HSPを自覚して

最近、HSPについて特集されるメディアをちょくちょく目にするようになった。

HSPとは、一言で言うならば「繊細さん」。音や周りの空気など様々な物事に敏感であり、気づかなくていいことにまで気づいてしまう。

私はHSPという言葉自体を、最近になるまで知らなかった。ふと何かのタイミングで知り、調べていくにつれて、自分にすごく当てはまることに気づいた。HSPを自覚することで、少なくとも私は格段に生きるのが楽になれた。

周りの人よりも落ち込みやすく、よく言われる言葉は「気にしすぎだよ」「考えすぎだよ」。そういうことを言われると、勝手に頭の中でさらに考えてしまう。恋愛においても悪影響を及ぼしているのか、人と深い関係になることが怖くなって付き合えなくなった。重い性格も加わり、極度に気にしすぎてしまう自分のことが嫌いだった。

もちろん、HSPを自覚したことで、性格や考え方を変えられたわけではない。好きになれたわけでもないし。

自分の性格や感じ方に嫌気がさしていた私は、もはや何かの病気であってほしい、と何かに責任をなすりつけて安心したかったのだろう。頻繁に精神病や発達障害についてネットで調べても、当てはまる特徴があってもしっくりくることはなく、収穫は毎回ほとんどなかった。

だから、HSPの存在を知ったときはパズルのピースがはまったかのような感覚を味わえた。どこかでホッとした。

5人に1人がこの症状(症状と表記していいのかはわからないが語彙力不足のためこの表現を使う)を持つとされているが、率直な私の感想は、「本当にそんなにいるの?」であった。

私が今まで出会った人の中でHSPを感じさせる人は、片手で数えられるほどの人数だったからだ。HSPを公言すれば似た人は集まると思うが、私だけだろうか、どこか「甘え」てしまっているようであまり人に言うことは出来ない。

たとえば私は人と関わるとき、意識せずとも相手の顔色を伺い勝手に気持ちを予想し、本人が求めていない気遣いやおせっかいをしてしまい、それでいて自分は疲れてしまうということが多々ある。「気にしなければいいだけの話だよ」「頼んでもないのに勝手に気を使われて勝手に疲れられても」と思われても仕方がない。また、テレビでHSPについて特集されていたとき、Twitterを見ると想像通り「結局は甘え」という意見を有する人が少なくなかった。また、公言したところでHSPでない人にとっては理解しがたい面も多いだろう。

だから私は、今までHSPを人に打ち明けたことは3回しかない。HSPの人と接する機会があまりないせいか、この回数が少ないのか多いのかはわからない。

1人目は、片思い相手。前の恋のトラウマもあってか好きな人には弱さを見せたくないし、マイナスかもしれない情報は言わないほうがいいと考えていた。だがなぜかその人には言えた。後々考えてみると、基本的に否定せずなんでも受け入れてくれる、床暖房のような彼に打ち明けたのは正解だっただろう。深堀せず、いい意味で適当に返してくれた。下手な気遣いや同情よりも、力の抜けた対応に心が救われることが何度もある。

2人目は、幼馴染。ずっと仲が良く、どこか私と似た部分を持っている子で、もしかしたらHSP仲間では?と淡い期待を抱き話してみたのだった。だがその子はHSPという言葉すら知らないし、もちろん受け入れてくれたもののその子は当てはまらなかったそうだ。ただ打ち明けたことで優しいその子は色々調べてくれて話もたくさん聞いてくれた。

3人目は、一番仲がいいと言っても過言ではない友人だ。その子とは、あまり真面目な話をしないで、一緒にいるときはほとんどふざけあうような関係。だからわざわざ改まって打ち明けることもないと思っていたのだが、何かの拍子で「HSPと気づいてから少し生きやすくなった」と言ったところ、その子自身もHSPに悩んでいたことが発覚したのだ。一緒にいる時間が長くても気づかなかったため正直驚いた。

繊細さんだと思っていた人がそうでないこともあるし、何も気にしていなさそうな人がHSPであることもある。5人に1人というのも本当なのかもしれない。

HSPは無意識に細やかな気遣いができるし、人の気持ちを察しやすい。そのおかげで確かに周りの人間関係には恵まれてきた。

ただ、HSPを一言で表せと言われたら、正直「生きづらい」と言いたくなる。

本やネットにはHSPについていいことも多く書かれているが、私からしたら、毎日触れる様々な刺激、テレビの2倍速並のスピードで考えてしまう脳、いや生きづらい。

まぁ生まれ持った性質であるし、個性だと認めてポジティブに生きるのが一番いいのだろうけど。

収拾がつかなくなってしまった。別に何かを訴えたいわけでも共感されたいわけでもない。ただ何かを書くのが好きだから、これからも自己満足で思ったことや感じたことを書いていこうと思う。

うーんでも誰かの心に響いたらいいな。もっとちゃんと考えて書けばよかったかな。

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