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岩盤浴体験記 七緒栞菜
基本的に「サウナ」というものを信用していない。諸説あるとは思うが、私個人の考えとしては、あんなに体を温めたり冷やしたりして体に良いはずがないと思っている。(異論は認めます。)
近頃、全身の体調があまり優れなかった。おそらく気圧からきている頭痛、同じ姿勢を続けていることによる慢性的な背中の痛み、たまに痙攣する右まぶた、満身創痍である。心の調子はかなり安定しているのだが、なぜか体がついてこない感じだ。だから、体をいたわりたかった。体を温めて外気浴をするのが気持ちいいことくらいは、露天風呂の経験上、理解しているつもりだ。そう思って「岩盤浴」へと足を運んだ。きっと、「サウナ」よりずっといい。(異論は認めます。)
岩盤浴には高校生の頃に友人と一度だけいったことがあるが、記憶はほぼない。その時にいった岩盤浴は温まった板の上に横たわるスタイルだった。名のごとく、岩盤。だが、今回訪れたお店は温められた砂利の上に寝転ぶタイプだった。これが気持ちがいいのなんの。
扉を開けると、もわっとした温かい空気に包まれる。室内の温度がそれほど高くはないため、息がしやすい。深く息を吸うことができる。
「じゃっ、じゃっ」と音を立てて足を少し沈めながら、寝転ぶ場所まで進んでいく。足の裏に感じる温かい小石たちと心地いい砂利の音に癒される。
砂利の上に寝転ぶ。以前経験した岩盤浴のように板の上に寝ると平面に体を横たえるため板と体の接地面積が少なく物足りない気がしていたのだが、砂利の上に寝転ぶと体に沿って石の温かさを感じられる。たくさんの小石が体を受け止めてくれるような感じで、少し体をぐいぐいっとうずめると包まれているような感じだ。
体から大量の汗が吹き出す。心臓の鼓動が大きく聞こえる。体って生きているんだなあという、当たり前のことを当たり前に確認する。それと、最近汗をかいておらず、心臓の鼓動が早くなるような運動をしていなかったことも。
体調不良の要因は、自らの身体を生き物としてはたらかせていなかったことかもしれない。もうちょっと汗をかいたり、体を動かしたり、しなきゃな。