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地域コミュニティを「進化論」と「DAO」で守る

ちょっと、大袈裟な、「気を引く」表現に見えますか?
でも、今起きているweb3のムーブメントを伝えようと思ったら、この表現は「あながち」大袈裟ではないと思っています。

私はこの本を読み進めながら、

「ブロックチェーン技術」を用いたDAOというツールと、この「ダーウィンの進化論」から導き出された「CDP1~8」の「失敗と成功を分かつ八つの中核設計原理」と表現された「手法?」を掛け合わせることで、今までより一層「進化論的」にコミュニティが成長するということが出来るのではないかと思い始めました。

「リンのデータベースに記録されているグループのすべてが、トルコの漁師ほど資源をうまく管理できていたわけではない。一九七〇年代以前のトルコの漁師のグループと同様、失敗したグループもある。

彼女の業績の偉大さは、失敗と成功を分かつ八つの中核設計原理(core design principles=CDPs)〔以後、八つすべてを示すケースでは複数形のsをとってCDPと表記する〕を引き出したことにある。
これらの原理はいかなるグループにも必要とされるものだが、独力でそれを見出したグループは少ない。  能書きを並べることは控えて、八つのCDPを解説しよう。以下の一覧を読みながら、自分の属するグループがその要件を満たしているかどうかを考えてみよう。」

この引用文の中の「八つのCDP」という「上手くいったグループ」と「そうでないグループ」を分かつ「中核設計原理」というものが、

「進化論」から導き出された私たちの社会を「人間らしく進化させる」ツール(手法)

という見方が出来ると思いました。

この「八つのCDP」の引用は避けますが、(是非本を読んでみてください)

近隣社会 
近隣社会とは、互いに近接して暮らしている人々のグループを指す。現在では、いとも簡単に境界を越えることができるので、近隣社会はかつてより重要ではなくなった。とはいえ、子どもの成長という点で、あるいはおとなであっても質の高い生活の確保という点で、その重要性は依然として失われていない

「バッファロー市ウエストサイドの荒廃した地区を本拠とするウエストサイド近隣共同体(WSCC)は、ブロッククラブと呼ばれる小ユニットを形成することから活動を開始した。ブロッククラブでは、一つのブロックの住民が定期的に集い、会話を楽しみ、空き地の清掃、公園の維持などといった多大な負担にならない課題を実践している。」

『社会はどう進化するのか――進化生物学が拓く新しい世界観』
(デイヴィッド・スローン・ウィルソン, 高橋洋 著)より

私は自分が住んでいる地域というものが、この先もより住みやすく、安全であって欲しいと願っています。
しかし、今までのように、地域の環境を地域行政に任せておけば、それで良いという時代は終わりを迎えていると思います。

国内でも、「限界集落」と言われる地域や、地方自治体でも財政が苦しい所は、地域の住民たちがその地域を守るために、自分たちで考え、力を出し合って、地域環境を守る活動を開始している事例は既に多くなっています。

そういう事例を番組などで聞くたびに思うのは、そういう「地域を守る活動」を実践し始めた地域では、その地域に愛着を感じ、安全に住むための努力をする中で、コミュニティとしてそれまでとは違った「活気」というものが生まれているように見えること。

確かに、税金を納めたら、あとは行政が色々と考えてやってくれるのは便利です。でも、長年そういうことで私たちが地域に「無関心」でいると、「無駄」であったり、地域に目が行き届かないことは多くなります。

ゴミ問題、空き家問題、子育てに関する悩み・・・、問題はいくらでも。

これらを「お金」の力だけで解決するのはもう限界。

ならばどうするのか。

それがこの本でも取り上げられている「コミュニティ」の力で、その「コミュニティ」が社会変化に適応して変化するのには、「進化論」から見た「ツール」が適用可能であると・・・。

この本を読み進めて私が理解したのは、そんな感じのことなのですが・・。

web3のムーブメントは、ブロックチェーン技術を使った「DAO」というツールをどのように「コミュニティ」に活用するのかを考え、大きな「技術革新の波」で今後起きる様々な問題に「立ち向かおう」ということだと思っています。

そして今回、コミュニティメンバーに薦めてもらって読んだこの本、

『社会はどう進化するのか――進化生物学が拓く新しい世界観』

この「ダーウィンの進化論」は、長く誤解され、人間に適応して考えることをしていなかったようですが、最近は新に様々な研究がなされているようです。

そして、読んでみて思ったのは、今私が所属しているにコミュニティで実行されていることとも、とてもリンクしている気がしました。そして、この本に書かれていることが上手く機能している気がするのです。


この本は、現在の社会システムを「必要以上の規制」で縛って良くするというのではなく、人間という生物が「グループ選択」という進化の過程で得た「特性?」を活かして、なるべく「自発的」に良い方向へ向かっていくようなシステムを社会問題に適応してみようということなのだと思いました。

より大規模な社会で効率的に行動するためにも、うまく機能しているグループの存在が必要になるからである。自分のした行動について知る、理解のある他者に囲まれていなければ、個人として繁栄することは非常にむずかしい。また、価値ある目標の追求にまい進するグループの一員でなければ、自分の目標を追求するために必要な決意も資源も得にくくなる。

この文章を見つけたとき、この春から「Discord」というツールで、ある程度「閉じられたコミュニティ」に参加し、自分も発信するということを始めてみて感じていたことを「表現」してくれていると感じました。

この本は、「学校」「地域」「組合」など様々な事例や、個人、グループ、グループが集まった社会など、様々な視点、レイヤーでこの「進化論」から導き出されたツールがどのように機能しているかの事例を紹介しています。

そして、人間の進化の特性をもう少し理解すれば、社会の問題解決に役にたちそうだということは思いました。

でも現実はそうなっていない。

そこに登場した「ブロックチェーン技術」でのDAOというコミュニティ運営のツール。

web3 DAO ×
進化論から導き出された人間の特性を元にしたツール(CDP1~8)

この二つを掛け合わせて、この先何か生まれて欲しい。
CDPを実現するのに、ブロックチェーン技術やDAOは、とても使い勝手がいいものに思えます。

DAOというツールで、八つの「中核設計原理」が「設計」しやすくなる!

少なくとも、その方向を最大限、

思考・指向・志向

していくべきだと感じさせてくれる本でした。

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