結局はカレー【みんぱく12月】
はじめましての人も、
前から知ってる方も、
ごきげんよう。
偏光です。
しかし敬愛し承服すべき、
華麗なるカレー。
またの名を混沌。
(文字数:約2700文字+イラストまとめ3枚)
お昼を食べる場所に困る
以前にも書いた情報だが、
みんぱく(国立民族学博物館)の館内は、
飲食厳禁だ。
飲み物も、
アメやガム類もだ。
なぜならなかなか度胸が据わった、
暴露展示に踏み切っているからだ。
世界各地から収集した、
貴重な資料の大半は現物が、
館内の空気に晒されっぱなしだ。
誤って何やらこぼしたり、
甘い匂いなどで、
虫など寄って来られても困る。
そして併設のレストランは、
通うとなるとそこそこお高い。
従っておにぎり2、3個や、
お弁当を用意して、
地下の飲食可能エリアまで移動して、
食う。
研究者たちが利用したりもしている。
休憩中ですので、
話しかけに行ったりなどしませんが。
南アジアの立地が不便
みんぱくの本館を、
何度か鑑賞してみた人でも、
南アジアのコーナーは、
記憶に残っていないか、
見逃しているかもしれない。
本館特別展が開催されていない間は、
コーナー入り口までの通路が、
封鎖されている。
方向音痴の私なんかは、
一、二回ほど本気で迷った。
たどり着いたらまずは、
「世界の椅子」コーナーがあって、
そりゃ座ってみちゃうよね。
ちょっとほっこりするんだが。
まずは宗教のごった煮がどどん
そして私は先祖が農業民だからか、
インドの諸宗教が一ヶ所に、
寄せ集められ並べられた眺めに、
血湧き肉躍るような、
テンションの爆上がりを覚えてしまう。
しかし普通そこまで詳しくなければ、
宗教系は気持ち悪く感じる方も、
いるだろうと思うのでまとめ。↓
「仏教にカレー粉がかかった」
と表現される事も多いヒンドゥー教だが、
正確には、
「ヒンドゥー以前のバラモン教から、
カレー粉を除いたもの」が仏教だ。
以下、
細かすぎる情報をキーワードのみ。
興味無い人は読み飛ばしていいよ。
アグニ信仰(火の神:ワシの姿)
ナークデーヴター(蛇の姿)
モノシャ神はちょっと謎。これも蛇っぽい。
ラクシュミー
ジャガンナート・スバドラー・バララーマ
→この辺もヴィシュヌ系らしい。
聖アントニオはイエスを抱いて、
百合の花と本持ってる。
サリーを着た聖母子像。
スリランカは上座部仏教、
ネパールは大乗仏教。
仏像は釈迦や阿弥陀に観音だけど、
日本の姿とやっぱどっか違う。
ダーキニー女神(空行母)は人気で精巧。
日本では荼枳尼天だね。
ゾロアスターの祖はナーナク。
15歳までに入信式を行う。
トラックやバス、リキシャの、
運転席用お守りが各種様々。
生業には興味ありあり
何も農漁業じゃなくても、
地域特性ごとの人々の生活、
生業が私は大好物。
ヒマラヤやカラコルムの高地では、
夏放牧、冬牧畜の移動農牧。
家畜はヤクや牛、ヤギ、ゾ(牛雑種)。
ヤクはミルク取れるから、
チーズにバター作れるし、
毛織物でテントだって作れる。
ククリと呼ばれるナイフが私のツボ。
牧草切りに鋤、木製車輪の車とかでかい。
牛とかに轢かせるからな。
漁業はノスタルジー、
筌とか魚籠とか、
たも編み、すくい網。
砂金採りに金細工職人もいるよ。
職人の机と道具ひと揃い。
(基本カーストの影響で分業制。)
肩掛けの留めピンとか、
ビンロウジ割りは、
日本では見かけないよね。
ネパールの女性は、
ビーズの首飾りを良く使うらしく、
ビーズはベルギーや日本から輸入。
チェコや中国製もある。
クリケット選手のユニフォーム。
パキスタン・インド・ネパールの、
ナショナルチームの物。
アーユルヴェーダもちょっとだけ展示。
ダンヴァンタリ神を祀って、
ピッタ(熱)・カパ(体液)・ヴェーダ(風)
の三種類を整える健康法。
途中から結婚式行列にもなっている。
婚礼時に贈られるガネーシャ神のポスター。
戸口飾りは花嫁の家に置く。
花婿側がブラスバンド連れて、
行列作って訪ねに来るそうな。
花嫁の後見人は母方のおじ。
靴とか肩掛けとかヘナによる化粧とか。
サリー詰めた衣装箱が花嫁道具。
ラストはひたすら染織だ
これでもかってくらいに、
染織知識と布展示がびっしりだ。
もちろん私は一枚一枚を、
じっくりと見る。
こちらも展示資料が膨大なので、
キーワード的にまとめます。
絹糸:カイコガ、ヤママユガ
野生種(ムガ・タサール・エリ)
イラクサ、木綿、綿、
ヤク毛にカシミヤ羊も使う。
宮廷じゃ貴石とか雲母も、
装飾刺繍に組み込んでたそうだが、
さすがに現代はガラスミラーやビーズだ。
他レースやタカラガイ。
アリ、という先がカギになった針で、
独特の刺繍をする。
染色にはアカネ、アイ、ウコン、ザクロ。
ミロバランの果肉や、
アリザリンにインディゴは染料。
平織・綾織・繻子織
紋織・縫取織・綴織
絣……グジャラート州のパトラが繊細。
サリー専門ブランドとかある。
ペイズリー柄が定番人気。
パン用の掛け布とかあるんだ。
木綿の捺染布アジュラクが、
更紗と呼ばれて日本に輸入されてた。
極薄木綿布はモスリン。なつかし。
ターバンは現地ではラハリア(波)。
聖地ヴァラナシ(ベナレス)は、
サリー産地としても有名だった。
(残念ながら過去形。)
カーンチープラムは、
高級シルクサリー産地。
一方で手紡ぎ手織り布、
カーディーを国民のシンボルとして、
(女性のサリーに対して、
男性は腰布ドーティー)
独立運動を展開していたのが、
ガーンディーです。
だから民族的生業って侮れないのよ。
おまけのアドベントカレンダー
長野県の白骨温泉(配偶者チョイス)。
ちょうど豪雪で外出不可になったのだが、
おかげでみっちりマッサージ受けたり、
蕎麦屋のカレーを出前したり、
宿自慢の混浴風呂を堪能したり、
贅沢な時間を満喫できた。
以上です。
ここまでを読んで下さり有難うございます。