回想
朝から小雨が降っていた。
もう3月にも関わらず、空気は冷たい。
出勤時間まで余裕があったので、コンビニで缶コーヒーを買って飲む。
突然頭によぎったのは、幼い頃に父親と行ったサービスエリアで温かい飲み物を買ってもらった記憶。
薄暗く冷たい空気、人はまばらにしかおらず、少し遠くを走る車の音がよく聞こえる。
湯気と白い息が消えてゆく。
なんてことない情景を、こんなにも鮮明に思い出せるものなのかと少し驚いた。
短いノスタルジーに浸り、仕事場へ向かう。
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