時代によって移り変わる食品の良し悪し:「バター」と「マーガリン」から思うこと
今朝は近所の美味しい酵母パンにバターとベジマイトを塗って幸せを感じていました。
いきなりですが「ベジマイト」知ってます?
イースト菌が主原料の塩っ辛いペースト
普通はパンに塗って食べますが、料理にも使えます。
オーストラリアにきた当初はこんなまずいものを好むオージーをおかしな人たちだ!と思ったりもしていましが、気がついたら自分もおかしな人の仲間入りです。
納豆を好む外国人の気持ちが少しわかった気がします。
バター醤油味を思わせるべジマイトとバターのコンボはとても美味しいのですが、「マーガリン」では代用できないと考えるのです。
代用品がスーパースターへ!そして転落
バターの代用品として、安くて保存のきくものとして「マーガリン」が誕生しました。
その昔(私が子供の頃)は、なんでも「低脂肪」とか「バターはだめ!マーガリンが体にいい」と、とにかく脂肪は悪役でした。
(今は炭水化物がそんな感じになってたりもしますが。)
そんな一時のスーパースター「マーガリン」は一転して現代では悪役に転落。
マーガリンはトランス脂肪酸が多い
どういうことか、ちょっとおさらいです。
そもそも基本的に植物油は常温で液体です。
液体を常温で固形にするために水素添加します。この過程で生まれるのがトランス脂肪酸です。
植物油由来のトランス脂肪酸(人工的に作られたもの)は、
►コレステロール・中性脂肪のバランスを悪くする (↑悪玉・中性脂肪)
►血管をつまらせる(↑冠動脈性心疾患にかかるリスク)
►炎症を悪化させる(↑アトピーなど慢性炎症性疾患悪化やリスク)
など健康に悪影響することがわかってきました。
マーガリン、ショートニングなどは原価が安いので、多くの食品に使われています。
びっくりするぐらい色々なものに含まれているので
「自分はマーガリン食べないから大丈夫」と思ったらショックを受けます。
時代と共に移り変わる「悪役」
対する「バター」ずっと悪者扱いされてきました。
今その見方が変わりつつあります。
バターに含まれる
「酪酸」は腸内環境を整えるのに大切な脂肪酸
ビタミンA、D,カルシウムなど栄養素
悪役だったバターがそれほど悪くないと考え直されています。
発酵バター食べたことありますか?
発酵バターは、乳酸菌で発酵されたバターです。
個人的な意見ですが、味が濃厚でとても美味しいです。
酪酸に加えて、乳酸菌も取れるので、ちょっと嬉しいですよね。
普通のバターと比べると値段が高いですが、大量に使うものではないので
もし機会があればお試しあれ。
じゃ、バターが良いのか?
「バターが良い悪い」は、人によると思います。
乳製品を食べられない人(アレルギー・過敏・ヴェーガンなど)もいます。
どちらにしても、大量に食べるものはないと考えます。
私はバターの味が好きす。
なので普段は良いか悪いではなく「美味しい」で選んでいるかもしれません。
油の選び方
「マーガリン」の技術が進み、「トランス脂肪酸が少ない」とか、「健康にいいマーガリン」と言われるものが出ています。
けど、どうしてそこまでしてマーガリンを食べなければいけないのかが私にはわかりません。
値段が安く安定目的で処理された油は商業目的には適しても、体に良いとは限りません。
植物油を取るなら、そのままの液体の植物油を使ったらいいと思うからです。
例えば、良質のエクストラバージン オリーブオイルをサラダにかけたり、パンに浸したり。
避けられないくらいに今は溢れている植物由来のトランス脂肪酸です。
私たち消費者は、だからこそただしい判断を自分のためにしていかなくてはいけないと思います。
まとめ
✤ マーガリンはバターの代用品として誕生
✤ マーガリンはトランス脂肪酸が多い
✤ マーガリンを固形にするために水素添加している
✤ 植物油由来のトランス脂肪酸は
↑悪玉コレステロール&↑冠動脈性心疾患リスク&炎症を悪化
✤ マーガリン、ショートニングなどは原価が安い&多くの食品に含まれる
✤ バターに含まれる「酪酸」は腸内環境を整える
✤ バターはビタミンA、D,カルシウムなど栄養素を含む
✤ 乳酸菌で発酵されたバターなら、酪酸と乳酸菌も取れる
✤ 発酵バターはちょっと高い
✤ バターが良い悪いは、人による
✤ バターは大量に食べるものはない
✤ 油は酸化しやすいので、良質のものを選ぼう
✤ 安定した油より良質の油を選ぼう
最後に
オーストラリアのソールフード、ベジマイトを食べながら、マーガリンではダメなのだ!と考えたことから始まった今日のブログでした。
新しいことがどんどん発見され、今の「常識」もいつ変わるかはわかりません。
けれどそんなトレンドに惑わされず、何千年も私たちを楽しませてくれた食品こそが「本物」だと思います。
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