肝気鬱結とは？症状・原因・改善法を徹底解説

心のつかえ

美咲は今日も終日パソコンに向かい
デザインの修正作業に追われていた。

締め切りが迫る中、次々と上がってくる修正依頼に、内心では
焦りを感じながらも、冷静を装って一つ一つ丁寧に対応していた。
「また、修正か…」 美咲は、小さくため息をついた。
最近、何かとため息をつくことが多くなった気がする。

数ヶ月前から、美咲は身体の異変を感じ始めていた。 まず、以前より気分が落ち込みやすく、些細なことでイライラするようになった。
仕事中、胸のあたりが締め付けられるように苦しくなったり、時々、喉に何か詰まっているような違和感を感じたりすることもあった。
「また、あの変な感じが…」 美咲は、胸に手を当てた。

週末、美咲は気分転換にと近所のカフェに立ち寄った。
「すみません、カフェラテを…」 注文を済ませ
窓際の席に座った美咲は、店内を見渡した。
家族連れやカップルが楽しそうに会話している様子を眺めながら
ふと自分だけが取り残されているような、寂しい気持ちに襲われた。
「最近、全然笑ってないな…」
美咲は、悲しい気持ちでそっと目を閉じた。

その日の夜、美咲は自宅でため息をつきながら、
ネット検索をしていた。

「胸の苦しさ、喉の違和感、イライラ…」 検索窓に
自分の症状を入力し、検索してみた。 すると、いくつかのサイトに「肝気鬱結」という言葉が目に飛び込んできた。
「肝気鬱結…？」 美咲は、初めて聞く言葉に戸惑いながらも
その内容を読み進めた。

翌日、美咲は、以前から気になっていた鍼灸院を訪れた。

「先生、最近、気分が落ち込みやすくて、胸が苦しかったり、喉に違和感を感じたりすることが多くて…」

美咲は自分の症状を詳しく説明した。

「なるほど。脈を診せてください。」

院長は、美咲の脈を静かに触診し、舌の状態を観察した。

「美咲さん、これは『肝気鬱結』ですね。ストレスや感情の抑圧が原因で、肝の気の流れが滞っている状態です。」

鍼灸師は、ホワイトボードに図を書きながら説明した。

「肝は、身体の気の流れをスムーズにする役割があります。
しかし、ストレスが溜まると、その機能がうまく働かなくなり、
気が滞ってしまうのです。この気の滞りが、胸の苦しさや喉の違和感、イライラといった症状を引き起こします。」

美咲は、自分の身体で何が起こっているのかを知り、少し安心した。

「治療は、滞っている気の流れをスムーズにする必要があります。
そして、肝の疏泄機能を回復させます。後は、生活習慣の見直しも重要です。」

院長は、美咲に丁寧に説明した。

「まずは、ストレスを溜め込まないように、意識してリラックスする時間を取りましょう。そして、適度な運動や、好きなことをする時間を作ることも大切です。」

美咲は、鍼灸師の言葉をしっかりと受け止めた。

鍼灸院から帰宅した美咲は、その日から生活を改めた。
仕事の合間に、軽いストレッチをする時間を取り入れ
週末にはヨガ教室に通うことにした。
また、これまで我慢していた好きな音楽を聴いたり
カフェでゆっくり読書をする時間も作るようにした。
1週間に1度は鍼灸院に通った。

数週間後、美咲は鍼灸院を訪れたときには、胸の苦しさや喉の違和感はすっかりなくなり、気分も以前よりも安定していた。

「先生、ありがとうございます。本当に楽になりました！」

満面の笑みで報告する美咲に、院長は優しく微笑みかけた。

「良かったですね。肝気鬱結は、ストレスと深く関わっています。これからも無理せず、ご自身の心と身体を大切にしてください。」

夕暮れ時、美咲は家路を歩きながら、空を見上げた。 以前は灰色に見えていた空が、今日は穏やかなオレンジ色に輝いていた。

「少しは、心のつかえが取れたかな…。」

美咲は、小さく呟いた。

肝の病症︰肝気鬱結って？

• ちょっとした事でイライラする

• 気分が上がらない

• すぐ血が上って怒ってしまう

肝気鬱結（かんきうっけつ）は、東洋医学の病証(病気の名前)で
肝の疏泄（そせつ）機能が失調し、気の流れが滞ることで起こります
主に精神的ストレスや情志（感情）の不調が原因です

主な症状

精神的症状 :

• 抑鬱感

• 意欲の低下

• ため息をつく

• 怒りっぽいなど

身体的症状 :

• 胸脇部や乳房

• 下腹部の脹痛

• 月経不調（月経痛、月経前症候群など）

• 消化器系の不調（嘔吐、げっぷ、胃酸の逆流、食欲不振）

• 咽喉部の閉塞感（梅核気)

• 肩こり

• 頭痛

• 不眠症など

病因

口酸っぱくなるほど出てきますが
肝気鬱結の主な原因は、精神的ストレスや情志の変化です。

じゃあこのストレスが原因で
身体がどうなるか東洋医学的に解説すると