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偏光のちょっとだけ得をした話

 関係者様にははじめまして。偏光です。
 みょーさんの第七回『ちょっとだけコンテスト』に、
 ちょっとだけ参加しようと思います。

 ちょうどお題っぽいエピソードがございましたので。
(約590文字)


 雨女や晴れ男ほど広く知られても話題にされてもいないが、ふらりと入った飲食店等がかなり寂しい閑古鳥状態、店員さん達もヒマそうに切なそうにしていたにも関わらず、
 食事を終えて店を出る頃には活気に満ち溢れ、時に行列まで出来ていた経験は無いだろうか。
 付き合い立ての配偶者は店を出て少し歩いてから、
「ちょっとだけ自慢したいんだけど」
 と、どや顔を決めつつ言ってきたものだ。
「実は僕、自称招き猫なんだ」
 それに対して私はニヤリと笑みつつ、
「申し訳ないが、私もだ」
 と返したのだが。

 おかげでなのか分からないが芸能人でも何でもない我々夫婦が、飲食店で顔をさされる率は結構高い。
 頼むメニューも概ね把握されており、入店した直後から厨房にオーダーを通す声が飛んでいる。
 会計の際にも店員さん達は笑顔で、厨房からもお辞儀をしてくれたり割引券を出さずとも割り引いてくれたり、デザート等ちょっとだけサービスしてくれる店もある。その都度当たり前には思わず礼を言う。
 もちろん良い店は誰にでもそう、かもしれない。しかしもしかして多少なりと有意差が見られるとしたなら、我々は飲食店と食事全般に、常に敬意を払っている。
 食の神にだけは祝福されているかもしれない。

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偏光
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