雑木林の雰囲気の域、フランクフルト
少しずつでも考えを進めていきたい内容の記事と並行して、日常のことも記録を残しておきたい。
ほぼ毎日の習慣にしている散歩をしながら考えたことやら気づいたこと。また散歩そのもの。
今日は(自分で設定した)いくつかの散歩コースの中のひとつを散歩した。
このコースでは自宅から少し歩いたところの国道を横断して、国道とその西側1.5キロくらいの距離を並行して通っている高速道路で挟まれた住宅地や農地が入り混じった地域を、蛇行しながらおおまかに楕円形を描くように歩いていく。
ファミレスや大きめの薬局、飲食チェーン店がちょこちょこある国道を横断して、コンビニや個人の飲食店もある西側へ向かう県道へ、またそこから枝分かれの路地にはいっていく。畑の広がりで眺めがひらけて朝日をとりわけ明るく感じる路地から遊具がいくつかと水場のある公園を突っ切って、さっきの県道の裏側を並行して通っている道を住宅地を横目に歩いていくと、そこに高さ3メートルくらいのフェンスで囲まれた、市が管理している雑木林にたどり着く。この林は400メートルの陸上トラックがすっぽりはいるくらいの長方形で、いくつかの名前のわからない種類の落葉樹でその区画が占められており、木のチップが下敷きの遊歩道が網目状になって散策できるようにしてある。
さてこの雑木林、去年の秋の終わりくらいから倒木の恐れがあるとのことで今は閉鎖されている。
ナラ枯れというのは虫食いのたぐいの、木々がかかる病気のようなものらしい。ある種の虫経由で木に病原菌が増殖し、それによって木が水を吸い上げる機能を阻害するようになる、とのこと。
この雑木林ではかなりの数の木にこの症状が見られていたようで、閉鎖されてからしばらくたった2022年の年明けから伐採の作業がはじまっている。(閉鎖されてから、その症状の調査のために1ヶ月以上の期間が設けられていたことにいま気がついた。)
日ごとに林の中の木が伐り倒されて、こんなにも病気にかかっていた木が多かったのか、と半ば信じられないような気持ちになる。昨年の夏だってあんなに緑が生い茂っていた、と。
夏の強い光が照らす県道の裏道を歩いているうちに、ふと視界が若干暗くなっていると感じ、それは雑木林の木々の高さ、葉の量や密度によるものだった。通りを歩いていて、まだ雑木林の足元に辿りつかないうちから林の暗さを感じてその雰囲気の中にいた。このくらい離れていても、もう林なんだなと思っていたんだった。
来年の夏にはその感じを得ることが出来なくなるかもしれないことを今からさみしく感じている。今だからこそのさみしさかもしれない。いつか全然別の場所で、何かの拍子にあの雰囲気の中にいたことをノスタルジックに思い出すことになるかもしれないとも思った。
散歩のちょうど折り返しになっている林を、フェンスごしに作業を見ながらついでに今の状態の写真をとってから通り過ぎて、県道を渡って住宅の多い路地にはいっていった。その帰りの道すがらコンビニでフランクフルトを買い、この食べ方が一番うまい、と歩きながらかじって、食べ終わった串を紙にくるんで上着のポケットにしまった。朝の散歩の途中で買い食いをしたのを奥さんにバレないように、フランクフルトの串を包んだ紙をこそっとゴミ箱にいれる自分の姿が思い浮かんだ。
少しずつでも自分なりに考えをすすめて行きたいと思っています。 サポートしていただいたら他の方をサポートすると思います。