コルテス私を連れてゆけ【5月みんぱく】
はじめましての人も、
前から知ってる方も、
ごきげんよう。
偏光です。
ピサロも同様に土下座を続けて、
額くらいは割りなさい。
(文字数:約2800文字+落書き4枚)
他人様は華麗に置いて行くぜ
♪恋しちゃったんだ 多分
気付いてないでしょ
(YUI 『CHE.R.RY』)
って気付くわけねぇよな。
所狭しと置き並べられた無機物だからよ。
とは言え他人様はいざ知らず、
この私は週末の予定が週明けから楽しみという、
まるでデートのようなウキウキ気分で、
国立民族学博物館(みんぱく)の、
本館展示に向かうのです。
しかしながら今日はちょっと事情があって、
17時頃には自宅に帰りたい、となると、
ドアtoドア約2時間なので、
15時にはみんぱくを出なければならず、
更に大阪市内の大動脈である、
大阪メトロ御堂筋線を使うとなると、
平日の通勤・通学時間ピークに、
かぶせるなどまっぴら御免であるばかりか、
通勤・通学者側にだって御迷惑なので、
それは30分ほどずらしますよね。
結果10時半から15時まで、
昼食込み4時間半に狭められてしまったが、
館内にいる間は見倒しちゃうからね♪
パチャママのお出迎え
本日の目当ては館内エリアA-2の、
アメリカなんだよ。
しょっぱなから、
都市ボーイズはやせやすひろさんの、
呪物でお馴染みパチャママが御坐すんだよ。
いやーんもうめっちゃ怖いー♪
だけど恐怖じゃないの畏怖なのー♪
だってこの御方リアルに神だものー♪
私ごときがその造形をスケッチする事自体、
畏れ多い気が致しましたので
(あとなるべくなら皆様にも、
現地にて現物を観て頂きたいもので)、
なるべく文章で説明します。
えっとね。
頂上にコンドルが留まって、
中腹からは女性の頭が突き出した、
山のふもとの大地から、
巨大な両手が突き出していて、
右の手から羊(リャマかアルパカかも)、
左の手からトウモロコシが湧いている。
羊(またはリャマかアルパカ)は、
生物であるためか手のひらの上で、
眠っているかのように横たわっているけれども、
トウモロコシは手のひらから湧き出しこぼれて、
ふもとにまであふれまくり。
どれほどの力を持つ、
どういった存在であるかが、
めっちゃ分かりやすい。
(ってか私も日本におけるこの方みたいな存在を、
自作の小説に出してるよな(・∀・)こっそり)
これ現代の作家が作ったアート作品だよw
とかざっくり観ただけで語ってくれるなよ?
先祖から伝え聞かされてきた伝承を、
調べまくった上で造ってるに決まってんだろ。
アステカ暦石(いわゆるマヤ・カレンダー)
アメリカエリア中盤あたりの、
壁面いっぱいにどどんと掛けられていて、
一時期マヤ暦にどハマりしていた私は、
ものすごくテンションが上がる。
もちろん複製品なんだが、
「複製品ばっかりじゃん」と言う声も、
他の鑑賞者からちらほら聞こえてきたが、
それでなんの問題があろうか。
ほぼ正確に複製してくれた方がいる、
という事だからな?
アメリカと言っても「大陸」だから
めっちゃ広い上に、
気候はツンドラから熱帯雨林まで。
って事は植生も食べ物も着る物も様々。
他、イラストからはもれたメモ
・マヤ、アステカ ー 1521年コルテス征服
・インカ ー 1532年ピサロ征服
17〜19世紀は奴隷貿易
いや。分かってる。
お前ら個人が悪いわけじゃない。
また実際にタイムマシンに乗って、
現地入りを試みたところで、
言語も通じない東洋人年配女性に、
何が出来るものか。
それはそれとして惜しまれる。
西欧世界は思いもよらなかった、
激烈面白い独自文化が、
今現在知れてる以上に盛り沢山に、
存在していたはずだぞ?
・ロシアと交易(ラッコの毛皮あげて紺色ビーズもらう)
・インゲンマメにしてもトウモロコシにしても、
日本で考えているよりはるかに品種が多い。
・サトウキビ圧搾機の映像(2分40秒 2010年)
・クロー(大平原居住民族)……ビーズ装飾得意
・シピボ(熱帯雨林居住民族)
・アーミッシュ・メノナイトの人々は、
男女ともにシンプルな無地の服を着ると決めている。
・ティポイ(ボリビアの女性用民族衣装)
・ワイ(ペルーの舞曲)
・ハイダの人たちは紋章入りのマントを着て、
ポトラッチ儀礼に参加する。
・アンデスの楽器、ケーナ(笛)、サンポーニャ。
・織機の映像6種(メキシコ1、グァテマラ5)
ほとんどが綿の腰機や高機だけど、
リュウゼツランの繊維を使った竪機珍しい。
・アンデスの暦 ー 祭りの様子とかあって面白い。
・祈願用奉納物(ex-voto)って名前があった。
・コルデル(民衆本)のタイトル、
『プロテスタントとマケンバ信者』
『ダミアン神父とランピオン』
むしろマケンバやランピオンが何者か気になる。
・トーテムポールも3本立ってんだよ。
(みんぱくの入口外にも2本立ってんだよ)
家を象徴する柱。祖先の功績とか装飾して墓にも立てる。
・毛糸絵『ペヨーテ(サボテン)を食べた時のヴィジョン』
・アヤワスカはやってみたい。
もちろん必要とされている物凄い修行を経た上で。
そのくらい経なければやっちゃいかん。
・ホピの銀細工はオーバーレイ(重ね合わせ)技法で有名
1960〜1970年代に芸能人が身に着け始めて、
一大ブームになってくれたけど、
先住民保留地に就職口が無いから、
生活のために身につけた技術だし、
そもそも祖先の霊が(結構頻繁に)会いに来るので、
見すぼらしい格好してたら彼らが悲しむから、
身に着けてる宝飾品だしね。
・ジェロ・ロマベンティマの製作映像(6分27秒 2010年)
・祖先霊は「カチーナ」と呼ばれてて、
キリスト教世界では悪魔扱いされてるけど
あちこちでこっそり作り続けてる。
・見た目真っ白で綺麗っぽい呪具(もちろん複製)。
顔が描かれていて精霊らしい。
呪いたい相手の家に埋めると悪い事が起きる。怖。
・チュルカナスのやきもの製作映像(6分38秒 1994年)
①粘土を水に溶かして濾して灰混ぜて熟成
②手でたたく(たたき成形)
③手づくね(紐状粘土で細部成形)・線彫り
④彩色と磨き
⑤感想と焼成
⑥ネガティブ装飾(色を変えたくない所を、
粘土で覆ってから燻す→粘土を洗い流す)
以上です。
ここまでを読んで下さり有難うございます。