
”少数派と呼ばれるマイノリティーや心身の障害などで差別されることなく、全ての人が平等に機会や資源が与えられること”(Oxford辞書)
自分の翻訳が悪いのかもしれませんが、「うーん、ちょっと足りない」気がするのです。
日本語では「包括性」とか「包摂性」と訳されているようですが、全然ピンとこないです。
私的な考えですが、
反対の「エクスクルーシブ(ネス)」は、「排他的」で
特別な人たち・一定のグループだけが受け入れられることです。それ以外は仲間外れ 笑
「インクルーシブ(ネス)」は、
すべの人が平等に尊重され、受け入れられること
もしくは、
ダイバーシティー(多様性)が受け入れられること
でもあると思います。
「尊重される」と入れたのは、ただ受け入れられるのではなく、
人種・ジェンダー・セクシュアリティー・心身障害の有無・年齢・出身国など
他者との「違い」を理解しようという誠意や態度が含まれていることが大切だと思ったからです。
今日の会話に戻します。
私の友達はフェイスブックのセラピストのページで憤りを覚えていました。
内容はトランスジェンダーの出産についてのディスカッション。
イギリスの助産婦協会の中にジェンダーを意識した言葉の使い方をサポートするページがあります。例えば「おっぱい」という言葉を使いたくない患者さんには「胸」と表現しましょう。
と配慮をすることが進められています。
「その意味がわからない」と言い出したセラピストがいたそうです。
「私は差別しないし、インクルーシブだ」というにも関わらず
自分はずっと「Breast」という言葉を使ってきたからかえる気は無いと。
クライエントさんがどうしたいかという意見に耳を傾けず、
自分の偏見や意見が正しいと相手に押し付けてしまう
「理解できない」とシャットアウトしてしまう
そこには相手を尊重する態度がありません。
そしてクライエントさんはインクルーシブだと感じるとは思えません。
私たちはみんなそれぞれ違います。
そして理解してもらい、受け入れられたいというのは私たちの中にある欲求です。
私たちは平等にそういう機会を与えられるべきなのに、
「あなたはXXXだから」という理由でその機会をとり上げられることがあるというのが現状でもあります。
それでも
多様性が進む中、
世の中は確実に変わろうとしていると思います。
オーストラリアでは、行政の申請書など書類のほとんどに Male/Female/Other という項目があります。
自分の人称を He/His, She/Her, They/Them も選ぶことができます。(英語で三人称と習いましたが、They/Themは一人称にも今は使われます)
ジェンダー問題だけに限らず、少しずつ理解やインクルーシブネスという考え方が広まっていると思います。
私もまだまだ勉強不足なところもあります。
けれど理解していないときは、するように努力し続けることだと思っています。
インクルーシブネス あなたはどう思いますか?
学校や職場、コミュニティがインクルーシブになれば、より多くの人が住みやすいと感じると私は思います。