心筋梗塞と心不全
【前置き】
心不全患者さんは年々増加傾向にある。高血圧、心筋症、先天性心疾患、不整脈、心筋梗塞、弁膜症など心不全の原因は多岐にわたる。治療の発展で心筋梗塞後の救命率は上がったものの、反対に重症の方でも生存できるといったパラドックスが生じた。
【心筋梗塞の器質的メカニズム】
心筋壊死→梗塞部伸展→梗塞部瘢痕化、肥大・拡張
【心不全による代償メカニズム】
心拍出量低下→交感神経、RA系活性化し代償機構→心拍数増加、心拡大、心臓刺激ホルモン→心臓への過負荷・傷害→慢性心不全
【心不全の主な症状】
・労作時息切れ
・発作性夜間呼吸困難
(浮腫んだ足に溜まった血液が血管に戻り心臓の大きな負荷がかかる、安静によりアドレナリン低下、尿量低下により生じる)
・起坐呼吸
【セルフチェック】
・脈圧の低下 収縮期血圧−拡張期血圧 正常値:40〜60
脈圧÷収縮期血圧 25%以下は要注意
・心拍数の上昇 正常値:50〜100 安静時は70未満
・四肢冷感
・下腿浮腫
・体重増加
【心筋梗塞後の評価】
・心電図→不整脈の有無、心負荷の程度
・レントゲン→心胸郭比(正常50%未満)、胸水
・心エコー検査:梗塞部位、心機能、弁など
・BNP:脳性ナトリウム利尿ペプチド
心臓内圧力が高まると上昇し血管拡張(後負荷軽減)、ナトリウム利尿→体液量の減少(前負荷軽減)→心血行動態の改善
・心臓MRI:サイズ、心機能、組織変化
・CAG:狭窄確認
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