「生きづらさ」の18個の型:生きづらさの根源に向き合うスキーマ療法より
自分の生きづらさは一生解消しないのかもしれないと悲嘆に暮れる時があります。経営コンサルタントの大前研一氏は「人間が変わるには3つしか方法がない。時間の使い方か、付き合う人か、住む場所を変えるかだ。決意を新たにするのが一番ムダだ」と話したと言われますが、どうもそのあたりが変わっても生きづらさは変わらない。こんなことはないでしょうか。
本記事ではスキーマ療法を参考に、技術的な工夫や表面を変えるだけではアプローチできない「人生レベルの深い困難」に向き合うための考え方を一部紹介します!
生きづらさの18の型?
今回はスキーマ療法という心理療法の「18の早期不適応的スキーマ」について紹介します。(スキーマ療法とは?は文末にあります、気になる方はご覧ください!)
スキーマと、早期不適応的スキーマとは
18の型をご紹介する前に、「スキーマ」そして「早期不適応的スキーマ」についてです。
「スキーマ」は心の深い部分の傷つきやずっと抱えてきた生きづらさなど深いレベルの認知のことです。これは、傷つき体験によって形成されます。しかしそれは、必ずしもドラマティックで壮大な体験だけではありません。塵も積もれば山となるような小さな傷つき体験が重なって、スキーマが形成されます。
スキーマそれ自体は悪いものではありません。早期不適応スキーマとは、例えば幼少期などに形成されたスキーマが、今となってはネガティブな影響を生活や人生に及ぼし、生きづらさの根源となっていることを指します。
中核的感情欲求
中でも、人間として自然な欲求が満たされたないことで形成されるとも言われ、その自然な欲求を「中核的感情欲求」と呼びます。
人間として自然な欲求をアメリカ心理学者ジェフェリー・ヤング氏は以下のように挙げています。
これはどれも当然生じる欲求に思えます。ここからは、中核的感情欲求が満たされない体験の積み重ねで、どんなスキーマができるかを18個見ていきます。どれか一つを選ぶものではありません。基準などもあまり考えずに、これは自分にどれくらい強いだろうかと問いかけながらご覧になってください。
1.見捨てられスキーマ
2.不信・虐待スキーマ
3.愛されない・わかってもらえないスキーマ
4.欠陥・恥スキーマ
5.孤立スキーマ
6.無能・依存スキーマ
7.「この世には何があるかわからないし、自分はそれらに最も簡単にやられてしまう」スキーマ
8.巻き込まれスキーマ
9.失敗スキーマ
10.服従スキーマ
11.自己犠牲スキーマ
12.「ほめられたい」「評価されたい」スキーマ
13.否定・悲観スキーマ
14.感情抑制スキーマ
15.完璧主義的「べき」スキーマ
16.「できなければ罰されるべき」スキーマ
17.「オレ様・女王様」スキーマ
18.「自分をコントロールできない」スキーマ
スキーマ療法
スキーマ療法とは、認知行動療法では効果の出ない深いレベルの苦しみ・生きづらさを解消するためにアメリカ心理学者ジェフェリー・ヤング氏が考案した心理療法です。
認知行動療法とは、ストレス要因(出来事や環境の変化など)がストレス反応を引き起こし、ストレス反応も「気分・感情」「身体反応」「認知・考え」「行動」に現れ相互に影響し合うとします。その中でも、「認知・考え」と「行動」は変えられるとして、コーピング(ストレスに対処すること)していく実践的なものです。
認知・考えの中でも、一瞬一瞬で出ては消えていくものを「自動思考」と呼びます。その自動思考を生むような、より深いレベルの認知・考えを「スキーマ」と呼びます。スキーマは普段意識される訳ではないですが、無自覚に認知と行動に大きな影響を与えていると言われています。
終わりに
いかがでしたでしょうか?18のスキーマ紹介前に述べたように、これは型にはめるように使うわけではありません。
事実でもなく、頭の中や心の奥深くに刻まれた「個人的なもの」です。
まずは「強くある」「まあまあある」など5段階評価のように挙げてみて、それぞれで思いつくエピソードを振り返ることをオススメします。
書いた人
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出典・参考
医学書院,伊藤絵美,「ケアする人も楽になる マインドフルネス&スキーマ療法BOOK1&2」
聖和書店,伊藤絵美,「自分でできるスキーマ療法ワークブック BOOK1&2」