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ポケモン初心者にとっての「レート1700」とはなんなのか?(2024/10/15増補改訂)

*2024/10/15追記

 上記記事のように、公開のまま残す記事において、表現や誤字の訂正や必要と思われる追記を行うことにしました。
 一度読んだ方でももしお読みいただければ嬉しく思います。

 先日から複数回、ポケモンに関する記事を書かせていただいています。

 以下に20本ちょっとの記事をマガジンでまとめておりますので、この記事をご覧いただいた後、ご興味がありましたらご覧いただければ嬉しく思います。

*追記
 この記事の派生として、
ポケモンではなぜレート1700になるまで「メタ調整」を考えるべきではないのか|へる (note.com)
 を書かせていただいています。もしこの記事が参考になると思っていただきましたら、よろしければご覧ください。

 みなさんは、レート1700というと、「高い」と思いますか?それとも「低い」と思いますか?
 例えばレート1900であれば、3桁かかなりそれに近い順位になるので、ほぼこのレート帯が強いとか弱いとかの話に上がることは少ないでしょう。1800になると、最終順位も4桁の上位あたりになるので、客観的にもこれを低いと形容するのも難しいのかもしれません。
 そのため、この1700というレート帯が割と話に上りやすい。私はそう考えています。
 ただ、そういう視点からでもなく、以外とこの質問、ある意味では「的を射ている」ともいえる質問ともいえるのです。

 私なりの回答を提示しましょう。

 「どちらでもない」です。

 2択じゃないのかよ!じゃあ聞くなよ!って思いますか?
 まあだまされたと思って最後までお付き合いください。
 そもそもなんで私が1700を「どちらでもない」と表現するかには、初心者の方が目標を設定していくうえで、案外大事な話でもあるんです。

 そして、一応この話をする上で、3点最初に触れさせていただきます。

 1点め。
 例えば統計的な話を持ち出すのであれば、レート1700に到達していれば全体の中では高いほうで、多くの場合実際順位も4桁から5桁の最上位近辺だと思います。
 そのため、もしこの手の資料をベースにしたり、1700に達している人数あるいは全体との割合といった資料を土台に回答すると、少なくとも1700を低いと位置づける方はいないと思います。勿論1700というレートは高いんだ!という主張をする方も当然いらっしゃいますね。
 ただそれは、テストの平均点に達していることが、あるいは受験の偏差値が50に達していることがそもそも高い低いの基準となるのかという問題と隣り合わせですし、「中間より高い」ものを全て「高い」と扱うかという基準設定の話にどうしてもなってしまいますから、この手の資料を持ち出す方の主張は、「別にその論を否定はされないけれど、実態を知っているプレイヤーからすると肯定はしにくい」といった反応を返されがちです。
 資料自体は正しいものであっても、明確な高い低いの公式な分岐点がない以上、結局最後は主観を排除できないからですね。
 なので、そういった根拠こそ全て!といった主張を私は否定はしませんが、今回はそれが全てという話をしたいわけでもないし、むしろ本題とは離れてしまうので、ここからの話をする上では一度横に置いてほしいと思います。

 2点め。
 私自身は誇れる腕や順位をもつわけではありませんが、一応最終順位含めて最低限レート1700台1800台ベースで動くプレイヤーで、期内で一時的に1600台以下にいるときもありますが、それは大体実験パーティーでぼろ負けしたり、頭がおかしいほど運が悪い(90%技が4団連続で外れたり麻痩で動けないのが3回続くとか普通にたくさんありますおかしいやろ)ときくらいのプレイヤーなので、一応このレート帯とは?みたいな話をしても怒られないと思います。
 まだ働いていない頃の過去作では1850とかには普通に居れたのですが、年を取るとなかなかいろいろとあって難しいですね。

 3点め。
 この話の上で、「完全プレイング固定やそれに近いギミックパーティーで1700台にいったことがある」みたいなのは除外してください。
 この手のパーティーは、多くの場合「相手がそのギミックを正しく把握しているか」で実質勝負が決まるので、使い手側の技量等はあまり関係なく、勝敗がほぼ相手依存です。だから瞬間最大風速は出るので一時的に1700にのったとしても、本人の中身は始めたてと変わらないということがあってもおかしくないため、今回の話の趣旨上除外して考えてください。

〇私が考えるレート1700の定義

 まず明確に今回の主題を提示します。
「レート1700は、初心者を脱したといえる対戦のスタートライン」
 だと考えます。
 何位を目指す、あるいはレートいくつを目指すというような、よしここから「成果」を狙うぞ!となっていける地点にようやくたどり着いたかもしれない、それが1700ラインだと思うのです。 
 だから、1700は高いか低いかを論じるところではない。
 スタートラインがゆえに高いとは言わないし、勿論低くもない。
 そういうものだと考えています。

 こういうと、これは1600台以下を低いということか!という方も出てくると推測されますが、そもそもそのレート帯にいらっしゃる方はまずそういう視点から一度出た方がよいと思うのです。

 皆さんも、マスターボール級に上がった時、「やっとこれで一つの山を越えた!」「これからランクマッチ頑張るぞ!」と思ったと思います。
 勿論、それも一つのハードルです。ここからがランクマッチ!
 ただ、この場合のハードルは、「順位もつくようになったし、ランクマッチという舞台に上がる」という意味では確かにその通りなのですが。「ランクマッチで高い順位を目指していく」段階のハードルとしては1700になるくらいから、と言いたいということです。
 だからやや極端な言い方をすれば、例えばレート2000にいつもいらっしゃる方と、1600くらいでいつも終わる方とは、確かに同じ舞台で勝負をしているものの、実際には同じ舞台に立っているとは言えない。
 まあ例が極端すぎて、それを言い出したら1800とかだってそうなんでしょうが・・・。まあイメージの話です。

 というのも。
 おそらくまだマスターボール級になったことがない、あるいはやっとなれるようになった方には実感を伴うのは難しいと思いますが、マスターボール級になること自体はあまり高いハードルではないし、さらに言うなら実力が一定に達したことの保証をするものではないからです。
 はっきり断言すれば、対人対戦でちゃんと戦っていくだけの必要最低限の知識が一定以上身につき、いわゆる初心者脱却といえるまで身に着く前にマスターボール級に上がれてしまう方が多いのです。
 そして、ここが今回の記事の手段にかかわってきます。

 つまりは。
「対人対戦に最低限必要な知識や技術が身についていて、一定回数以上の対戦回数を行うプレイヤーなら、1700に一回も乗らない』ことはないはずだ」
 これが私の主張の概要です。
 なので、言い換えれば「1700に達したことがないなら、まだ身についていないものの量的に初心者の域を出ていない」 という趣旨でもあります。

 マスターボール級になったのを第一のハードルとするなら、1700にのれるようになってくるのがその次のハードル。
 そのハードルを乗り越えてやっと初心者を脱したと思ってもよいかもしれない。
 そういうことが言いたいのだと思っていただいて構いません。

〇1700の境目はどこに感じるのか

 統計がどうとかいう話は一度おいておいて、実際に自分が毎月何百戦と潜っている中で明確にわかることは。
 「1700に乗っているくらいの順位の方」と、「現時点の順位からみてまぼ乗っていないだろう方」の「パーティーやプレイングの水準」は、当然個別的な例外はあっても、全体としては明確に異なるということです。

 例えば単純にパーティーの構成。
 初手選出。
 試合展開での行動選択といったもの。
 そういった全ての端々が、1700に届いてなさそうな順位の方との対戦では違和感を感じる部分が出てくることがほとんどです。

 具体例を挙げてみましょう。

 それこそ試合後に再計算して確かめてすら絶対する必要のないテラスタルを不必要に切るといった、プレイングに安定行動がなかったり。

 パーティー構成と個別のポケモンのテラスタイプの間に関連性が全くなく、テラスを切った結果タイプの一環ができて、相手が地震を連打しているだけで勝てるとか。

 絶対に初手選出次第で展開が様変わりするような、本当に難しい初手選出のはずなのに、秒速で選出を決め、それで対面不利ができた瞬間秒速でびっくりテラスをしてくるとか。
 余談ですが、ある程度の実力があれば、あまりにここまでのそこまでの行動が怪しすぎるので、それをかわして大体勝ちます。

 他の人の調整どころかパーティー構築そのままコピー(レンタルパーティーを含む)しているため、1手目からほぼ全てなにをしてくるのかが看破できてしまうとか。
 流石に初心者を脱しているといえるような方であれば、知識もあるし、対戦回数上何人もそういう方にあたるので、かなり初手出しでわかってしまいます。

 環境や努力値調整の意味が理解できていないために、努力値含めた調整がASぶっぱみたいなのしかいなかったり。
 勿論必ずしもその調整結果が弱いという話ではなく、環境を理解して微調整できていないという意味です。

 他にも。「根拠のない意味不明な自信」に満ち溢れている方が多いのですが、例えば絶対常識的に積めないところで剣の舞をつんできたり、もう普通に考えてがむせっかくらいしかすることのないポケモンが多分バレてないという謎の自信でがむせっかをしてきたりしますが、始めたばかりの初心者が「剣の舞積めたらいいな!」といっているのを、あるいは「こんな頭がいい戦法があるなんて!」といったがむせっかをするのと、多少慣れてきた人が誰にもわからない謎の自信をもって「今なら剣の舞を積める(絶対積めるはずがない)」とか「相手ががむせっかなんて知っているはずがない(そんなはずがない)をするというのは、はたで見ていればただの狂気的なプレイをしているように見えるのは実はかわらないんですね。

 そういった面で、「どう考えてもそれは疑問しかないんだが?」という要素がゴロゴロと出てくるんですね。

 勿論私だって大した腕なわけではありませんから、私でも気づく違和感はそれこそレート2000に乗るような方に比べて少ないのでしょうが、それでもそのレベルにおかしさを感じるということは、細かいテクニックといった複雑な要素より手前、基本的要素自体にあやふやさがある、つまり基礎ができていないということだと私は感じています。

 なので、もし「ちゃんとしたパーティー」を「正しく理解したうえで、使っている」はずなのに1700に全く乗れない!というのであれば、おそらくパーティーやその理解の話ではなく、安定行動を心がけるとか、不必要なリスク行動をとらないとか、そもそもどういった「起きてはいけない事態があるのか」を知らないとか。そういった基本的な部分がまだ不十分だったりするはずです。
 あるいは逆にそれこそ私なんぞよりよほどうまい方が、どうやっても1700にかすらないというのなら、おそらくそれはパーティーの中身やその理解に初歩的な問題が残っているからだろう。
 私は、自分の対戦経験の蓄積と、勿論主観を含むにしろ一応根拠は明示できる要素から、そのように考えています。

 それに対して、順位的に1700は超えていそうだなというくらいの順位の方と対戦するときには、初手対面や時間をかけているところ、あるいはゲームの流れの中で、勿論択の発生などでお互いの判断の裏目などがでることはあるものの、「まあそういう選択肢もあるよね」「まあ確かにこういう展開にできるんだったらそうしたよね」という、対面でも後から納得できるような試合展開にほぼ全てがなってくると感じています。

 つまり、このレート帯になってくると、さきほど挙げたような「違和感」というか「疑問」みたいものがあまりなくなってきて、自分が対戦でうまく対応できずに負けてしまうときであっても、後から考察してみるとその流れとなった理由やそれを狙われた理由は大体理屈でわかるものなのです。

〇どうしてそれまでは「初心者」なのか

 ランクマッチの大原則は、私が常々記事で触れることではありますが、「勝率が高くなるようにする」ことです。目の前の一戦に勝てればなんでもいいわけではなく、目の前の一戦に負けても他の人よりより多く勝てていけばよい。そういう競技なのです。だから、パーティーをどう用意するかも、自分の腕磨きも、結局は全てそこに収束していく材料です。
 そして、勝率の高さはレート帯に反映されます。今たまたま多少負けが連続しようが、ある程度の対戦回数を重ねることで勝率の高さを維持できるなら、それに見合ったレート帯には戻ることになります。

 そして、いわゆる材料の部分部分が一定レベルに達しないと、多少過程のレベルに差があろうが、対戦中の実態としてのレベル差は実はあまりなくなってしまいます。すると勝率もそれを反映したものとなるので、レート帯もなかなか上がることができません。

 先ほどの例を元に考えてみてください。

 プレイングに安定行動が考慮されていない方は、要するに今なにをすることが安定行動か、あるいはそもそも安定行動とはなにかが「わかっていない」から考慮していないはずです。
 勿論諸々の計算だったり知識量だったりは、そういった方々でも始めたての方よりかは絶対に多いでしょう。でも結局それが対戦中の安定行動の検討といったところに結び付いていないうちは、「客観的な状況」として「対戦中考慮すべきことができていない」わけですから、始めたての方と変わらないわけです。
 勿論過程の段階が意味がないはずはなく、「初心者と完全に同レベル」とは言わないまでも。対戦中なにをどうしたかという瞬間の話を切り取って考えれば、残念ながら「初心者と段階が違う」とは言えませんよね。
 計算問題を途中まで解ける方と手が付けられない方の間に実力差がないはずはないものの、「実際の対戦の場」においては結局求められることは「最終的に解けるかどうか」でしかない以上は同じになってしまう。それは仕方がないことなのです。
 
 パーティー構成とテラスタイプの聞に関連性がなかったりするのもそうです。
 始めたての方が、例えばカイリューの鋼テラスが今多いし強いみたい・・・と個別バラバラに1個体ずつ作り、それの手持ちの適当な組み合わせでパーティーを作るのと、多少慣れた方がある程度の手持ち選択肢も用意してあるけど深く考えずに「このカイリューが一番強そう」というだけでそのカイリューを採用し、結局そのテラスを切ったことで地面の一貫ができて・・・ということが起きたら、果たしてそれは客観的に見て大きなレベルの違いなのでしょうか?
 結局それって、「カイリューが鋼テラスを切った後のことを考えていない」のは同じだし、地震を連打されているだけで負けているのも同じですよね。

 秒速で選出を決めて対面不利で秒速でびっくりテラスをしてくるとかはどうでしょう。
 初心者どうしで行われることはかなり多いと思いますが、ちゃんとした理屈付けやプランのない唐突なテラス自体は、ある程度触れている方でも普通にしてしまうこともあると思います。
 これも正直「ちゃんとテラスの使いどころを考えておけていない」とか、「テラスを切ったあとのことを十分に考えていない」という意味では、別になんにも大きな差異が生まれていません。特に初手びっくりテラスで一方をとった後に完璧にまくられるような方は、こういった心当たりがご自分にありませんか?

 他の人の調整どころかパーティー構築そのままコピーしているのは、多少慣れてきた方でも、そろそろもう少し勝ってみたいけど自分の考えた構築ではなかなか勝てないから・・といった理由で普通にやりがちだと思います。
 でも特に最近の始めたての方の多くは、情報が出回っていて簡単に入手できることもあって、レンタルを含めたそういった「有名な型のコピーから入る」ことが多いはず。
 だから、「中身をしっかり理解しないでただコピーしている」とか、「バレるというコピーのデメリットを考えずにただコピーしている」だけであれば、客観的に初心者との間に実は大きな差はありません。

 新ルール開始後直後とかではなく、ある程度環境が進んでいてもまだ努力値調整がASぶっぱみたいなのばかりだったりするのも、はじめたての方が「まあとりあえずよくわかんないけどアタッカーだから攻撃性能全振り!」と言っているのと、多少慣れている方が「まあなんかなにが強いのか結局よくわからないからとりあえずASぶっぱでいいか」と言っているのでは、「環境考察として勝っていくのに求められる十分な量を考えられていない」という意味ではなにも変わらないのです。

 要するに。
 こういった部分部分の要素で、「なるほど始めたての方とは明確に違う段階に進んでるくらいにはなったな」という積み重ねが整うと、当然それにより勝てる量や安定も増していて、少なくとも1700に達することがないということはなくなっている。
 逆にそういう部分が明確に不足していると、細かい部分に目を向ければ確かに伸びていないわけではないが、差があるというには不十分すぎるために勝率に反映されず、なかなかそのあたりまでは達することができない。

 だから、なにが初心者なのかに明確な定義はつけづらいものの、「ランクマという舞台には確かに上がってはいても、まだ基本的なことを学んでいる段階」という意味では、まだ明確にはハイボまでにいたときとあまり変われていないし初心者を脱していない。
 そのように考えていただくのがよろしいかと思うのです。

〇このラインに到達するにはなにが必要なのか

 勿論個別の不足点はそれぞれその人によって違うわけですが。実はこれらの例には、個別の話というより、ある共通した傾向があります。
 そのうちの一つが、「ゲーム進行を『流れ』として事前に想定していない」ことです。
 対戦は、今そのターンの話しか考えないでよいわけではありません。
 ここでなにがおこると次のターン、そのあとのターンがどうなるか、どうならないと自分が勝てないのかを考え続ける必要があります。
 でも実は、対戦に入る前からその話は始まっているのです。

 例えばパーティー構成や個体調整の話で考えてみましょう。
 AS最速オーガポンが弱いわけはないんです。それはCS眼鏡ハバタクカミが強いのと同じ話ですよね。でも環境によってはそれよりもっと強く動けるオーガポンがいる。それにたどり着けた方はその別のオーガポンを使うわけです。では、環境想定といったことはどう考えればよいのでしょうか。
 今環境に多いのは○○だ。その○○は△△という型が多い。つまりそれが多いなら相手はこうしてくるはずで、それに対して一番強くなれるのはこういうオーガポンなんじゃないか?こんな感じで考えるはずですよね、
 そう、対戦はしていませんが、頭の中で対戦をしているようなものです。そういった対戦の想定を正しく組み立てられる人が勝てるパーティーを生み出せるわけですが、程度はともかくこういった想定をしていけば、変なテラスの一環なども当然なくなるのがわかりますか?

 だから、いわゆる環境の客観的事実として「どう考えてもこの環境最強のオーガポンは最速ASでもないし、そもそもこのパーティーで最速ASである必要全くないとしか思えないのに最速ASを使っているプレイヤーがいるとすれば。そのプレイヤーはおそらく、先ほど想定した水準にたどり着いていない可能性が高いわけです。
 そういった想定がないと、「なぜここでこの型のオーガポン?」「この流れって別におかしいことはないのにどうしてここでこうなる?」という違和感しかないことが対戦中起きてくる。
 こういった「おや?」という点の積み重なりが、前述でいう違和感になるわけですが、なんとなくわかると思うのですけれども、そういう違和感が積みあがってしまう方が「上手い」わけはありませんよね。

 もう少し具体的な例を出してみましょう。
 「初手にステルスロックをまきたいな!ディンルーを入れよう!」と考えたとします。
 次に、「でもそのディンルーに水ウーラオスを初手合わせられるとつらいな!じゃあパーティーに水オーガポンを入れよう」となる。
 最後に、ここまで全部物理だから、アタッカーは特殊にしたいな!CS眼鏡ハバタクカミを入れてこの3体で戦うパーティーにしよう!
 と考えたとします。

 どうでしょう。「すごいよく考えてるじゃん!と思いますか?」

 勿論論点としてすべてが間違っているとはいいませんし、「最速鉢巻パオジアンのつららおとし連打のケアは?」みたいなのは他の3体で調整すればいいのですが、そうはいってもどう考えても想定が浅すぎます。

 さて、質問です。
 そもそもつらいなというウーラオスはどういうウーラオスなんですか?  
 持ち物は?努力値の振り方は?技構成は?
 じゃあ実際にディンル一対面が水ラオスになったときを考えて水オーガポンを入れるって話だけど、じゃあ対面したらどうするの?
 水流連打だ、と思ってオーガポンに引くの?
 インファイトだと思ってハパタクカミに引くの?
 それともディンルーがテラスするの?
 あるいはそもそも初手をディンルーではなくてオーガポンにするの?
 その想定だとしたらディンル一、水オーガポンはどういう努力値振りをするの?
 そもそもだけどウーラオス側からみてそのパーティーの並びなら初手はとんぼがえりも結構安定行動に見えるけど、それをされたときの想定はしなくていいの?

 そして。「それはなぜ?」

 そういう進行パターンのパリエーションやそれに合わせた調整諸々までが「パーティーを組む」ということなのです。
 やりたいことはこれだ!よーしこれをしていくぞ!この順番に技を出していくつもりなんだ!は試合進行をイメージするということではありません。だってあなたが勝手に自分のスケジュールを決めているだけで、そこに相手がいないじゃないですか。時々ハイボ以下とかでもいませんか、壁をはったあとレイジングブルで壁を破壊されたら瞬間投了するようなプレイヤーの方が。客観的に見ておかしいのがわかりますよね。

 勿論対戦中のあれこれ自体は重要。
 でもそもそもパーティーで対処できない事態は対戦中に対処はできない。その対処できるパーティーはどうやってくまれるのか?
 そう。ゲーム進行を流れとして事前に想定することです。成果を残した方の構築記事を読めばなんとなくわりますよね。
 でも多分1700にたどり着けない方の多くは、それが「トッププレイヤーにになるとこういう風に考えていくんだ」と勘違いしています。

 そうではありません。

 私は勿論今のあなたを含めて、どんなレベル帯だろうが関係なく、みんなが考える必要があるんです。あくまで違いがあるのはそれが「できるか」だけなのです。
 みんなが考えた中で、その考えたものの質が高かったり環境上ハマったプレイヤーの方が、それに見合った成果が出るんです。そしてそれを考えだせる実力をもったプレイヤーの方が、いつも高い成果を出していける。

 じゃあ一応考えられているけど、うまくいかなかった人たちはどうなるのか?
 答えは簡単。
 だいぶ雑に言いますが、レート1700~2000 くらいの聞に固まってくる。といっても上位の方々にしてみれば、それこそ1桁2桁になれなければその範囲だ、ということになるのかもしれませんが。
 いうまでもありませんが、ここまで書いたことをちゃんと考えるには、相応の土台が必要です。知識。プレイング。それも中途半端すぎてはだめです。ある程度以上の一定程度の水準が必要ですよね。

 なんとなく伝わったでしょうか。

 つまり、それが不十分で、まだそもそもちゃんとこういったことを考えられていないのであれば、1700よりも下のレート帯にいることが多い。
 そういう傾向があると感じている、ということです。

〇勝率に大切なことは「再現性」である

 ここまでの話を一度見直してみましょう。

 1700に乗れるくらいにならないと初心者を脱したとは言えない。
 1700に乗れないプレイヤーには構築やプレー上の違和感が多い。
 構築やプレー上の違和感が多いプレイヤーは対戦の流れがイメージできていない。
 対戦の流れのイメージには一定以上の練度が必要。
 流れのイメージを持てなければパーティーを十分に組めない。

 さて。ここで根本的な話に立ち返ってみるのですが。そもそもなぜこのイメージをちゃんともつことで勝率が上がるのでしょうか。
 上手くなるから?勿論そうです。ただそれだとちょっとあいまいですよね。でももっと具体的なイメージが持てるのです。

 よく、あまり上手でない方が「夢たっぷりなんでもあり調整」をすることがあります。いろんな場面でちょっとずつなにかをできればいいなという「具体的な場面想定のないただの夢」を詰め込んだ結果、全体的になにをしたいのかよくわからない中途半端なよくわからない物体になってしまう。
 例えばいわゆる小学生カイリューもその系統の産物です。
 具体的な場面想定がない、というのはさきほどの話で原因もわかると思うのですが、そもそもどう使うかがあやふやということは、「どうすれば勝てるのかがあやふや」ということです。要するに「勝つか負けるかが場当たり的で再現性がない」ということなのです。

 再現性。
 なぜ再現性が大事なんでしょうか。
 それは、勝率という観点で見た時、「勝ち方のパターン」がはっきりしていることが大切だからです。よく有名プレイヤーの方のYouTube等でもそういうことを言っていませんか?
 例えば命中不安技が嫌われるのは、技外れにより再現性という観点で安定せず、勝ちが安定しないために勝率に悪い影響が出るからです。つまり逆に言えば、再現性が低いなら命中不安技かどうかは関係ない。そして勝率に悪い影響が出ます。
 すると勝率が上がらない。
 するとレートが上がらない。
 すると1700に乗れない。
 と、いうことは?

 そうなのです。
 先ほどまで私が触れてきた話は、結局のところ「勝ち方に再現性が十分もたせられない」ことにより勝率が安定せずレートが1700に届かないということ。それは再現性がもたせられるほどの力が身についていないせいで、それは流れがイメージできていないからで、それは必要な知識等が十分に身についていないから、なのです。
 1700に達するくらいのプレイヤーになると、この再現性をある程度考慮できているくらいになり、当然それに必要なもろもろを身に着けていて、だから初心者と呼ばれない程度になっているということなのですね。

〇初心者を脱却した時、対戦がより楽しめるようになる

 このように1700ラインは、比較的客観的には自分の達成目標の設定として活用しやすいラインといえます。なにかしら明確に「土台に欠けている」ものがあるとなかなか到達しにくいので、自分のなにが今足りていないかを見直し、座学等で、補っていくことをお勧めします。
 特に対戦経験値が十分にあるはずなのに!みたいな方は、おそらく座学で学ぶ基本的な部分が足りていないことが多いでしょうから、一度対戦の時間を減らしてでも基礎を学ぶべきかもしれません。

 どんな勉強であっても、目標地点を設定せず、やみくもにただ頑張るというのはなかなか精神的にも難しいものですし、効率という意味でもよくありません。そういった意味で、このような「ライン」はそういう意味ではかなり役に立つラインだと私は考えています。
  勿論これは私個人の主張にずぎませんが、こういった一定の判断ラインというのはこれ以外にもあると思います。
 先ほども触れているマスターボール級に到達することも、物理的条件として戦いの土俵にあがるという意味ではその一つではあると思いますし、なかなか客観的な物差しなしに自分にかけているものを見つけるのは難しいですから、こういった物差しはぜひ活用してみていただいてもよいと思います。

 このラインは案外慣れてきてもある意味使えるラインでして、私の場合基本的に1700ラインは普通に安定して超えているけれども、異常な運の悪さ等の下振れがないのに今使っているパーティーが1700を切るくらい負けが込んだら、使っているパーティーの「想定」その他もろもろに明確な問題があるのだろうな、と考えるようにしています。
 プレイヤー側が1700ラインを達成できるくらいなのに実際にはそうでなくなってくるということは、(勿論私が腕が落ちている可能性を考慮した後でですが)使っているパーティー側に問題があると考えるのが自然だからですね。

 なお、これはあえて書くのですが。
 もし今これを読んでらっしゃる方が、1700なり1800なりのレートに普通に乗れるようになった時、いわゆるポケモン初心者の方の対戦と、一定レートに当たり前に達する人の対戦は、同じポケモンというゲームでの対戦でありながら、全く別のゲームをしているのに気づくと思います。
 例えば初心者どうしの格ゲー対戦と、プロどうしの格ゲー対戦が、同じゲームで同じルールで対戦しているのにも関わらず、全く別物なのはなんとなく画面の動きからだけでもわかりますよね。読みあいがどうとかそういう話も聞いたことはあると思います。それと同じだと思っていただいて構わないと思います。
 とはいえこれはまだそのラインに達したことのない方が自力で実感するのはなかなか難しいのですが、YouTubeをやっている有名プレイヤーの対戦動画を見てみれば、なんとなくイメージはつくと思うのです。
 心の中で考えてみてほしいのですが、動画の中で例えば「ここはとんぼがえりしか押せないので」とか「ここははねやすめが安パイなので」といった発言があったとき、イマイチなんでかわからなくないですか?
 例えば私の場合、勿論同じようにやれと言われても困りますが、少なくともなんでそうなるかはわかります。おそらく私と同じレート帯の方も皆さんそうでしょう。
 そして、この「わかる人の対戦」と「わからない人の対戦」が同じ対戦にはならないんだろうな、というのがイメージできるのではないでしょうか。

 その上で書きますが。
 このポケモンとしてのゲームが対戦ゲームとして面白いのは、これがある程度わかるようになってからだと思います。
 わからない段階だと、勝っても負けてもイマイチ根拠がわからないので、よくある話として運ゲーでもなんでもないのに運ゲーだと認識してしまったりと、このゲームならではの対戦の面白さをまだ全て感じ取れていない場合が多いからですね。
 だから、初心者を脱したくらいになると、よりこのゲームの対戦が面白くなる。だからぜひそこにまずはたどり着いてほしい。
 私は私自身の経験としてもそう感じています。
 

〇対戦だけをひたすら繰り返すのはやめよう

 さて、ここまでの話をしたあと、どうしても1点触れておかないといけないことがあります。それは、「過程はともかく1700に乗りさえすればいい」という趣旨にはとらえないでほしいということです。 
 先ほどから私が述べているのは確かに私なりの基準の提示の話ですが、それは「初心者を脱したといえる目安的なものである」という意味であって、「1700に乗ること自体に絶対的な価値がある」といいたいわけではないのです。時々こういう話の中で、なぜかそういうとり方をする方がいらっしゃいますよね。

 こんな経験はありませんか。
 例えばマスボに上がりたいという時、最後の1回がなかなか勝てずにいらいらし、その頃の自分ですらなんとなく自覚できるようなブッパプレイや初手願望テラスタルなどで強引に運勝ち等で結果だけを狙いにいったりとか。
 とにかく1600というラインに乗ることだけを狙って、パーティーや対戦内容をろくに見直しなどもせず、ひたすら対戦だけを延々繰り返したりとか。
 あえて言うことでもないのですが、こんなことをしてそのラインに乗ったとしても、別にその人は上手くなったわけでもないことがほとんどです。

 これは極端な例にしても、学習という意味でもよろしくありません。
 勿論経験を積むのは大切なことです。対戦の中で初めて見えてくることもある。ただ、対戦の中でなにかを新しく学ぶためには、一定程度の基礎座学が必要になります。

 こういう方は周りにいませんか。
 「ポケモンを始めたばかりで上手くなりたい?ならとりあえず毎月300戦くらいやるところからスタートだな!」的な。
 言うまでもないことですが、それは間違っています。厳密にいえば300戦やらないよりやった方がいいし、300戦といわないまでも一定数の対戦数は欲しい所ですが、学習方法としてみた時には絶対に間違いです。
 だって、まず最低限以上の知識がない方が対戦中の自分の間違い等を自力で気づくことはまず無理だからです。
 例えば耐久調整の知識やダメージ計算の仕方を知らない方が延々対戦を繰り返しても、なんで自分が攻撃した時に耐えられたりするかもわからないし、そもそもダメージが足りるのかを考えてから行動するということにもなかなか思い当たることはできません。誰かが対戦の答え合わせをしてくれることはないからです。

 しつこいようですが、多くの場合そもそもこのラインに達していない方は、経験以前に明確に知識不足であることがほとんどです。だから負けた理由に自力で気づくことができない。負けた理由がわかるほどの知識がないのに負けたことで知識をえることはなかなかできないのです。
 実際、もし今ランクマッチにいる方が皆さん対戦の中から自分が不足していることをどんどん吸収できるようであれば、みんながどんどんちゃんと整理された正しい発想ができるようになっていくので、1700なんてラインを求めなくても私が先ほど述べたようなことをみんなができているはず。
 でも現実的にどうでしょう。おそらく、残念ながら、そうじゃないですよね。

 つまり、残念ながらというべきか、私を含めてほとんどの方にとっては絶対に必要なんですよ。対戦をしっかりやっていく、の前段階。対戦に挑む前に座学で必要な知識を吸収するという段階が・・・。対戦をしっかり続けて経験を積んで上手くなるというのは、あくまでその次のステップに行う話なのです、そう、残念なことに!
 始めた最初から、楽しく対戦を繰り返すだけで必要なところまで上手くなるなんて、ほとんどの人には無理なことなのです。

〇まとめ

ということでまとめてみます。
・現実的に見て、1700ラインに届かないようであれば、まだ自分が初心者、少なくともそれとそこまで変わらないくらいだと思って取り組んだ方がよい。
・ゲームの流れがある程度事前に考えられるようになってくると、それができなかった頃より明らかに成果はよくなっていく。
・今の自分になにが足りないのかを考える際にも、このような一定のラインの感覚は役に立つ。
・対戦だけを繰り返すのではなく、必要な知識をまず座学で身に着けよう
・初心者を脱却したとき、より一層このゲームの対戦が面白くなる

 どうしても対戦ゲームにおいて、「自分は今強いか弱いか」「成果が高いか低いか」には敏感になってしまうので、最初にしたような問いがツイッター等で出回るわけです。ただ、その視点に固まってしまっても、主観論の輪の中からは抜け出しにくく、せっかくの状況を活用できません。
 
 私の主張が全面的に正しいかはおいておいて、このような視点で自分の立ち位置や状態を把握し、今後に活かせるようにする材料の案としてはご提案できていると思います。
 もしなにかの参考になれば幸いです。


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